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【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.50『味噌』

つくばで食べる・つくる・育てる
3月のテーマ「味噌」

こんにちは、くーこです。こちらは風の強い日が続いています。春分の日の前にお墓のお掃除に行こうと予定を組んでいたのですが、強風で高速道路を走れるか不安になり延期しました。まさに「3月のライオン」だなあと。本当に3月末までには子羊のように穏やかな天気で4月を迎えられるのでしょうか?

何年もコラムを書いていて、そういえば味噌の話をしていないことに気が付きました。私は味噌大好きで、ラーメンも味噌味が本当は一番好きだし(でも理想の味にはなかなか出会えない)、もつ煮込み等の煮込み系も味噌味が好みなんです。なので冷蔵庫の一角に味噌が3種類鎮座しています。そこまで大きくない冷蔵庫ですが、これは譲れません。普段使いの甘口味噌・煮込み系や茄子のお味噌汁に使うための赤味噌・単体では使うことがないけれど、入れるとコクと甘みが出て便利な白味噌です。赤味噌を使って煮込みを作る時に醤油を入れてしまうと渋みが出てしまうのですが、赤味噌やみりんだけだとちょっと物足りないと感じていたので、いろいろ調べてみたところ、味噌の半分を白味噌にすると甘さとコクが出ることが分かり、味もバッチリ決まるようになりました。あと、クリームパスタに少し入れてもおいしいですよ。普段使いの甘口味噌は地元のやまこみその甘口を使っています。こちらの味噌は無添加でやさしい味がし、お手頃なお値段なのにすごくおいしいのです。他のお味噌に浮気しても家族に即バレして文句言われるので、ここ10年以上購入し続けているお品です

そんな味噌ですが、最近その高い栄養素と健康効果に再び注目が集まっているそうです。

まず注目したいのがタンパク質。大豆を発酵する過程で大豆たんぱくの30%がアミノ酸に変化しますが、この中に体内では生成できない9種類全ての必須アミノ酸が含まれています。

そして、生活習慣病予防に効くと言われているレシチン・サポニン・メラノイジン・リノール酸。女性にうれしいイソフラボン・ビタミンEとB2。その他に食物繊維やカルシウムも入っています。なにこれ、スーパーフードじゃない?!と調べた私もびっくり。美容効果もありそうだと更に調べたら、1日2杯お味噌汁を飲むとお肌の水分量が1.4倍に増えるとか。以前皮膚科で「全身砂漠化」と言われ、友人に「ガサコ(笑)」と不名誉な二つ名を付けられた私にピッタリな飲み物ですね。

ただ、気になるのが塩分量。使う味噌によるとは思いますが、お味噌汁1杯あたり1.5gらしいので、お昼に食べるカレーの半分ぐらいだし、血圧下げる効果のあるペプチドが入っているからお医者さんに止められているとかでなければ大丈夫じゃないかな?と思っています。

とは言え、毎日お味噌汁作るの辛くないですか?日替わりで具材を考えるのも大変だし、メインと副菜作るだけでやる気根気0。かといって、永〇園のインスタント味噌汁を毎回っていうのもね。と思い続けていたある日、大好きなマンガ「3月のライオン」16巻を読んでいると、その解決策が載っているではありませんか!その名も「そめじみそ!!」ヒロイン3姉妹のおじいちゃんが、少し前に流行った味噌玉よりもずっと前に開発したと書かれているそれは、みそに顆粒だしと乾燥わかめとかを入れてタッパーで保存しておいて、お椀にそのお味噌を入れてお湯を注げばお味噌汁完成!というもの。もうこれは作るしかない!!と。具材は乾物であればなんでもよさそうですが、我が家ではお麩・乾燥わかめ・あおさのり・切り干し大根を入れています。だしはだしパックの袋を切ってそのまま投入。ゴミも出なくてエコな気分です。それを混ぜて、保存容器に入れて冷凍庫へ入れます。冷蔵庫じゃなくて、冷凍庫です。というのも、切り干し大根は作られる作業工程上水洗いをした方が良さそうなので、そうなると水分拭き取っても傷むのが怖いですし、冷凍しても味噌は凍らないので安心です。そして、飲むときも熱湯注げば丁度よい温度になるので、栄養成分も壊さずよいとこどりですね。

結果、おいしすぎて追加で作るようになり、今は味噌汁専用に味噌を買ってきています。家族も飲みたいときに自分でお湯注いで飲んでくれるので大助かりです。羽海野先生ありがとう!!

花粉症も腸内環境をよくすると改善するらしいので、ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌よりも生きて腸内まで届きやすい植物性乳酸菌を持つお味噌も積極的に摂っていきたいですね。

それではまた来月、お目にかかりましょう。

≪お味噌汁の素≫

【材料】(30杯分ぐらい)
・好みの味噌 300g
・出汁パック 3~4袋
・乾燥わかめ 適量
・あおさのり 適量
・お麩 適量
・切り干し大根 30

【作り方】
準備:切り干し大根はさっと洗って、ハサミで食べやすい長さに切っておく

① ボウルに味噌と出汁パックの中身を入れてよく混ぜる

② 具材の乾物を1種類ずつよく混ぜながら全部入れる(具材はお好みで)

③ 保存容器に入れたら、冷凍庫で保存する

④ お椀に大さじ1程入れて、熱湯を注げばお味噌汁の出来上がり

*この量でジップロックスクリュー473mlにピッタリ収まります。
*出汁パックの量は好みで変えてください。今回は甘口味噌なので4袋使っています。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.49『バレンタインデー』

つくばで食べる・つくる・育てる
2月のテーマ「バレンタインデー」

こんにちは、くーこです。
激しすぎる三寒四温をひしひしと感じている今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? つくばでは梅が満開で良い香りがしています…と言いたいところですが、例年より早く花粉症が来てしまい顔面が大変なことになっております。先週末から始まった筑波山の梅まつりに行ってみたいのですが、あそこは杉のメッカなのでどうしようか悩んでいるところです。

今月はバレンタインデーがありましたね。まあ、私にはちょっとお高いチョコレートを食べられる日って認識なのですが、今年はちょっと違いました。

中学生の息子から「バレンタインデーにお菓子を作りたい」と相談があったのです。ここで普通のお母さんなら「あらあら、うふふ」となるのでしょうが、我が子にそんな甘酸っぱいことがないのは分かり切っていたので非常に冷静な私しかいません。話を要約すると、部活の女子数人とスイーツの話をしていたところ、皆でバレンタインデーに手作りお菓子を作って交換しようってことになったとか。あ、スイーツ男子でお菓子作りが趣味なのカミングアウトしたのね…ってところで、何を作ったら良いと思うかアドバイスちょうだいとのことでした。

「男の子の手作りに需要あるのかしら?社交辞令なんじゃないの?」と言いたいところをぐっと飲みこんで、「あげるのが2人ぐらいなら今のトレンドである小さいガトーショコラを推したいけれど…」と提案すると、結構な人数だったのとチョコレートは女子と被るから他のものが良いと言うので、「じゃあ、食中毒の心配がなくて失敗しない焼き菓子が良いね。マドレーヌや前もって準備できるアイスボックスクッキーにしたら?」と答えたところ、マドレーヌと当日部活休んだ子用に紅茶のアイスボックスクッキーを作ることに決めたようです。マドレーヌ以前こちらのコラムでも紹介したレシピで、はちみつレモン風味のもの。材料を混ぜるときに泡立てないように気を付ければおいしくできるので、お菓子作り初心者にはピッタリなんです。シェル型で焼けばお店風になりますしね。

今月のレシピに載せますが、紅茶のアイスボックスクッキーはプレーンな生地に紅茶のティーバッグを2袋入れて作りましたよ。ティーバッグの茶葉は元から細かくされているので、お菓子作りにはもってこいなんですよね。うちはアールグレイを常飲しているので、今回もアールグレイを使いました。って、本当はシンプルなバタークッキーをおススメしたのですが、「シンプルすぎてちょっと…」と言われてしまいました。ベーシック最高!最後はここに戻るんだ!!と言っても聞かず、「紅茶入れたらミルクティーに合いそうじゃない?」とオトメンな発言により「それがいいと思うよ?」とレシピを組み立ててここに至ります。

 そんなやり取りを経て、休日の午後を半分使ってひたすらお菓子を作りラッピングし、翌日の部活に持って行ったのですが…帰りの車に乗り込んできた息子はちょっぴりおかんむりな様子。どうした?と聞くと、「お店で買ったのを詰め直した?」って一部の女子に言われたとのこと。おっと、その返しは想定外。誉め言葉だと思うよ?と返すと「みんな喜んでもらってくれたよ」って笑っていました。「男子からもらえるバレンタインって初めてだから新鮮!」と言っていたそうです。そして、女子力の高い男子の称号を得たとのことでした。良かったな、息子よ。でも、お菓子作りは洗い物をして片付けるまでだぞ!と、残った紅茶のクッキーをかじりながら「今度は器具の洗い方としまい方を教えなければ」と決意する母なのでした。
それではまた、3月にお目にかかりましょう。

≪紅茶のアイスボックスクッキー≫

【材料】(直径3㎝40枚前後)
・無塩バター 100g 
・上白糖 80g 
・塩 ひとつまみ 
・卵 1個

☆薄力粉 165g 
☆アーモンドプードル 35g 
☆紅茶のティーバッグ 2袋

【作り方】
準備:バターは室温で柔らかくしておき、ティーバッグは中身を取り出しておく
①   ボウルにバターと上白糖と塩を入れ、泡立て器で白っぽくなるまですり混ぜる
②   溶いた卵を少しずつ①に入れてそのつどよく混ぜる
③   ふるいに☆を入れて②にふるい入れたら、ヘラで切るように混ぜる
④   そぼろ状のかたまりになってきたら、数回ボウルに押し付けてひとまとめにする
⑤   生地を2分割にしてラップに包み、直径3㎝程の棒状にしたら冷蔵庫で1時間以上冷やす
  (ジッパー袋に入れてここで冷凍すれば2週間は持ちます)
⑥   170℃でオーブンを予熱している間に、ラップを外した⑤を6mmの厚さに切って、オーブンシートを敷いた鉄板に並べる
⑦   15分程焼き、きつね色に焼けたらできあがり


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.48『青パパイヤを食す』

つくばで食べる・つくる・育てる
1月のテーマ「 青パパイヤを食す」

あけましておめでとうございます、くーこです。

先日、毎年お参りしている常陸の国出雲大社へ初詣に行ってきました。必ずおみくじは引くのですが、ここ20年ぐらいお目にかからなかった大吉きました!が、書いてあることが結構厳しめ?もろ手を挙げて「今年は良い1年になりそうだ!!」って気分には到底なりませんでした。一歩一歩着実に堅実に歩めとのことだったので、宝くじで一攫千金を狙うのはやめようと思います。

さて、先日庭仕事をしていた夫が、お隣さんから「パパイヤ食べない?」と声をかけられました。即答でもらうと答えた後私に報告。お礼を言うために外に出たところ、差し出されたのがラグビーボールサイズの青パパイヤが2個。あまりのサイズにちょっぴりおののきました。

「これ、青パパイヤですか?」と一応尋ねたところ、そうだとのこと。千葉に住んでいるお友達が栽培していて、遊びに行った時にお土産に持たせてくれたものだそうで…「でも、調理法も分からないし、量も多すぎてね。良かったらもらってくれない?そして、また少しわけてくれない?」と言われました。どうやらそのお友達、「アク強いから、水にさらしてから使ってね」としか言ってくれなかったらしく、具体的な調理例は聞いてこなかったらしいです。お隣さんはご夫婦そろって顔が広いらしくいろいろ頂き物があるようなのですが、いかんせんご高齢なので量も少しで良いし、正直料理も面倒くさいご様子。うちは育ち盛りの息子もいるし、好き嫌いもないのでいつもありがたく横流し品を頂いてしまうのですが、毎回それではこちらも申し訳ないのでいつからか食べきれる分だけ私が作っておすそ分けするようになりました。ここ限定で古き良き昭和文化が残っています。「まかせて!」と安請け合いしたものの、レパートリーがほぼないこの野菜をどうしようか悩みどころです。

そんな青パパイヤ、以前は沖縄産しかなく高級食材でしたが、ここ近年は関東でもよく育つらしく、つくばの地場野菜コーナーでもよく見かけるようになりました。それでも15cmサイズで450円前後、ラグビーボールサイズだと800円ぐらいはするそうなので、結構な高級食材です。栄養価も高く、タンパク分解酵素のパパイン・ポリフェノール・ビタミンCが豊富で、最近はスーパーフードとしても注目されています。積極的に食べたい野菜ですね。注意点があるとすれば、水溶性食物繊維が豊富なので食べすぎるのお腹を壊します。

ただ、気軽に食べられる雰囲気じゃないのですよ、見た目や取り扱いが。まず、代表栄養素のパパインは皮膚につくと痒くなりやすいので、作業するときには使い捨てのビニール手袋をした方が安心です。そして分厚そうな皮は少し弾力があり包丁でむけないこともないですが、ピーラーでむくのが楽です。あとは切って水であく抜きしてから使います。良く知られている青パパイヤ料理と言えば、タイ料理のソムタムが有名ですよね。私も大好きで、タイ料理のお店に行くと絶対に頼むのですが、今回はスイートチリソースが苦手な息子がいるので封印です。コリコリとした食感を生かした、万人受けする青パパイヤ料理をめざします。

きんぴらにしてもおいしいようですが、お隣さんは晩酌を毎晩するとのことなので、お酒のおつまみにもなる「青パパイヤとイカ燻のマリネ」を作ってみました。青パパイヤはあく抜きしてしまうとクセもなくなるので、セロリでさわやかな風味を足して、アクセントにケイパーを入れてあります。ケイパーはスーパーのドレッシング売り場で瓶詰めが売られていますよ。イカ燻は裂けるタイプのではなく、ペラペラとしているタイプのものがこのマリネには合います。もうひとつはチャレンジ品として、コンポートにしてみました。リンゴっぽくなるかな?と思ったのですが、歯ごたえのあるナタデココって感じでした。ゼリーに入れてみましたがヨーグルトのトッピングにする方がおいしかったかも。今回はお隣さんも気に入ってくれたマリネを紹介します。どこかで青パパイヤを見かけたら作ってみてくださいね。

それではまた、2月にお目にかかりましょう。

≪青パパイヤとイカ燻のマリネ≫

【材料】(大きめのボウル1杯分)
・青パパイヤ 小さいのなら1個、大きいのなら1/2個 
・セロリ 1本
・イカ燻 1袋 
・ケイパー 大さじ1 

☆オリーブオイル 大さじ2 
☆リンゴ酢 大さじ2
☆レモン汁 大さじ2 
☆砂糖 大さじ1 
☆塩 小さじ1 
☆胡椒 適当

【作り方】
① ジッパー袋に☆を入れて混ぜておく
② 青パパイヤを千切りにして10~15分水にさらしてアク抜きしたら、水気をよくふき取る
③ セロリは繊維に沿って千切り、イカ燻は食べやすい大きさに、ケイパーはみじん切りにそれぞれ切る
④ ②③を①に入れて、袋の上から軽くもんで、冷蔵庫で1時間以上冷やす

※ マリネ液はお好みで調味料を増減してください。このレシピはオリーブオイル少な目で作ってあります。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.47『長野へGO! -後編-』

つくばで食べる・つくる・育てる
12月のテーマ「 長野へGO! -後編-」

 こんにちは、くーこです。あっという間の年末ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?茨城県では5年ぶりにインフルエンザ流行警報が先日出たのですが、その前に息子のクラスは学級閉鎖になりました。近くの高校では先生の半分がインフルエンザに罹ってしまい学校閉鎖になったとか。我が家ではまだ誰も罹っていませんが、手洗い・うがい・睡眠をちゃんとやろう!と話しています。

 今月は先月の軽井沢旅行記の続きです。2日目の朝はホテルマンのお兄さんのおすすめで浅間牧場まで散歩に出ることからスタートしました。歩くこと5分、入り口が見えてきたところで道の反対側に「りんご」ののぼり旗が見えます。入口には土日のみの営業と書いてあったので「残念だったね」と立ち去ろうとしたら、建物の中にいたおじいさんが手招きしています。近寄ると「リンゴ欲しいなら分けてあげる」とのこと。話を聞くと、安曇野で収穫したリンゴを平日は道の駅や近隣ホテル・パティスリーなど業者に販売していて、土日だけ一般に売っているのだとか。今年は花の咲くころに降った雹害と夏の酷暑で近年まれにみる不作だったそうで、価格もお高めとのこと。それでもふじりんごがあると言われたので買いたい!と言ったら、業者も欲しがるし収穫量も少なかったから…と2個だけ譲ってもらいました。あとは、シナノスイートと名月。合わせて2000円分購入です。

シナノスイートと名月はこちらが心配になるくらいたくさんおまけしてもらいました。凄いおいしいリンゴでしたよ。息子は名月が気に入ったようでしたが、私は断然にふじです。パリッとしていて適度な酸味があってリンゴらしいリンゴでした。お話していると業者さん達が続々とやってきたのでお暇することに。帰りがけに名刺を渡され、リンゴ送ることもできるからねと言われました。こういう素敵な出会いが旅の醍醐味な気がしますね。

 ホテルでおいしい朝食をおなか一杯食べた後は浅間牧場から浅間山を見て、軽井沢高原教会前のお庭で巨大な苔玉に驚き、一路地元のスーパー「ツルヤ」へ向かいます。

旅行に行くと、夫の仕事柄地元企業のスーパーに寄りがちなのですが、久々にテンション上がるスーパーに出会いました。入口にはプライベートブランドの品がずらりと並んでいるのですが、全て長野の特産品です。長野県愛半端ないです。売り場に足を踏み入れてまず目に入ったのが常温保存可能な名物「おやき」各種。この日は特売で1個100円切っていました。「きのこ」と「野沢菜」を1個ずつカゴにIN! 正直、値段から大した期待をしていなかったのですがもっと買って来ればよかったと後悔しました。別荘地の人を意識してなのか、お総菜売り場も充実しています。圧巻なのはジャム売り場ですね。売り場の一区画全部ジャム!値段もお買い得です。散々迷いに迷って、リンゴ・信州あんず・プラム・クルミスプレッドを購入。信州あんずジャムはごろっと果肉が入っていて贅沢なお味です。クルミスプレッドはピーナッツバターよりマイルドな風味でした。開けていないジャムは大事にこの後食べる予定です。

 と、じっくり見て回ること1時間以上。「お歳暮に殻付きのクルミがあるよ!」「生の朝鮮人参売ってる!(特産らしいです)」「長野県のお土産コーナー見てくる!」なんて話しているうちにカゴの中がえらいことに…なんでこんなに品物が…?普段の買い物より買っている…野沢菜商品率高いな、ふりかけ・油炒め・野沢菜昆布…結局、ここでほとんどのお土産が揃ってしまいました。驚いたことに、ハズレ商品無しです!クオリティ高っ!!

 その後、道の駅に寄りながら本日のメインイベント「かまど炊きご飯 御厨」でランチです。

こちらのお店では名前の通りかまど炊きのご飯が食べられます。昼は3種類の御膳から選べ、とろろ汁御膳と鶏肉のみそ漬け焼き御膳をチョイス。もちろんシェアして食べましたよ。じんわりと体に染みわたるおいしさでした。しみじみ旨いってやつです。ご飯や汁物はもちろん、副菜の煮物の野菜がおいしいこと。珍しいなと思ったのは、とろろを信州味噌でしっかり味付けしていたこと。そして、野沢菜の天ぷら。お漬物の天ぷらを刻んで揚げたものだそうで、塩とかつけずにそのまま頂きました。この天ぷらは絶対に食べないと後悔するぐらい絶品でしたよ。30分並んで良かった。

こちらの野沢菜漬けは今まで食べていたのは何?!ってぐらいしっかり発酵していておいしかったのでお土産に買ったのですが、その際に店員さんにこの感動を伝えたところ、野沢菜漬け発祥の地である野沢温泉村「とみき漬物」からわざわざ取り寄せているのだそうです。「無添加だし、熟成されているからおいしいですよ。軽井沢ではここでしか買えません」とおっしゃっていました。そういう情報大好きです!

大満足でお店を後にし、最後の目的地は旧軽井沢銀座通りです。軽井沢にきてここに行かないのはどうかな?と思ったので訪れてみたのですが、ちょっとぶらぶらして、ショー記念礼拝堂を見学して戻ってきました。買い物はツルヤで満足してしまったので結局何も買わず、御厨でお腹いっぱいになってしまったのでお茶もせずにそのまま帰路につきました。次回は藤田嗣治が展示されている安東美術館に行きたいな、とかツルヤで買った野沢菜昆布また食べたいとか、既に長野ロスになっているので、雪が溶けた春以降にまた行く計画を立てています。本当に良いところでした。

それではまた、1月にお目にかかりましょう。よいお年をお迎えください。

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.46『長野へGO! -前編-』

つくばで食べる・つくる・育てる
11月のテーマ「 長野へGO! -前編-」

 こんにちは、くーこです。急に肌寒くなってきましたね。気持ち的に秋は3日で終わって冬に突入という気分です。皆様体調崩されていませんか?

 先日、子どもが3日間宿泊学習に行く日程に合わせて、私たち夫婦も泊りがけで遠出してきました。とは言っても、子どもの送迎の時間を考えると行ける場所は限られてしまいます。圏央道使ってドライブしてみたいと言う夫の提案と、新蕎麦食べたい私の欲望から1泊2日で長野県へ出かけることに。当初長野市から小布施町を予定していましたが、時間の関係上軽井沢へ。なんとつくば市から2時間半程で遊びに行けるのです。意外と近くて驚きです。

 お互い初長野県なので、とにかくおいしいものを食べよう!!を合言葉に車を走らせます。今回は子どもファーストでは無いので、割とノープランで出発。ひとまず、白糸の滝でマイナスイオンを浴びに行きます。ちょうど紅葉が見頃で、ハイキング姿の外国人ファミリーも多く見られました。欧米の方々ってSNSとかで休暇になると即ハイキングってイメージがありましたが、正しいイメージの様です。茨城のシンボル袋田の滝のダイナミックさは無いものの、水の美しさと清々したかわいらしい滝でした。人造滝なので、いつ訪れてもその透明度は保たれているそうですよ。駐車場そばの売店では珍しい鹿肉まんや長野名物おやき等も売っていてにぎわっていました。

 あれこれ買い食いしたい欲を無理やり押さえつけて、今回の最大の目的であるお蕎麦屋さんへ向かいます。お目当ては、翁達磨一門の「浅間翁」です。趣味で蕎麦打ちをしていた私の父の心の師匠・高橋邦弘氏のお弟子さんがやっているお店とのことで、軽井沢から少し離れた場所にある名店です。一言でいうと、「もの凄くおいしかった!」につきます。

お蕎麦は瑞々しくシャッキリとしていて、上品な香りです。そば汁も辛くなくて最後までおいしく頂きました。自家製の身欠きにしんの甘露煮も甘すぎず、隣のカップルがメニューも見ず「鰊そばふたつ」と注文していた理由も頷けます。そんな私たちは鴨ざると天ざる頼みましたが、鴨ざるには厚切りのローストした鴨と鴨のつくねが入っていて、そこまで鴨油がきつくなく、どこまでも上品な味わいでした。天ぷらもキノコや里芋と山の幸メインでおいしかったです。二人だとシェアして食べられるのが良いですよね。

 満腹になったところで、スルーしていた軽井沢へ戻ります。この日は日曜日なので、混雑を予想して旧軽井沢は翌日に回し、アクセスしやすそうな南軽井沢にある「軽井沢タリアセン」で観光することにしました。こちらは、塩沢湖を中心にした自然・芸術・レジャーが楽しめる複合施設です。いくつかある建物は戦前に建てられた別荘を移築復元されていて、本当に美しかったです。建築関係の職場で働いていたこともある私は美術館も入れるチケットを購入して、屋内も堪能しました。

その中のペイネ美術館の建物は、旧帝国ホテルを設計したアントニン・レーモンドの別荘「夏の庭」であり、内部構造は近代建築の巨匠ル・コルビュジェの案を取って建築されたそうで、2階へ行くスロープがまさにコルビュジェぽい!とちょっぴり興奮。

ジブリ作品「思い出のマーニー」のお屋敷のモデルと言われている睡鳩荘の周辺ではフォトウェディングをしているカップルが3組いらっしゃいました。お幸せに~と心の中で祝福しつつ、道を挟んで皇室の方々も訪れている軽井沢高原文庫へ。軽井沢は避暑地として缶詰になるには最適な場所だからか、有名な作家が数多く滞在し、また多くの舞台としても登場しています。堀辰雄の「風立ちぬ」は同名のジブリ作品があるので有名ですよね。設定は違っていますが、映画から小説を読んだ方も多いのではないでしょうか?文学部出身の私も近現代文学はさらっと流した程度なので、とても興味深く拝見しました。作品を読んでいる方はもっと楽しめるかも。

 そうこうしている間に、既に夕方になってしまいました。おしゃれなカフェでお茶を…と言っていたのに、そんな暇はありません。そのまま、星野リゾート内にあるハルニレテラスに行き、ぶらぶら散歩しつつ「村民食堂」で夕飯を頂きました。こちらはカジュアルな信州料理を食べることができるお店で、馬刺しと信州サーモンのお造りが絶品でした。特に信州サーモンはこりこりした歯触りで脂はのっているのに口当たりがさっぱりとしたお味で、もっと食べたかった!淡水魚とのことですが、水がきれいだからおいしい養殖ができるのでしょうね。

 夕飯後、ホテルに向けて出発しましたが、この日予約を入れたのは北軽井沢にあり、国道という山道を走ること30分…予約をした時に気が付いたのですが、北軽井沢って群馬県なんですね。車中で「やっぱり秘境なのかね?埋蔵金あるのかな?」(こちらは名前を聞いたら卒倒する茨城から来ているのに、棚に上げてボンドで接着中)なんて『翔んで埼玉』のネタで盛り上がっていたら、急に目の前に鹿が飛び出してきてびっくり!!他に車がいなかったのと、道が暗くゆっくり走っていたために事なきを得ましたが、私たちも鹿も暫し見つめ合ってしまいました。いやぁ、イノシシとかじゃなくて良かった!!あれに遭遇したら車大破を覚悟しないといけないですからね(昔、筑波山で同僚がやられて涙目だったのを思い出しました)。

 

そんなこんなで、1日目の旅の終わりはなかなか思い出深い鹿との遭遇で幕を閉じることに。来月は2日目の食レポをしようと思います。

それではまた、12月にお目にかかりましょう。

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。