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【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.66『苗間違え』

つくばで食べる・つくる・育てる
7月のテーマ「苗間違え」

 こんにちは、最近息子のクラスメイトに人間の着ぐるみを着た中身はムーミンママだと思われているくーこです。

人間の着ぐるみって!(笑)昔から、ピカチュウとか二次元のキャラクターに似ているとはよく言われていましたが、さすがに中身が二次元は初めてです。

なんでそんな話になったかというと、給食食べながら「どこの苺ジャムを食べているか?」との話題が出たらしく、息子は「自家製」と答えたとのこと。毎年シーズンになると1年分実家と我が家用に作っておくので、そのように話したのでしょう。「皆びっくりしてた。ママは果物あるとすぐにジャムにしがちだけど、他のおうちはジャム作らないらしいよ」って息子は驚いていたけれど、買う方が普通だよと答えておきました。

そして翌日の帰宅後、「ママ、皆のうちはパンとか手作りしないらしいよ!」とビッグニュースかのごとく話す息子…それが普通だよ。ママもパン屋でバイトしていなかったら一生作らなかったと思うよ?と話をしたのですが、その辺りから何でも作れると勘違いされた私。文学を嗜む子がいたのでしょうね、中身ムーミンママ説が出たようです。ま、お腹の曲線には近しいものを感じていますけどね☆

特にうらやましがられたのが生地から作るピザだったらしく、食べに行きたいと何人かの友達に言われているそうで「ピザ用トマトの収穫が終わってからかしらね~」と話していました。今年は2株植えているし、結構な収穫を見込んでいたのでキッズたちの胃袋ぐらいはどうにかなるでしょうと考えていました。ところが!成長して実が着きはじめた段階で異変に気が付きます。 

「実の形がおかしい…」調理用トマトとして購入した品種は楕円形のはずなのに、まん丸なのです。ここで家庭菜園系のSNSで時々見かける、苗の表示間違えに当たってしまったことに気が付きました。購入したのは確かに同じプレートが付いていましたが、栽培農家さんで間違えてしまうことがあるらしいです。残念ですが、トマトであることには違わないしソースにはできるからと育て続けたところ更なるトラブルが。「実が赤くならない…」。

取り違えられた苗は、まさかの紫色の実がなる品種だったようで、おそらくトスカーナバイオレットというものだと思います。味も少し独特な甘さと酸味です。市場ではブドウのような味わいと言われていて、希少種らしいのです。ただ、この色だとトマトソースには向かなさそうだし、生食するにしてもうちのメンズには「あまり好きな味じゃない」と言われてしまいました。こっちが選んで購入したのなら諦めもつきますが、業者の間違えなので「じゃあどうしろと!」と思わなくもなくて。

そんな時に、私の中のムーミンママが「サルサソース作って、チキンカツにかけて食べましょ。そうしましょ」と言ってきたので、それなら家で採れた他のミニトマトを混ぜてカラフルにしてしまえば味も気にならないかも!と、冷蔵庫の中にあった、新玉ねぎとピーマンを刻んで、ミニトマトもカットして、レモン汁とオリーブオイルとタバスコふりかけてサルサ作って、チキンカツは麺棒で叩いて薄くした鶏むね肉にマヨネーズ塗ってから、パン粉に庭から採ってきて刻んだパセリと粉チーズ混ぜたものをまぶして揚げ焼きにしてみたところ、夏にピッタリの一品になりました。

サルサソースは白身魚のムニエルとかにも合いそう。これからピンチの時はあわてず騒がず、ムーミンママのマインドで行こうと思います。

それではまた8月にお目にかかりましょう。

≪ミニトマトのサルサソース≫

【材料】(作りやすい分量)
・ミニトマト 20個ぐらい 
・玉ねぎ 1/4個 
・ピーマン 1個 
・レモン汁 小さじ1

・オリーブオイル 小さじ1 
・塩 小さじ1/3 
・こしょう、タバスコ 少々

【作り方】
① ミニトマトは4つ割りにする。

② 玉ねぎとピーマンはみじん切りにする。
玉ねぎの辛みが気になる場合は5分水にさらして水気をよくふき取っておく。

③ ボウルに①②と調味料を入れてよく混ぜたら出来上がり。少し冷蔵庫で休ませておくと味がなじみます。
(調味料は味見して調節してください)


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】苔玉に寄せて Vol.114~産地で見る植物たちを苔玉に!

買い物がてら、近所のホームセンターへ出掛けました。園芸生モノ売り場の一角に、4寸鉢に植えられたビカクシダ(コウモリラン)を見かけました。1鉢580円、苔玉に仕立てて、パソコンデスク回りに置きたいナァ、ついつい手が出ました。

自宅に持ち帰って机上に置き、一風変わった緑葉の様相を見る、嬉しくなってきました。60余年以前、大学2年生の頃、下宿部屋の一端にコウモリランを吊り鉢して眺めたことを懐かしく想い出します。「イヤァー、また会えたナァー!」・・・・・

よし、吊り仕立ての苔玉に作ろう・・・・・コウモリランの苔玉造りは先月に書きました。
苔玉に仕立てる植物を探して園芸植物の産地、園芸店、ホームセンター等を歩くのは楽しいことです

『これは、苔玉にピッタリ・・・見―つけた!』ときは、宝物を見つけた感覚です。過去・50余年、苔玉に仕立てる植物材料を探して全国を歩きました。苔玉等、園芸の本質は「園芸生モノ」を知り抜くことにあると思います。園芸生モノを真に理解・熟知するためには、植物それぞれに異なる「産地を歩く」ことも重要です。まずは、近辺にある産地を歩くことによって、研ぎ澄まされた園芸愛好家の目で見ること、さすれば、思いもよらない素晴らしい植物にぶつかることでしょう。

 さてコウモリラン君! しばらくの間は私のデスクライフを見ていて下さいねぇ!

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。

【重要】公式 Instagram 閉鎖のお知らせ💡

日頃よりActiveNoteをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

このたび、ActiveNoteの公式Instagramアカウント「@activenote」が第三者により不正アクセスを受け、乗っ取られてしまいました。フォローしてくださっている皆様には、多大なるご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。

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今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.65『北信食べ歩きツアーに行ってきました‐後編』

つくばで食べる・つくる・育てる
6月のテーマ「北信食べ歩きツアーに行ってきました‐後編」

 今回、ホテルは長野インターそばにある「メルキュール長野松代リゾート&スパ」を1泊朝食付きで前日に予約入れて行ったのですが、大当たりでした。駐車場は無料だし、お部屋からは北アルプスが一望でき、隣には大好きツルヤもありました。

温泉も広くてきれい。なにより、朝食がおいしすぎて食べ過ぎました…
小布施であれこれ食べる予定だったのに、夫婦であれほど「食べ過ぎ厳禁」を合言葉にしていたのに、地元の郷土料理とかスイーツがたくさんあって結局手に取ってしまいました。ここはまた訪れたいホテルです。

このホテルから下道で40分ほど車を走らせると、栗で有名な小布施に着きます。

江戸時代から続く歴史的な街並みが魅力的で、古い蔵や家屋が立ち並びまるでタイムスリップしたかのような気分になります。

栗菓子のお店だけではなく、カフェやショコラティエなどもあり「絶対に食べ歩きしたら楽しいよね!」とおやつの時間に行ってみたいところを探しながら、最初の目的地「北斎館」を目指します。

名前の通り、江戸時代の有名な浮世絵画家である葛飾北斎の作品が展示されている美術館になります。北斎と言えば江戸(東京)のイメージだったのですが、晩年は小布施の豪商である高井鴻山との縁で、何度かこの地を訪れてはしばらく滞在して作品を制作していたようです。
正直、浮世絵にあまり興味はないのですが、せっかくなので寄ってみることにしました。

この時の企画展は「略画 ―はずむ筆、おどる線―」。北斎の絵手本にある単純な絵や、現代にもあるあいうえお絵本みたいなものがあったり、見ていてすごく楽しい気分になる展示でした。
北斎が小布施に来る頃には浮世絵ではなく肉筆画に力を入れていたそうで、上町祭屋台天井絵「男浪図」「女浪図」を手がけ、この美術館に収蔵されています。しかし、この日は鎌倉市の美術館に貸し出し中とのことで複製画だけ見てきました。極彩色豊かで、北斎のイメージがかなり変わったと思いました。美術館が好きであちこち行きますが、ここ最近では一番かもしれないです。

 ショップで図録を買った後は、栗のお菓子で有名な「竹風堂 小布施本店」でランチタイムです。お目当ては絶品栗おこわが食べられる「山家定食」。竹籠に入った蒸したての栗おこわに、ニジマスの甘露煮やリンゴジュース、むかごの小鉢や山菜煮物が付いてきます。栗がほんのり甘くて、もち米の塩味とモチモチがとっても良く合います。栗がごろんごろん入っていておいしすぎる!魚の甘露煮は住んでいる土地柄もあって食べる機会も多いのですが、ニジマスはお初です。柔らかく炊かれていて、頭からいけちゃいます。甘すぎず、しょっぱすぎず、絶妙な塩梅でした。煮物もむかごも山菜好きにはたまらないラインナップで、お腹も心も幸せでぱんぱんです。

あまりにおいしすぎたので、お土産に栗おこわを買って帰ることにしました。配送品は冷凍らしいのですが、お持ち帰りは蒸したてを包んでくれるとのことだったので帰りに寄ることに。

 腹ごなしに栗の小径を通って駐車場に向かい、そこから午後の目的地「曹洞宗 岩松院」へ。
俳人の小林一茶や戦国武将・福島正則ゆかりの古寺だそうです。このお寺は当初のスケジュールには入っていなかったのですが、北斎館近くのお土産屋さんのお姉様方に強くお勧めされてやってきました。なんでも「小布施に来たなら、岩松院の北斎の天井画は絶対に見て行って!あと、解説もちゃんと聞いてくるんだよ!」なんだそうです。

そこまで言われたら見に行かないわけにもいきません。

 お寺さんに着くと、まずはご本尊にお参りし、北斎が使った顔料の資料を見学したり、一茶の中でも特に有名な「やせ蛙まけるな一茶これにあり」という句を詠んだ蛙合戦の池を眺めていると、お寺の方が天井画の説明をしてくれるので本堂へ一同向かいます。

 本堂天井に描かれているのは葛飾北斎最晩年の大作「八方睨み鳳凰図」。21畳分の天井から鳳凰が一面に翼を広げてこちらを見下ろしています。どこから見てもこちらを睨んでいるように見えるため八方睨みと名付けられたそうですが、ある地点から動くと羽の色が変わったり、北斎の好きだったモチーフの富士山が隠してあったりといろいろ面白い仕掛けがしてあるそうです。
何より驚いたのが、一度も修復することなく色褪せず今ここに存在していることです。1848年に完成したので、かれこれ177年経っていますね。それだけで尊いです。確かにガイドがなければただ「すごーい」って言って終わってしまったかもしれません。
お姉様方には感謝しないと。

北斎三昧で小布施観光は〆て帰路に。食べ歩きはどうした?って思うかもしれませんが、おこわを食べ過ぎて別腹もどこかへ行ってしまったようなので、またの機会にすることにしました。

ただ、やっぱり栗のお菓子はお土産に買って帰ろうということで、小布施スマートIC近くにある「松仙堂」へ。地元の人は栗菓子をここに買いに来るらしいという情報をキャッチしたのですが、農道を通って看板を頼りに行くと民家の敷地内にお店がありました。知らなければ入るのにためらってしまうかもしれないです。こちらのお菓子は自家栽培の栗を使っているそうで、100%小布施栗なんだそう。自宅用に季節限定の水栗ようかんを買ってみましたが、水っぽくなくかつ重くない栗の風味が効いた暑い時期にぴったりなお菓子でした。

今回は初の北信ということで、かなり王道ルートで観光しましたが、まだまだ行ってみたいところがあるので季節が良い時に何度か訪れてみたいなと思いました。今の時期はちょうどアンズや他のフルーツも出始めてきているのでそれを目当てに訪れるのも良いかもしれないですね。
それではまた7月にお目にかかりましょう。

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】苔玉に寄せて Vol.113~コウモリランの苔玉

 コウモリラン(ビカクシダ)の苔玉作りにチャレンジしました。

まず、 
①.プラスチック製鉢に仕立てられていたコウモリランの根部の土を払い落とす。 
②.その根元を水蘚で丸く包む。  
③.根元を丸く包んだ水蘚が密着・落ちることのないように、木綿糸でしっかりと巻き止める。 
④.水蘚で覆った根部を分厚い山苔で包み、山苔が密着・落ちることのないように、ミシン糸で巻きとめる。 
⑤.苔玉仕立てコウモリランの発芽方向、見た目の形状等を見定めながら、吊り金具をセットする。
⑥.プラスチック製鉢に植えられていたコウモリラン、吊り苔玉仕立てに変身です。

立派なコウモリランの吊り苔玉が仕上がりました。太陽光線の十分に差し込まない室内で、大きく羽ばたくコウモリランの葉が垂れ下がることを期待します。

 プラスチック製の植木鉢は便利な鑑賞植物の運搬・乗り物です。軽くて割れ難い、大小さまざまな大きさのプラスチック鉢は、園芸の拡大・発展に貢献したこと、大きなものがあります。

 でも、植え付けた植物たち(自然)との馴染み・・・・・今一つ、しっくり来ない、どこか違和感を覚えてしまいます。苔で鑑賞対象の植物の根元を覆う・・・・・植木鉢の代替品としての苔・覆い・・・・・今度は『しっくり』です。

 『鑑賞植物と苔』とのコラボレーション、更に下草や添景物を添えて、『苔』生す大地に育つ植物たちの景観を描いているようです。園芸の世界に定着してきた『苔玉』です、これからも多種多様な苔玉作成にチャレンジしていきたい・・・・・想い描いています。

プラスチック鉢に押し込められていた『コウモリラン』、吊り苔玉に仕立てられて自然に大きく羽搏いているようです。て、壮大な、素敵な景観を描き・作っていきたいと願っています。

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。