つくばで食べる・つくる・育てる Vol.26『春よ、来い』
つくばで食べる・つくる・育てる
2月のテーマ「春よ、来い」
こんにちは、くーこです。私は運転中ラジオを聴くのですが、2月に入ってから松任谷由美さんの「春よ、来い」をよく耳にするようになり、春がそこまで来ているんだなあと感じています。先日の北京オリンピックでもフィギュアスケートのエキシビションでも羽生結弦選手がこの曲を使っていましたね。
よくよく考えると、歌を聴いて季節を感じることってそう多くない気がして、改めて聴いてみたのですが、まず思うのが美しい日本語で綴られているということ。文語体で書かれていて、中学2年生の国語の教科書にも採用されているそうです。そして冒頭の歌詞に「沈丁花」をチョイスするのがさすがユーミンだなと感じました。
沈丁花は2月の後半から開花する常緑低木で、淡いピンクの小花が手毬状に密集して咲きます。特徴的なのは、花から出る甘い芳香。昭和の一軒家には結構植わっていた気がするのですが、実家や祖父母の家にも植えられていて、あの香りがすると普段は思い出さないような些細な記憶が引き出されて、どうにもむず痒くなるのです。数年前に祖父母の家を片付けた時にもちょうど咲いていて、曲と同じタイトルの朝ドラも一緒に見たな…とかちょっと切なくなりました。もしかすると嗅覚って視覚よりも記憶とつながりやすい?その後の歌詞を読むと、「愛をくれし君」と過去形の人物が出てきますが、ユーミンも沈丁花を記憶を呼び起こす花と考えていたのかもしれませんね。言葉の選び方が上手い方だと思っていましたが、花の名前ひとつでここまで想像させるなんて本当に凄い!しか思い浮かばない私の貧弱なボキャブラリー…
そんな若干センチメンタルな気分になるこの時期なので、家で作るおやつも子どもの頃から作っているものを選びたくなります。
昔ながらの固めプリンとか、小豆から善哉作るとか。鍋できちんと練ってから作るココアも好き。最近作ったのは求肥です。
先日、実家の父からあんこを炊いたのでおすそ分けしてもらいました。5枚切りの食パンであんバタートーストにしたら少しだけ余ってしまったので、大好きな求肥と合わせてみようと。あんみつ頼むとき、追加して頼むかどうか毎回迷う求肥と杏。家で作れば好きなだけ食べられます。しかも簡単。5分もあれば作れちゃいます。どうせなら、春らしくカラフルでかわいいがあると良いなと思ったので、家にあったいちごミルクの素とオレンジジュースで白玉粉を練ってみたらなかなかかわいい仕上がりになりました。いちごは少しくすんでしまいましたが、あんこと一緒に食べるとフルーツ大福みたいでしたよ。もうすぐひな祭りなので、丸めたあんこに薄くのばしたカラフルな求肥を十二単みたいに重ねてお雛様みたいにしてもかわいいかも。
春本番までもう少し。思い出と共に甘いものを食べつつ庭の手入れをし、芽を出すのを楽しみに過ごしています。
・砂糖 30g(フルーツ求肥の時は20g)
・水 60ml
・片栗粉 適量
④ バットなどに片栗粉を敷き、求肥をのせ、さらに上から片栗粉をまぶす。
指で簡単に広げて伸ばすことができます。切ったり結んだりと自由にしてみてください。
執筆者紹介: くーこ さん
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。