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【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.68『 不定期開催・茨城観光旅行記(その1)』

つくばで食べる・つくる・育てる
9月のテーマ「 不定期開催・茨城観光旅行記(その1)」

 こんにちは、くーこです。8月から頻繁に水戸まで出かけています。

同じ県内だからそんなに珍しい?と思うかもしれませんが、つくば市から水戸市までは車で下道だと1時間半ぐらいかかるので年に1回行くか行かないかの人が多いのではないでしょうか。今回は資格試験や講習会が県庁所在地のみの開催が多く、しかも公共交通機関を使うととんでもなく時間がかかってしまうことが分かったので私も運転手として同行することに。
となると、5時間ほど現地で時間を潰さなくてはならなくなり、この際なのでお一人様県央観光を何回かに分けてしてみました。生まれて9割茨城に住んでいるのに、結構行ったことがない場所があったり、新しいスポットができていたりして面白かったので、不定期で書いていこうと思います。

第1回目の観光先に選んだのは、水戸の市街地から車を東に30分走らせて大洗へ。ゆっくり魚が見たいなと思い「アクアワールド・大洗」に向かいました。夏休み後半の平日とは言え混雑を予想して事前にネットでチケットを購入しておいたのですが、駐車場はすんなり入れたものの、やはりチケット売り場は混雑していたのでこの判断は大正解でした。割引もあったので、ネット購入おススメです。

こちらの水族館はイルカショーとアシカショーが一緒に見られることが売りなのですが、今回はサメの展示が目的なのでスキップしました。サメの飼育だけではなく、骨格標本などの研究資料も充実しているのですが、なんせうちの息子はサメが怖くて近寄れず…ゆえに私も見学できていないエリアなのです。サメの飼育種類数日本一なのに見られなかったので、毎度消化不良を起こしていたのですが、たくさんのサメが堪能で来て大満足。シロワニのような大きいサメも良いけれど、ネコザメみたいな小さなサメがかわいいので好きですね。

ほくほくしながら館内ガイドに沿って歩いていると、「真珠取り出し体験」の掲示板があったので立ち寄ってみました。どうやら最近始まったイベントの様で、自分でアコヤ貝を選んでバターナイフで貝を開けて取り出すそうです。体験料1000円で、加工賃は別途かかるとのこと。やってみようかな~と思ったのですが、席がキャッキャウフフしているカップルと楽しそうにアクセサリーパーツを選んでいるファミリーの間しかない…これはお一人様検定3級の私にはキツイので、これはまたの機会にとそっと後にしました。その他にも、エサやり体験やバックヤードツアーなど特別プログラムもあるそうです。毎週土曜日には夜間営業のナイトアクアワールドが開催されているとのことなので、そちらにも行ってみたいですね。

水族館を出た後は、パワースポットで有名らしい「大洗磯前神社」に行ってみました。こちらはお初です。息子に「絶対に行ってみて!」と推されたので寄ってみました。

大己貴命(だいこく様)が祭られている拝殿は緑が清々しい高台にありますが、鳥居は浜辺にあります。「神磯の鳥居」と名前が付いていますが、別名「神界のゲート」とも呼ばれているらしく、特に朝日が鳥居にかかる時間が心も浄化されて強いパワーが授かれるとか。鳥居から細い路地を通って、約90段ある階段をヒイヒイ言いながら登って振り返ると太平洋が見えるのですが、本当に素晴らしい眺めでちょっとだけ疲れが吹き飛んだ気がしました。

せっかくなので本殿にもお参りして、家族の試験合格をお願いしてきました。時間が迫ってきたので行けませんでしたが、隣のひたちなか市には対になる「酒列磯前神社」があり、両方参拝するとよりご利益があるそうなので次回は絶対に寄ってみようと思います。

お土産を買うなら神社から車で5分ぐらいのところにある魚市場やかねふくの明太子工場でしょうか。うちはいつも明太子工場では出来立ての明太子を買って、イートインコーナーで明太子おにぎりを食べて帰っています。出来立ては本当にスーパーで購入したものとは違うので、機会があればぜひ食べていただきたいです。

今回立ち寄れなかったお店で気になっているのが、ume cafe WAON さんです。全国初の梅専門カフェとのことで、梅を使ったカフェご飯からスイーツまで楽しめるそうです。私は大の梅好きので、このラインナップはたまらないですね。その近くには系列の施設のUme Sonare さんがあり、こちらはオリジナルの梅酒や梅シロップの手作り体験ができるそうですよ。メインストリートから外れた場所にあるのですが、女子旅とかで行くと楽しそうですよね。いや、お一人様でもきっと楽しいはず!先が長いですが2027年には工場見学などができるようになるらしいので、その辺りを狙って行ってみようかと思っています

それではまた9月にお目にかかりましょう。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.67『ツマグロヒョウモンって知っていますか?』

つくばで食べる・つくる・育てる
8月のテーマ「ツマグロヒョウモンって知っていますか?」

 こんにちは、くーこです。夏休みもゴールが見えてきましたね。中にはこのコラムが出る週に学校が始まるところもありますよね。学校始まる直前は宿題で右往左往しているおうちも多いと思います。幸いにも、うちの息子は部活ルールで1週間前に全て終わらせていないと活動に参加できないのでこの3年間バタバタすることはなかったです。前日夜に「雑巾2枚」はありましたが…

 夏休みの定番宿題と言えば自由研究や観察日記をつけたりしましたが、親も一緒に観察しているとなんとなく観察対象に情がわいてしまい、子どもより熱心に取り組んでしまうことがままあるようです。

 夏休みに入る前に友人たちとお茶をしていたのですが、友人Aが「ツマグロヒョウモン育ててるんだよ~」とにこやかに語りだしました。ツマグロヒョウモンという名をこの時まで知りませんでしたが、オレンジ色が鮮やかなかわいい蝶とのこと。前の年に庭のパンジーに卵を産んで子どもと観察していたら、なんだかかわいく思えてしまい、今年は本格的に育て始めたとのこと。話を聞いてみるととても興味深い生態をしています。

一番の特徴は、幼虫の餌はスミレ科の葉しか食べないことでしょうか。かなりタイトな縛りがあるため、彼女は春はパンジー、その次はニオイスミレをホームセンターで一番大きなプランターを12個連結して栽培し、そこに卵を産ませて育てているのだとか。「もはや狂気!(笑)」と友人Bと3人で笑っていましたが、人工保育はなかなか上手くいかないようで…

というのも、さなぎになる時にアゲハは茎は壁にくっついてイナバウアーの様に体をそらせますが、ツマグロヒョウモンはパンジーやスミレの花の∫←こうなってる茎の先端にぶら下がってさなぎになるそうなんですが、卵をかえし過ぎてぶら下がる場所がないのだとか…苦笑いしつつ、3人寄れば文殊の知恵と言いますし、ドーナツ食べながら考えた結果、割りばしに花の茎みたいに曲げたビニール帯を巻き付けてプランターに突き刺す案を採用してみることに。シュールな絵面は免れませんが、作戦は上手くいったようです。

先日はエサが乏しくなってきたから自生のスミレを探していると連絡があったので、心当たりを教えたのですが、何がそこまで彼女を虜にしているのか興味本位で聞いてみたら、買い過ぎたレシートみたいに長いLINEが連投されてきました。

なんでも、幼虫が小さくてかわいいらしいそうです。小指の第一関節ぐらいの大きさで、黒地に赤の模様が入っていて、毛虫に模すためのツンツンした突起が体中にあるんだよと。私はそうは全く思わないのですが(むしろ見たら全力で逃げるお姿でした。検索注意です)、そう思えるらしいです。その幼虫たちはエサを食べるときに威嚇をするらしいのですが、体の2/3くらい起こして「ムン!」と相手に迫るそうで、勝つとたくさんエサが食べられるらしいです。

あとは、さなぎになる数日前が特に食欲が旺盛になるとか、夏前に成虫した子が卵を産みに来てくれるとか、様子も見に行くと蝶々になった子たちがふわっと飛んでお庭がメルヘンになるなどなど。私には理解しがたい世界だからこそ、饒舌に語られるツマグロヒョウモンの世界がとても面白かったです。それこそ、観察記が1冊書けそうなぐらいでした。

そうなると、ちょっと協力したくなるのが人ってもので、私も散歩がてらスミレの葉っぱを見かけると採取して食料の足しにしてもらっています。

はたから見ると完全に不審者ですが、「ツマグロヒョウモンのえさにするんです~」って言うと、「ああ!」っていう方もいるので、実はよく知られた存在なのかもしれませんね。

さて、いつもコラムには写真を載せるのですが、先にも書いた通り見た目のインパクトがあるのと、虫が苦手な方がいらっしゃるかもしれないので、写真ではなく初のAI生成画像を作ってみました。

進化すると言えばポケモンなので、ポケモン風に書いてもらったら色がまず違う。けれど、イメージ的には合っている気がします。蝶の絵は合っていました。イメージ通りの画像を生成してもらうのはなかなか難しいですね。

それではまた9月にお目にかかりましょう。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.66『苗間違え』

つくばで食べる・つくる・育てる
7月のテーマ「苗間違え」

 こんにちは、最近息子のクラスメイトに人間の着ぐるみを着た中身はムーミンママだと思われているくーこです。

人間の着ぐるみって!(笑)昔から、ピカチュウとか二次元のキャラクターに似ているとはよく言われていましたが、さすがに中身が二次元は初めてです。

なんでそんな話になったかというと、給食食べながら「どこの苺ジャムを食べているか?」との話題が出たらしく、息子は「自家製」と答えたとのこと。毎年シーズンになると1年分実家と我が家用に作っておくので、そのように話したのでしょう。「皆びっくりしてた。ママは果物あるとすぐにジャムにしがちだけど、他のおうちはジャム作らないらしいよ」って息子は驚いていたけれど、買う方が普通だよと答えておきました。

そして翌日の帰宅後、「ママ、皆のうちはパンとか手作りしないらしいよ!」とビッグニュースかのごとく話す息子…それが普通だよ。ママもパン屋でバイトしていなかったら一生作らなかったと思うよ?と話をしたのですが、その辺りから何でも作れると勘違いされた私。文学を嗜む子がいたのでしょうね、中身ムーミンママ説が出たようです。ま、お腹の曲線には近しいものを感じていますけどね☆

特にうらやましがられたのが生地から作るピザだったらしく、食べに行きたいと何人かの友達に言われているそうで「ピザ用トマトの収穫が終わってからかしらね~」と話していました。今年は2株植えているし、結構な収穫を見込んでいたのでキッズたちの胃袋ぐらいはどうにかなるでしょうと考えていました。ところが!成長して実が着きはじめた段階で異変に気が付きます。 

「実の形がおかしい…」調理用トマトとして購入した品種は楕円形のはずなのに、まん丸なのです。ここで家庭菜園系のSNSで時々見かける、苗の表示間違えに当たってしまったことに気が付きました。購入したのは確かに同じプレートが付いていましたが、栽培農家さんで間違えてしまうことがあるらしいです。残念ですが、トマトであることには違わないしソースにはできるからと育て続けたところ更なるトラブルが。「実が赤くならない…」。

取り違えられた苗は、まさかの紫色の実がなる品種だったようで、おそらくトスカーナバイオレットというものだと思います。味も少し独特な甘さと酸味です。市場ではブドウのような味わいと言われていて、希少種らしいのです。ただ、この色だとトマトソースには向かなさそうだし、生食するにしてもうちのメンズには「あまり好きな味じゃない」と言われてしまいました。こっちが選んで購入したのなら諦めもつきますが、業者の間違えなので「じゃあどうしろと!」と思わなくもなくて。

そんな時に、私の中のムーミンママが「サルサソース作って、チキンカツにかけて食べましょ。そうしましょ」と言ってきたので、それなら家で採れた他のミニトマトを混ぜてカラフルにしてしまえば味も気にならないかも!と、冷蔵庫の中にあった、新玉ねぎとピーマンを刻んで、ミニトマトもカットして、レモン汁とオリーブオイルとタバスコふりかけてサルサ作って、チキンカツは麺棒で叩いて薄くした鶏むね肉にマヨネーズ塗ってから、パン粉に庭から採ってきて刻んだパセリと粉チーズ混ぜたものをまぶして揚げ焼きにしてみたところ、夏にピッタリの一品になりました。

サルサソースは白身魚のムニエルとかにも合いそう。これからピンチの時はあわてず騒がず、ムーミンママのマインドで行こうと思います。

それではまた8月にお目にかかりましょう。

≪ミニトマトのサルサソース≫

【材料】(作りやすい分量)
・ミニトマト 20個ぐらい 
・玉ねぎ 1/4個 
・ピーマン 1個 
・レモン汁 小さじ1

・オリーブオイル 小さじ1 
・塩 小さじ1/3 
・こしょう、タバスコ 少々

【作り方】
① ミニトマトは4つ割りにする。

② 玉ねぎとピーマンはみじん切りにする。
玉ねぎの辛みが気になる場合は5分水にさらして水気をよくふき取っておく。

③ ボウルに①②と調味料を入れてよく混ぜたら出来上がり。少し冷蔵庫で休ませておくと味がなじみます。
(調味料は味見して調節してください)


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.65『北信食べ歩きツアーに行ってきました‐後編』

つくばで食べる・つくる・育てる
6月のテーマ「北信食べ歩きツアーに行ってきました‐後編」

 今回、ホテルは長野インターそばにある「メルキュール長野松代リゾート&スパ」を1泊朝食付きで前日に予約入れて行ったのですが、大当たりでした。駐車場は無料だし、お部屋からは北アルプスが一望でき、隣には大好きツルヤもありました。

温泉も広くてきれい。なにより、朝食がおいしすぎて食べ過ぎました…
小布施であれこれ食べる予定だったのに、夫婦であれほど「食べ過ぎ厳禁」を合言葉にしていたのに、地元の郷土料理とかスイーツがたくさんあって結局手に取ってしまいました。ここはまた訪れたいホテルです。

このホテルから下道で40分ほど車を走らせると、栗で有名な小布施に着きます。

江戸時代から続く歴史的な街並みが魅力的で、古い蔵や家屋が立ち並びまるでタイムスリップしたかのような気分になります。

栗菓子のお店だけではなく、カフェやショコラティエなどもあり「絶対に食べ歩きしたら楽しいよね!」とおやつの時間に行ってみたいところを探しながら、最初の目的地「北斎館」を目指します。

名前の通り、江戸時代の有名な浮世絵画家である葛飾北斎の作品が展示されている美術館になります。北斎と言えば江戸(東京)のイメージだったのですが、晩年は小布施の豪商である高井鴻山との縁で、何度かこの地を訪れてはしばらく滞在して作品を制作していたようです。
正直、浮世絵にあまり興味はないのですが、せっかくなので寄ってみることにしました。

この時の企画展は「略画 ―はずむ筆、おどる線―」。北斎の絵手本にある単純な絵や、現代にもあるあいうえお絵本みたいなものがあったり、見ていてすごく楽しい気分になる展示でした。
北斎が小布施に来る頃には浮世絵ではなく肉筆画に力を入れていたそうで、上町祭屋台天井絵「男浪図」「女浪図」を手がけ、この美術館に収蔵されています。しかし、この日は鎌倉市の美術館に貸し出し中とのことで複製画だけ見てきました。極彩色豊かで、北斎のイメージがかなり変わったと思いました。美術館が好きであちこち行きますが、ここ最近では一番かもしれないです。

 ショップで図録を買った後は、栗のお菓子で有名な「竹風堂 小布施本店」でランチタイムです。お目当ては絶品栗おこわが食べられる「山家定食」。竹籠に入った蒸したての栗おこわに、ニジマスの甘露煮やリンゴジュース、むかごの小鉢や山菜煮物が付いてきます。栗がほんのり甘くて、もち米の塩味とモチモチがとっても良く合います。栗がごろんごろん入っていておいしすぎる!魚の甘露煮は住んでいる土地柄もあって食べる機会も多いのですが、ニジマスはお初です。柔らかく炊かれていて、頭からいけちゃいます。甘すぎず、しょっぱすぎず、絶妙な塩梅でした。煮物もむかごも山菜好きにはたまらないラインナップで、お腹も心も幸せでぱんぱんです。

あまりにおいしすぎたので、お土産に栗おこわを買って帰ることにしました。配送品は冷凍らしいのですが、お持ち帰りは蒸したてを包んでくれるとのことだったので帰りに寄ることに。

 腹ごなしに栗の小径を通って駐車場に向かい、そこから午後の目的地「曹洞宗 岩松院」へ。
俳人の小林一茶や戦国武将・福島正則ゆかりの古寺だそうです。このお寺は当初のスケジュールには入っていなかったのですが、北斎館近くのお土産屋さんのお姉様方に強くお勧めされてやってきました。なんでも「小布施に来たなら、岩松院の北斎の天井画は絶対に見て行って!あと、解説もちゃんと聞いてくるんだよ!」なんだそうです。

そこまで言われたら見に行かないわけにもいきません。

 お寺さんに着くと、まずはご本尊にお参りし、北斎が使った顔料の資料を見学したり、一茶の中でも特に有名な「やせ蛙まけるな一茶これにあり」という句を詠んだ蛙合戦の池を眺めていると、お寺の方が天井画の説明をしてくれるので本堂へ一同向かいます。

 本堂天井に描かれているのは葛飾北斎最晩年の大作「八方睨み鳳凰図」。21畳分の天井から鳳凰が一面に翼を広げてこちらを見下ろしています。どこから見てもこちらを睨んでいるように見えるため八方睨みと名付けられたそうですが、ある地点から動くと羽の色が変わったり、北斎の好きだったモチーフの富士山が隠してあったりといろいろ面白い仕掛けがしてあるそうです。
何より驚いたのが、一度も修復することなく色褪せず今ここに存在していることです。1848年に完成したので、かれこれ177年経っていますね。それだけで尊いです。確かにガイドがなければただ「すごーい」って言って終わってしまったかもしれません。
お姉様方には感謝しないと。

北斎三昧で小布施観光は〆て帰路に。食べ歩きはどうした?って思うかもしれませんが、おこわを食べ過ぎて別腹もどこかへ行ってしまったようなので、またの機会にすることにしました。

ただ、やっぱり栗のお菓子はお土産に買って帰ろうということで、小布施スマートIC近くにある「松仙堂」へ。地元の人は栗菓子をここに買いに来るらしいという情報をキャッチしたのですが、農道を通って看板を頼りに行くと民家の敷地内にお店がありました。知らなければ入るのにためらってしまうかもしれないです。こちらのお菓子は自家栽培の栗を使っているそうで、100%小布施栗なんだそう。自宅用に季節限定の水栗ようかんを買ってみましたが、水っぽくなくかつ重くない栗の風味が効いた暑い時期にぴったりなお菓子でした。

今回は初の北信ということで、かなり王道ルートで観光しましたが、まだまだ行ってみたいところがあるので季節が良い時に何度か訪れてみたいなと思いました。今の時期はちょうどアンズや他のフルーツも出始めてきているのでそれを目当てに訪れるのも良いかもしれないですね。
それではまた7月にお目にかかりましょう。

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.64『北信食べ歩きツアーに行ってきました‐前編』

つくばで食べる・つくる・育てる
5月のテーマ「北信食べ歩きツアーに行ってきました‐前編」

 こんにちは、くーこです。修学旅行シーズンになりましたね。修学旅行先が急きょ大阪万博になった学校もあるようです。息子の通う学校は当初大阪万博へ行く予定でしたが、1年前に様々な問題がクリアできないとのことで旅行会社から変更を打診されて別の場所になりました。修学旅行で万博に行った友人の子に感想を聞いたところ、混み過ぎてパビリオンは1つしか見られなかったと話していました。「それは残念だったね」と慰めつつ、40年ぐらい前のつくば万博も凄い人だったと記憶しています。自動でエレクトーン(電子ピアノだったかも)を弾くロボットや、巨大な樹のようなトマト、3Dメガネで見るスクリーンとか、度肝を抜かれました。なかなか貴重な体験だったので、自分の子どもにもそのような気分を味合わせてあげたかったなと思ってみたりします。

 閑話休題。息子も4月末に修学旅行へ行くことが決まっていたので、2泊3日のうち2日は私たち夫婦も遊びに行こうってことになり、出発2日前に長野県の北信方面に車を走らせてみようと話がまとまりました。北信とは長野県の北部に位置し、温泉をはじめとした美しい自然と豊かな文化、魅力的な食べ物が多い地域です。まずは「一生に一度は参れ善光寺」とも言われる善光寺へ向かうことに。つくばからだと休憩を2回挟んで善光寺まで4時間ほどで着きました。

枝垂桜が満開で、たくさんの参拝客が訪れていました。仲見世通りをぶらぶらしながら山門を目指します。ところが、おいしそうな誘惑があっちこっちで手招きしています。夫も「小腹すいちゃったし、腹ごしらえしてからお参りしよう」と言い出しました。ひとまずしょっぱい系のものをそれぞれ買ってシェアすることに。私は定番中の定番、おやきの「いろは堂」で季節限定のあざみを選びました。春ならではの山菜で、ほろ苦い味がとってもおいしかったです。夫はおせんべいの専門店「天草屋」で串ぬれおかきの七味マヨネーズ味を買っていました。七味は信州土産で有名な八幡屋礒五郎のものだそうです。出来立てのぬれおかきを食べたのは初めてですが、あと3本は余裕で食べられそうなお味でした。お店の目の前には和テイストな佇まいのスタバもあり、善光寺にたどり着くまで1時間かかってしまいました。

善光寺には絶対秘仏であり、日本最古と伝わる一光三尊阿弥陀如来がご本尊です。こちらを見ることはできないのですが、本堂自体が国宝でありそれ以外にも多くの文化財を有しています。最初にくぐる仁王門には、あの高村光雲と米原雲海が制作した仁王像が出迎えるようにおさめられています。一般的な配置と逆配置なんだそう。凄い迫力だ~と、完全にお上りさんで山門を抜けて本堂へ。「びんずるさん」と親しまれているびんずる尊者像がお出迎えしてくれます。触ると病気が治るそうなので、腰や首回りを近くにいたお姉さま方と談笑しながら撫でまくりました。その後、外陣の閻魔像や浄玻璃の鏡を見て内陣でお参りをしました。ここに来たら是非やってみたかった御戒壇巡をしてみたのですが、「極楽の錠前」は触れたもののその直後にひどい頭痛と吐き気に襲われてヘロヘロになりながら外に出ました。外に出たらすっと痛みが引いてしまったので、もしかしたら私は極楽浄土に行けないのかもと凹みました。

ま、そんなこと考えても仕方ないので行きに目を付けていた「信州りんご菓子工房 BENI-BENI」で焼き立てのアップルパイとそのお隣にある「おいも日和」でアイス付き蜜大学芋をいただきました。すっごくおいしい!!やっぱり甘いものって癒されるよね。と、既に先ほどの出来事は忘却の彼方へピューっと飛んでいきました。

 

この辺りには40件近くの宿坊があり、私がリハビリでお世話になっている長野出身の先生が「泊まるなら絶対に宿坊がおススメだよ!」と言っていました。食べたりないので次は宿坊に泊まりたいと思いながら、次の目的地である戸隠へ。

まだ雪が残る山道をどんどん走って名物のお蕎麦を食べに行きます。

行き当たりばったり旅なのでグーグルマップを頼りに、山菜の天ぷらがおいしそうだった「うずら屋」へ行ってみることにしました。昼時を少し外れた時間だったので30分も待たずに入ることができました。蕎麦は細めでのど越しが良く、山菜の天ぷらはゴマ油で揚げてあるそうですが風味が最高でペロリでした。

ふきのとうってあんなにおいしかったのね。なにより、あれほどの人気店なのに接客も素晴らしかった。いや、だから人気店なのかも。お値段高めと口コミには書いてありましたが、あのクオリティーとホスピタリティーでむしろお安いと感じました。

その後は気分よく戸隠神社の中社にお参りへ。ここは有名な神話天照大神が天岩戸にお隠れになった時、岩戸神楽を創案し、岩戸を開くきっかけを作られた神様である天八意思兼命が祭られています。こちらには御祈祷おみくじというものがあり、社務所で生まれた年と性別を巫女さんに伝えると奥で神主さんが祝詞を唱えながら引いてくれます。

渡されたおみくじは結構な大きさで、お手紙のようです。私に渡されたものを見てみると「平」と書いてありました。夫は「吉」。「平なんて見たことないね」って調べてみると、「平」とは吉と凶の間で、現状維持で穏やかな状況にあるのだとか。ま、なかなか厳しいこと書かれているけどね☆ただ、全体の2%しか「平」は無いらしく、レアアイテムらしいです。なので、大切におうちに持って帰って、この1年の指標にしようと思います。

戸隠神社は他にも奥の院や宝光院など五社から成り立っていますが、これ以上はお参りせずなんとなくホテルにチェックインしようか?ってことになり、一路長野市内へ。その10分後、あれだけ青空だったのに雨が結構な両降ってきてびっくりしました。そんなことある?!って夫婦で驚きつつ、パワースポットだしあるかもね?と頷きながらホテルに向かう私たちなのでした。(後半へ続く)

それではまた6月にお目にかかりましょう。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。