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【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.51『お弁当の思い出』

つくばで食べる・つくる・育てる
4月のテーマ「お弁当の思い出」

 こんにちは、くーこです。新年度が始まり、なかなか落ち着かない毎日が続いていますが、皆さんは春を満喫していますか?今年は暖かいからか、ひたち海浜公園のネモフィラも4月の中旬に満開を迎えたようです。私の記憶だと4月の下旬ぐらいに海浜公園には遊びに行っていた気もするので、だいぶ早いですよね。

 入園や入学などを迎え、新生活になって4月からお弁当作りを始めた方は少なくないと思います。私も息子が幼稚園に入園して週2回だけお弁当を作っていましたが、毎日だと本当に大変だと思います。皆さん本当にお疲れ様です。

息子は小さいころから好き嫌いがほとんどなかったので、お弁当作りは楽でした。幼稚園もNG事項がないところで、キャラ弁でも何でも子どもが喜んで食べるお弁当ならOKという寛容な園でした。なので、キャラ弁に全く興味のない息子は週に1度は必ず大好きな麺類にして、卵焼きは毎日入れてねとのお願いと、マイルールとしてパスタ料理では食べやすくてのびないショートパスタを使う(フジッリやペンネ)、臭いが出やすい大根料理は入れない、チャーハンはポロポロに炒めない(上手に食べられないから)、おかずは3品(冷食は正義なのでもちろん使う)、しきりにレタスとか葉物野菜を使わないとか決めて2年間作りました。子供用の小さいお弁当箱に詰めるのがなかなか難しく(詰めるの苦手なんです)、テトリスみたいにうまくはまらないなとか思いながらちまちま入れていました。インスタグラムで鮮やかにお弁当箱に詰めているのを見ると、本当に尊敬しちゃいます。

そんな園での初めての懇談会で数多くのお弁当に関する悩みを聞き、「普通はそうだよね~」と思ったのを思い出しました。私の弟もどんなに小さなお弁当箱でも残してしまい、母が苦労していたのを知っていたからです。「塩おにぎりとミートボールとミニトマトしか食べられなくて…手抜きしているわけではないのです…」と申し訳なさそうに先生にお話されている保護者に先生が「食べられるものだけで大丈夫です。手抜きなんて思っていませんよ!」と明るくアドバイスしているのを見て「この園を選んでよかった」と安心しましたね。その後「キャラ弁は崩れると子ども達が泣いてしまうので、作る時には崩れないようにお願いします」と先生が言った時には笑ってしまいましたが。「こわい~!!」って号泣してしまうのだそうです。

そして懇談会が終わり帰ろうとしたときに、同じクラスのママさんから声をかけられました。プレクラスで面識があったけれど、挨拶ぐらいしかしたことなかったので「はて?」と思っていたら、お弁当の作り方を教えてほしいと…私、そんな大層なお弁当作っていませんが??と、はてなマークいっぱいになっていると、なんでも息子が食べていた焼きそば弁当がとてもおいしそうで、「納豆しか食べず納豆をお弁当に入れてと泣かれ、無理だから普通のお弁当を作っても食べないし、困っていたら焼きそばなら食べられそうだと。息子君のみたいなのが食べたいと言うのですが、冷食のを少し入れるとかですか?」って言うではありませんか。納豆弁当は無理ですよね~。でも、本当に普通の焼きそばなんです~。なんてお話ししつつ、冷食ではなく〇ちゃんの焼きそばを使っていること。当時は肉が苦手だったのでちくわを入れていること。しょっぱいのも苦手なので野菜をいっぱい入れていること。炒めるときの油にマヨネーズを使っていること。そして1番のポイントは「少しレンチンした麺を水洗いして良くほぐしたらザルで水気を切って、炒めるときには水を入れないこと」「出来上がったらお皿に広げて冷ましてからお弁当箱に詰める」をお伝えしました。これをやることで時間がたってもべちゃべちゃにならず、くっつかないのです。

 後日、別の集まりで教えたママさんと会った時に「食べてくれました!ありがとう!!」と感謝されてうれしかったのを覚えています。そして、この後も何人かのママさんに焼きそば弁当について聞かれ、やきそば弁当が少しだけブームになったのですが…その理由は息子が「ママの料理で焼きそばが一番好き!」と先生やお友達に言いまくっていたそうなのです。先生からそれを聞いた時には自ら穴を掘って埋まりたい気分になりました。だって、焼きそば以外にもいろいろ作っているよね?それしか得意料理ないとか思われるのは微妙に恥ずかしいよ!と、なんとなく解せぬまま卒園式を迎え、感謝の言葉でも「焼きそば弁当作ってくれてありがとうございました!」と言われ苦笑いして、焼きそばで始まった私のお弁当作りは焼きそばで幕を閉じたのでした。

 そんな息子氏の焼きそば愛は今も変わらず、時々必要になるお弁当もやっぱり焼きそば弁当リクエストが多いです。のっけ弁用のお弁当箱を使うようになってからは多少詰める(のせる)のが早くなりました。そして最近では1玉では足りず、子ども成長を感じています。

皆さんの鉄板なお弁当はなんですか?私はやっぱり唐揚げです!

栄養も大事ですが、心の栄養のために好きなものを詰めるのも大事ですよ!!

それでは皆様また5月にお目にかかりましょう。

≪お味噌汁の素≫

【材料】(30杯分ぐらい)
・好みの味噌 300g
・出汁パック 3~4袋
・乾燥わかめ 適量
・あおさのり 適量
・お麩 適量
・切り干し大根 30

【作り方】
準備:切り干し大根はさっと洗って、ハサミで食べやすい長さに切っておく

① ボウルに味噌と出汁パックの中身を入れてよく混ぜる

② 具材の乾物を1種類ずつよく混ぜながら全部入れる(具材はお好みで)

③ 保存容器に入れたら、冷凍庫で保存する

④ お椀に大さじ1程入れて、熱湯を注げばお味噌汁の出来上がり

*この量でジップロックスクリュー473mlにピッタリ収まります。
*出汁パックの量は好みで変えてください。今回は甘口味噌なので4袋使っています。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.50『味噌』

つくばで食べる・つくる・育てる
3月のテーマ「味噌」

こんにちは、くーこです。こちらは風の強い日が続いています。春分の日の前にお墓のお掃除に行こうと予定を組んでいたのですが、強風で高速道路を走れるか不安になり延期しました。まさに「3月のライオン」だなあと。本当に3月末までには子羊のように穏やかな天気で4月を迎えられるのでしょうか?

何年もコラムを書いていて、そういえば味噌の話をしていないことに気が付きました。私は味噌大好きで、ラーメンも味噌味が本当は一番好きだし(でも理想の味にはなかなか出会えない)、もつ煮込み等の煮込み系も味噌味が好みなんです。なので冷蔵庫の一角に味噌が3種類鎮座しています。そこまで大きくない冷蔵庫ですが、これは譲れません。普段使いの甘口味噌・煮込み系や茄子のお味噌汁に使うための赤味噌・単体では使うことがないけれど、入れるとコクと甘みが出て便利な白味噌です。赤味噌を使って煮込みを作る時に醤油を入れてしまうと渋みが出てしまうのですが、赤味噌やみりんだけだとちょっと物足りないと感じていたので、いろいろ調べてみたところ、味噌の半分を白味噌にすると甘さとコクが出ることが分かり、味もバッチリ決まるようになりました。あと、クリームパスタに少し入れてもおいしいですよ。普段使いの甘口味噌は地元のやまこみその甘口を使っています。こちらの味噌は無添加でやさしい味がし、お手頃なお値段なのにすごくおいしいのです。他のお味噌に浮気しても家族に即バレして文句言われるので、ここ10年以上購入し続けているお品です

そんな味噌ですが、最近その高い栄養素と健康効果に再び注目が集まっているそうです。

まず注目したいのがタンパク質。大豆を発酵する過程で大豆たんぱくの30%がアミノ酸に変化しますが、この中に体内では生成できない9種類全ての必須アミノ酸が含まれています。

そして、生活習慣病予防に効くと言われているレシチン・サポニン・メラノイジン・リノール酸。女性にうれしいイソフラボン・ビタミンEとB2。その他に食物繊維やカルシウムも入っています。なにこれ、スーパーフードじゃない?!と調べた私もびっくり。美容効果もありそうだと更に調べたら、1日2杯お味噌汁を飲むとお肌の水分量が1.4倍に増えるとか。以前皮膚科で「全身砂漠化」と言われ、友人に「ガサコ(笑)」と不名誉な二つ名を付けられた私にピッタリな飲み物ですね。

ただ、気になるのが塩分量。使う味噌によるとは思いますが、お味噌汁1杯あたり1.5gらしいので、お昼に食べるカレーの半分ぐらいだし、血圧下げる効果のあるペプチドが入っているからお医者さんに止められているとかでなければ大丈夫じゃないかな?と思っています。

とは言え、毎日お味噌汁作るの辛くないですか?日替わりで具材を考えるのも大変だし、メインと副菜作るだけでやる気根気0。かといって、永〇園のインスタント味噌汁を毎回っていうのもね。と思い続けていたある日、大好きなマンガ「3月のライオン」16巻を読んでいると、その解決策が載っているではありませんか!その名も「そめじみそ!!」ヒロイン3姉妹のおじいちゃんが、少し前に流行った味噌玉よりもずっと前に開発したと書かれているそれは、みそに顆粒だしと乾燥わかめとかを入れてタッパーで保存しておいて、お椀にそのお味噌を入れてお湯を注げばお味噌汁完成!というもの。もうこれは作るしかない!!と。具材は乾物であればなんでもよさそうですが、我が家ではお麩・乾燥わかめ・あおさのり・切り干し大根を入れています。だしはだしパックの袋を切ってそのまま投入。ゴミも出なくてエコな気分です。それを混ぜて、保存容器に入れて冷凍庫へ入れます。冷蔵庫じゃなくて、冷凍庫です。というのも、切り干し大根は作られる作業工程上水洗いをした方が良さそうなので、そうなると水分拭き取っても傷むのが怖いですし、冷凍しても味噌は凍らないので安心です。そして、飲むときも熱湯注げば丁度よい温度になるので、栄養成分も壊さずよいとこどりですね。

結果、おいしすぎて追加で作るようになり、今は味噌汁専用に味噌を買ってきています。家族も飲みたいときに自分でお湯注いで飲んでくれるので大助かりです。羽海野先生ありがとう!!

花粉症も腸内環境をよくすると改善するらしいので、ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌よりも生きて腸内まで届きやすい植物性乳酸菌を持つお味噌も積極的に摂っていきたいですね。

それではまた来月、お目にかかりましょう。

≪お味噌汁の素≫

【材料】(30杯分ぐらい)
・好みの味噌 300g
・出汁パック 3~4袋
・乾燥わかめ 適量
・あおさのり 適量
・お麩 適量
・切り干し大根 30

【作り方】
準備:切り干し大根はさっと洗って、ハサミで食べやすい長さに切っておく

① ボウルに味噌と出汁パックの中身を入れてよく混ぜる

② 具材の乾物を1種類ずつよく混ぜながら全部入れる(具材はお好みで)

③ 保存容器に入れたら、冷凍庫で保存する

④ お椀に大さじ1程入れて、熱湯を注げばお味噌汁の出来上がり

*この量でジップロックスクリュー473mlにピッタリ収まります。
*出汁パックの量は好みで変えてください。今回は甘口味噌なので4袋使っています。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.49『バレンタインデー』

つくばで食べる・つくる・育てる
2月のテーマ「バレンタインデー」

こんにちは、くーこです。
激しすぎる三寒四温をひしひしと感じている今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? つくばでは梅が満開で良い香りがしています…と言いたいところですが、例年より早く花粉症が来てしまい顔面が大変なことになっております。先週末から始まった筑波山の梅まつりに行ってみたいのですが、あそこは杉のメッカなのでどうしようか悩んでいるところです。

今月はバレンタインデーがありましたね。まあ、私にはちょっとお高いチョコレートを食べられる日って認識なのですが、今年はちょっと違いました。

中学生の息子から「バレンタインデーにお菓子を作りたい」と相談があったのです。ここで普通のお母さんなら「あらあら、うふふ」となるのでしょうが、我が子にそんな甘酸っぱいことがないのは分かり切っていたので非常に冷静な私しかいません。話を要約すると、部活の女子数人とスイーツの話をしていたところ、皆でバレンタインデーに手作りお菓子を作って交換しようってことになったとか。あ、スイーツ男子でお菓子作りが趣味なのカミングアウトしたのね…ってところで、何を作ったら良いと思うかアドバイスちょうだいとのことでした。

「男の子の手作りに需要あるのかしら?社交辞令なんじゃないの?」と言いたいところをぐっと飲みこんで、「あげるのが2人ぐらいなら今のトレンドである小さいガトーショコラを推したいけれど…」と提案すると、結構な人数だったのとチョコレートは女子と被るから他のものが良いと言うので、「じゃあ、食中毒の心配がなくて失敗しない焼き菓子が良いね。マドレーヌや前もって準備できるアイスボックスクッキーにしたら?」と答えたところ、マドレーヌと当日部活休んだ子用に紅茶のアイスボックスクッキーを作ることに決めたようです。マドレーヌ以前こちらのコラムでも紹介したレシピで、はちみつレモン風味のもの。材料を混ぜるときに泡立てないように気を付ければおいしくできるので、お菓子作り初心者にはピッタリなんです。シェル型で焼けばお店風になりますしね。

今月のレシピに載せますが、紅茶のアイスボックスクッキーはプレーンな生地に紅茶のティーバッグを2袋入れて作りましたよ。ティーバッグの茶葉は元から細かくされているので、お菓子作りにはもってこいなんですよね。うちはアールグレイを常飲しているので、今回もアールグレイを使いました。って、本当はシンプルなバタークッキーをおススメしたのですが、「シンプルすぎてちょっと…」と言われてしまいました。ベーシック最高!最後はここに戻るんだ!!と言っても聞かず、「紅茶入れたらミルクティーに合いそうじゃない?」とオトメンな発言により「それがいいと思うよ?」とレシピを組み立ててここに至ります。

 そんなやり取りを経て、休日の午後を半分使ってひたすらお菓子を作りラッピングし、翌日の部活に持って行ったのですが…帰りの車に乗り込んできた息子はちょっぴりおかんむりな様子。どうした?と聞くと、「お店で買ったのを詰め直した?」って一部の女子に言われたとのこと。おっと、その返しは想定外。誉め言葉だと思うよ?と返すと「みんな喜んでもらってくれたよ」って笑っていました。「男子からもらえるバレンタインって初めてだから新鮮!」と言っていたそうです。そして、女子力の高い男子の称号を得たとのことでした。良かったな、息子よ。でも、お菓子作りは洗い物をして片付けるまでだぞ!と、残った紅茶のクッキーをかじりながら「今度は器具の洗い方としまい方を教えなければ」と決意する母なのでした。
それではまた、3月にお目にかかりましょう。

≪紅茶のアイスボックスクッキー≫

【材料】(直径3㎝40枚前後)
・無塩バター 100g 
・上白糖 80g 
・塩 ひとつまみ 
・卵 1個

☆薄力粉 165g 
☆アーモンドプードル 35g 
☆紅茶のティーバッグ 2袋

【作り方】
準備:バターは室温で柔らかくしておき、ティーバッグは中身を取り出しておく
①   ボウルにバターと上白糖と塩を入れ、泡立て器で白っぽくなるまですり混ぜる
②   溶いた卵を少しずつ①に入れてそのつどよく混ぜる
③   ふるいに☆を入れて②にふるい入れたら、ヘラで切るように混ぜる
④   そぼろ状のかたまりになってきたら、数回ボウルに押し付けてひとまとめにする
⑤   生地を2分割にしてラップに包み、直径3㎝程の棒状にしたら冷蔵庫で1時間以上冷やす
  (ジッパー袋に入れてここで冷凍すれば2週間は持ちます)
⑥   170℃でオーブンを予熱している間に、ラップを外した⑤を6mmの厚さに切って、オーブンシートを敷いた鉄板に並べる
⑦   15分程焼き、きつね色に焼けたらできあがり


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.48『青パパイヤを食す』

つくばで食べる・つくる・育てる
1月のテーマ「 青パパイヤを食す」

あけましておめでとうございます、くーこです。

先日、毎年お参りしている常陸の国出雲大社へ初詣に行ってきました。必ずおみくじは引くのですが、ここ20年ぐらいお目にかからなかった大吉きました!が、書いてあることが結構厳しめ?もろ手を挙げて「今年は良い1年になりそうだ!!」って気分には到底なりませんでした。一歩一歩着実に堅実に歩めとのことだったので、宝くじで一攫千金を狙うのはやめようと思います。

さて、先日庭仕事をしていた夫が、お隣さんから「パパイヤ食べない?」と声をかけられました。即答でもらうと答えた後私に報告。お礼を言うために外に出たところ、差し出されたのがラグビーボールサイズの青パパイヤが2個。あまりのサイズにちょっぴりおののきました。

「これ、青パパイヤですか?」と一応尋ねたところ、そうだとのこと。千葉に住んでいるお友達が栽培していて、遊びに行った時にお土産に持たせてくれたものだそうで…「でも、調理法も分からないし、量も多すぎてね。良かったらもらってくれない?そして、また少しわけてくれない?」と言われました。どうやらそのお友達、「アク強いから、水にさらしてから使ってね」としか言ってくれなかったらしく、具体的な調理例は聞いてこなかったらしいです。お隣さんはご夫婦そろって顔が広いらしくいろいろ頂き物があるようなのですが、いかんせんご高齢なので量も少しで良いし、正直料理も面倒くさいご様子。うちは育ち盛りの息子もいるし、好き嫌いもないのでいつもありがたく横流し品を頂いてしまうのですが、毎回それではこちらも申し訳ないのでいつからか食べきれる分だけ私が作っておすそ分けするようになりました。ここ限定で古き良き昭和文化が残っています。「まかせて!」と安請け合いしたものの、レパートリーがほぼないこの野菜をどうしようか悩みどころです。

そんな青パパイヤ、以前は沖縄産しかなく高級食材でしたが、ここ近年は関東でもよく育つらしく、つくばの地場野菜コーナーでもよく見かけるようになりました。それでも15cmサイズで450円前後、ラグビーボールサイズだと800円ぐらいはするそうなので、結構な高級食材です。栄養価も高く、タンパク分解酵素のパパイン・ポリフェノール・ビタミンCが豊富で、最近はスーパーフードとしても注目されています。積極的に食べたい野菜ですね。注意点があるとすれば、水溶性食物繊維が豊富なので食べすぎるのお腹を壊します。

ただ、気軽に食べられる雰囲気じゃないのですよ、見た目や取り扱いが。まず、代表栄養素のパパインは皮膚につくと痒くなりやすいので、作業するときには使い捨てのビニール手袋をした方が安心です。そして分厚そうな皮は少し弾力があり包丁でむけないこともないですが、ピーラーでむくのが楽です。あとは切って水であく抜きしてから使います。良く知られている青パパイヤ料理と言えば、タイ料理のソムタムが有名ですよね。私も大好きで、タイ料理のお店に行くと絶対に頼むのですが、今回はスイートチリソースが苦手な息子がいるので封印です。コリコリとした食感を生かした、万人受けする青パパイヤ料理をめざします。

きんぴらにしてもおいしいようですが、お隣さんは晩酌を毎晩するとのことなので、お酒のおつまみにもなる「青パパイヤとイカ燻のマリネ」を作ってみました。青パパイヤはあく抜きしてしまうとクセもなくなるので、セロリでさわやかな風味を足して、アクセントにケイパーを入れてあります。ケイパーはスーパーのドレッシング売り場で瓶詰めが売られていますよ。イカ燻は裂けるタイプのではなく、ペラペラとしているタイプのものがこのマリネには合います。もうひとつはチャレンジ品として、コンポートにしてみました。リンゴっぽくなるかな?と思ったのですが、歯ごたえのあるナタデココって感じでした。ゼリーに入れてみましたがヨーグルトのトッピングにする方がおいしかったかも。今回はお隣さんも気に入ってくれたマリネを紹介します。どこかで青パパイヤを見かけたら作ってみてくださいね。

それではまた、2月にお目にかかりましょう。

≪青パパイヤとイカ燻のマリネ≫

【材料】(大きめのボウル1杯分)
・青パパイヤ 小さいのなら1個、大きいのなら1/2個 
・セロリ 1本
・イカ燻 1袋 
・ケイパー 大さじ1 

☆オリーブオイル 大さじ2 
☆リンゴ酢 大さじ2
☆レモン汁 大さじ2 
☆砂糖 大さじ1 
☆塩 小さじ1 
☆胡椒 適当

【作り方】
① ジッパー袋に☆を入れて混ぜておく
② 青パパイヤを千切りにして10~15分水にさらしてアク抜きしたら、水気をよくふき取る
③ セロリは繊維に沿って千切り、イカ燻は食べやすい大きさに、ケイパーはみじん切りにそれぞれ切る
④ ②③を①に入れて、袋の上から軽くもんで、冷蔵庫で1時間以上冷やす

※ マリネ液はお好みで調味料を増減してください。このレシピはオリーブオイル少な目で作ってあります。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.47『長野へGO! -後編-』

つくばで食べる・つくる・育てる
12月のテーマ「 長野へGO! -後編-」

 こんにちは、くーこです。あっという間の年末ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?茨城県では5年ぶりにインフルエンザ流行警報が先日出たのですが、その前に息子のクラスは学級閉鎖になりました。近くの高校では先生の半分がインフルエンザに罹ってしまい学校閉鎖になったとか。我が家ではまだ誰も罹っていませんが、手洗い・うがい・睡眠をちゃんとやろう!と話しています。

 今月は先月の軽井沢旅行記の続きです。2日目の朝はホテルマンのお兄さんのおすすめで浅間牧場まで散歩に出ることからスタートしました。歩くこと5分、入り口が見えてきたところで道の反対側に「りんご」ののぼり旗が見えます。入口には土日のみの営業と書いてあったので「残念だったね」と立ち去ろうとしたら、建物の中にいたおじいさんが手招きしています。近寄ると「リンゴ欲しいなら分けてあげる」とのこと。話を聞くと、安曇野で収穫したリンゴを平日は道の駅や近隣ホテル・パティスリーなど業者に販売していて、土日だけ一般に売っているのだとか。今年は花の咲くころに降った雹害と夏の酷暑で近年まれにみる不作だったそうで、価格もお高めとのこと。それでもふじりんごがあると言われたので買いたい!と言ったら、業者も欲しがるし収穫量も少なかったから…と2個だけ譲ってもらいました。あとは、シナノスイートと名月。合わせて2000円分購入です。

シナノスイートと名月はこちらが心配になるくらいたくさんおまけしてもらいました。凄いおいしいリンゴでしたよ。息子は名月が気に入ったようでしたが、私は断然にふじです。パリッとしていて適度な酸味があってリンゴらしいリンゴでした。お話していると業者さん達が続々とやってきたのでお暇することに。帰りがけに名刺を渡され、リンゴ送ることもできるからねと言われました。こういう素敵な出会いが旅の醍醐味な気がしますね。

 ホテルでおいしい朝食をおなか一杯食べた後は浅間牧場から浅間山を見て、軽井沢高原教会前のお庭で巨大な苔玉に驚き、一路地元のスーパー「ツルヤ」へ向かいます。

旅行に行くと、夫の仕事柄地元企業のスーパーに寄りがちなのですが、久々にテンション上がるスーパーに出会いました。入口にはプライベートブランドの品がずらりと並んでいるのですが、全て長野の特産品です。長野県愛半端ないです。売り場に足を踏み入れてまず目に入ったのが常温保存可能な名物「おやき」各種。この日は特売で1個100円切っていました。「きのこ」と「野沢菜」を1個ずつカゴにIN! 正直、値段から大した期待をしていなかったのですがもっと買って来ればよかったと後悔しました。別荘地の人を意識してなのか、お総菜売り場も充実しています。圧巻なのはジャム売り場ですね。売り場の一区画全部ジャム!値段もお買い得です。散々迷いに迷って、リンゴ・信州あんず・プラム・クルミスプレッドを購入。信州あんずジャムはごろっと果肉が入っていて贅沢なお味です。クルミスプレッドはピーナッツバターよりマイルドな風味でした。開けていないジャムは大事にこの後食べる予定です。

 と、じっくり見て回ること1時間以上。「お歳暮に殻付きのクルミがあるよ!」「生の朝鮮人参売ってる!(特産らしいです)」「長野県のお土産コーナー見てくる!」なんて話しているうちにカゴの中がえらいことに…なんでこんなに品物が…?普段の買い物より買っている…野沢菜商品率高いな、ふりかけ・油炒め・野沢菜昆布…結局、ここでほとんどのお土産が揃ってしまいました。驚いたことに、ハズレ商品無しです!クオリティ高っ!!

 その後、道の駅に寄りながら本日のメインイベント「かまど炊きご飯 御厨」でランチです。

こちらのお店では名前の通りかまど炊きのご飯が食べられます。昼は3種類の御膳から選べ、とろろ汁御膳と鶏肉のみそ漬け焼き御膳をチョイス。もちろんシェアして食べましたよ。じんわりと体に染みわたるおいしさでした。しみじみ旨いってやつです。ご飯や汁物はもちろん、副菜の煮物の野菜がおいしいこと。珍しいなと思ったのは、とろろを信州味噌でしっかり味付けしていたこと。そして、野沢菜の天ぷら。お漬物の天ぷらを刻んで揚げたものだそうで、塩とかつけずにそのまま頂きました。この天ぷらは絶対に食べないと後悔するぐらい絶品でしたよ。30分並んで良かった。

こちらの野沢菜漬けは今まで食べていたのは何?!ってぐらいしっかり発酵していておいしかったのでお土産に買ったのですが、その際に店員さんにこの感動を伝えたところ、野沢菜漬け発祥の地である野沢温泉村「とみき漬物」からわざわざ取り寄せているのだそうです。「無添加だし、熟成されているからおいしいですよ。軽井沢ではここでしか買えません」とおっしゃっていました。そういう情報大好きです!

大満足でお店を後にし、最後の目的地は旧軽井沢銀座通りです。軽井沢にきてここに行かないのはどうかな?と思ったので訪れてみたのですが、ちょっとぶらぶらして、ショー記念礼拝堂を見学して戻ってきました。買い物はツルヤで満足してしまったので結局何も買わず、御厨でお腹いっぱいになってしまったのでお茶もせずにそのまま帰路につきました。次回は藤田嗣治が展示されている安東美術館に行きたいな、とかツルヤで買った野沢菜昆布また食べたいとか、既に長野ロスになっているので、雪が溶けた春以降にまた行く計画を立てています。本当に良いところでした。

それではまた、1月にお目にかかりましょう。よいお年をお迎えください。

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。