Posts in Category: おうちMossCafe

つくばで食べる・つくる・育てる Vol.36『チョコレート』

つくばで食べる・つくる・育てる
1月のテーマ「チョコレート」

 

こんにちは、くーこです。今年もよろしくお願いします。

 お正月を過ぎて、気がつけばショッピングセンターやスーパーにはバレンタインデーの特設会場ができていました。大手デパートではパリ発祥のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」も始まっていて、今年も新規ブランドが10店舗以上入っているそうです。産地にこだわったビーントゥバーチョコレートからショコラティエが趣向を凝らしたボンボン・オ・ショコラまで、パッケージも趣向が凝らされていて、ただ見ていても楽しいですね。

 

 

 さて、皆さんはチョコレートが何からできているかご存知ですか?カカオ豆というのは知っていますよね。カカオは熱帯に生えるアオギリ科の常緑樹で季節に関係なく一年通して次々と実をつける植物です。厚くて硬い果皮に包まれた果実(カカオポッド)をつけ、それを割ると白い果肉に包まれた種が30~50粒程入っていて、これを発酵と焙炒をすることでカカオ豆になります。1個のカカオポッドからだいたい板チョコ2枚程作ることができるそうです。

 何日もかけて作られたカカオ豆と砂糖を加えればシンプルなチョコレートができあがります。と、こう聞くと簡単そうに思いますよね?私もそう思いました。それで、ビーントゥバーキットを買って作ってみたのですが、湯煎したすり鉢でひたすら豆と砂糖をすりすりすること3時間…腕はパンパンで泣きそうになりました。最初はノリノリだった息子はわずか10分で脱落です。できあがったものを食べても「なんか舌触りがザラザラ…」とがっかりな結果に。味自体は良いのですが、労力と合わない…それもそのはず、メーカーさんは電動石臼で1~3日かけてペーストにするそうです。これは安易に手を出してはいけないやつとその時に悟りました。おいしいチョコレートを作ってくれるメーカーさんには感謝感謝です。

 

 

 今回は市販のチョコレートを使ってフルーツ生チョコを作りたいと思います。フルーツとチョコレートの組み合わせって大好きです。酸味があるフルーツは相性抜群ですが、今回は知人手作りの干し柿があったのでそれとラム酒を加えて、和のテイスト漂うまったりとした大人味に仕上げますよ。干し柿は糖度が高いので、今回は70%の高カカオのものを使っています。プラムやアプリコットなどはスイートチョコがおすすめですね。生チョコをおいしく作るコツは2つ、バターを常温に戻すことと、湯煎でていねいに作ること、それだけです。その昔、パン屋でバイトをしていた時にどのチョコレートを使っても上手くバレンタインデー用のチョコレートが作れない女子中学生がお店に来たことがありました。パンの2次加工に使っていたチョコレートが艶々だったので少し売ってほしいと。お店の材料を売ることはできないので、いろいろ話を聞いてみると電子レンジでチンしていたんですよね。適当にレンジにかけると水分が蒸発しやすくて焦げやすいとか、テンパリングしていないから固めた時に艶が無くて白っぽい粉がふいたようになっちゃいます。実際、お店でも湯煎していましたしね。その女の子たちは板チョコとココアや粉糖でごまかせる簡単トリュフの作り方を教えるとお礼を言って帰っていきましたが、うまくできたのでしょうか。

 

 

 それから20年以上経ち、いつの時代もがんばる女の子はかわいいなぁと、その時の女子中学生や売場であれこれ考えている女の子たちを見てこっそり応援する私なのでした。

 

 

≪干し柿の生チョコ≫

【材料】(13cm×18cmの容器1台分)
・製菓用チョコレート 140g 
・干し柿 80g 
・生クリーム 50g 
・はちみつ 10g 
・無塩バター 30g  
・ラム酒 小さじ2 
・粉糖かココアパウダー 適量

【作り方】
① 干し柿をぬるま湯で10分漬けて、水気をよく拭き取ってから1cmくらいに刻む

② 刻んだチョコレートを湯煎で溶かす

③ 生クリームとはちみつを耐熱容器に入れて、レンジで温めて2に入れる

④ ゴムベラでよく混ぜたらラム酒と常温に戻して柔らかくしたバターを入れて混ぜる

⑤ ④に干し柿を入れてまぜ、オーブンシートを敷いた容器に入れたら冷蔵庫で固める

⑥ 固まったら好きな大きさに切って、粉糖かココアパウダーを振りかける

 

 

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

つくばで食べる・つくる・育てる Vol.35『山ぶどうでパンを焼いてみる』

つくばで食べる・つくる・育てる
12月のテーマ「山ぶどうでパンを焼いてみる」

 こんにちは、くーこです。

 先月のコラムで山ブドウを使って酵母を起こしたと書きましたが、今回はその酵母を使ってパンを焼いてみたお話をしようと思います。なんとか酵母ができたら、次は種起しと言う作業をします。家庭用レシピでよく見る材料をいっきに混ぜて作る方法をストレート法と言うのですが、天然酵母液を直接使うと生地が安定しないそうなので、あらかじめ天然酵母液と小麦粉を混ぜて発酵させて寝かしての作業を3回ほど繰り返してできる元種を作っておきます。配合はいろいろあるのですが、天然酵母を使ったレシピが少ないので手持ちのレシピを使えるように酵母液(水):粉=1:1にしています。粉は灰分が多い全粒粉を使います。普通の強力粉も使えますが、灰分(ミネラル)が入っている方が安定して発酵するそうですよ。2回目と3回目は酵母液ではなく水を入れますが、今回は発酵が弱そうだったので今回は3回とも酵母液を加えました。1日目は酵母液と全粒粉を40gずつ密閉容器に入れてよく混ぜ6~12時間常温で発酵後半日冷蔵庫、2日目と3日目は水と全粒粉を30gずつ追加して入れてよく混ぜ6~12時間常温で発酵後半日冷蔵庫と繰り返します。今の時期だとなかなか発酵し辛いので、ホームベーカリーやヨーグルトメーカーがあるとやりやすいですね。

 

 

 ここまでで、パンを作ろうと思いついてから1週間です。ようやくパン生地を作ります。今回はカンパーニュと角食パンを焼きました。今回はちょっと発酵力が弱そうだったので、粉の量に対して元種を40%加えてあります。なので、元レシピの分量から40%分の粉と水分を引いておく必要があります。作ったカンパーニュを例に挙げると、強力粉とリスドオルを合わせると200g必要なのですが、200gの40%は80gで1:1の液体と粉の比率なのでそれぞれ40gずつ引くってことですね。粉は160g、水は98g必要なところを58gにします。ここで1:1にした意味が出てきます。計算が簡単なので、手持ちのレシピに応用しやすいのです。

 

 

 あとは普通のパンと作り方は一緒です。発酵時間が倍以上かかること以外は。1次発酵は4時間前後、2次発酵は2時間程かかっています。なので、時間がないときに作ることはできないと感じました。試しに夜長時間発酵にチャレンジしたら、過発酵な生地になってしまい、泣く泣くピザ生地やラスクになったことも…プロでもあまりやりたがらない理由が分かります。本当に難しい!!角食パンは3回作って2回失敗でした。リーンなカンパーニュの方が作りやすい気がします。こちらは失敗なし。家庭用オーブンでカンパーニュを焼くのは難しいのですが、お友達から蓋つきの鉄鍋を使った焼き方を教えてもらい、やってみたら上手く蒸気が入ってパリパリの皮ができました。これ食べると自分でまたつくりたくなるのだから不思議なんですよね。作っている時にはもうやらない…と思うのですが。こうやって人は沼にはまっていくようです。もしかしたらこの後も別の果物で酵母液を作ってパンを焼くかもしれません。手を出してはいけないものに手を出してしまった気分の私なのでした。

 

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

つくばで食べる・つくる・育てる Vol.34『珍味・山ぶどうをもらいました』

つくばで食べる・つくる・育てる
11月のテーマ「珍味・山ぶどうをもらいました」

 こんにちは、くーこです。

 このコラムが出る頃には二十四節気の「小雪」を迎えているのですが、つくばは日中暖かでセーターの出番がありません。それでも朝の通学時は息も白くなってきて、息子は手袋をするようになりました。そして既に片方なくしました…なんて、別のママさんにお話しすると、「うちはこの短期間で2回無くした!」なんて仰っていました。小学生男子の冬あるあるですね。苦笑いしながら歩いていると真っ白な椿が咲いていて、静かに冬が来ていることを実感した今日この頃です。

 先月、同じ市内に住む友人から「山ぶどうを摘みませんか?」とお誘いがあり、親子でお邪魔してきました。2年前からご主人のご実家から株分けしてもらった山ぶどうを育てていて、更に今年は株を増やしてお庭のフェンスに這わしてたくさん実をつけたそうです。良い機会だから皆で摘んでしまおうってことで、ボウルとキッチンバサミをお借りして房ごとカットしていきます。実の大きさは小ぶりのブルーベリーくらいで、普段食べているぶどうの様にぎっしり房に付いているわけではありません。子ども達は早々に飽きてしまい、大人だけで30分取り続けました。ボウルに山盛り2つ。達成感ありますね。

 ただ、この山ぶどう、本当に酸っぱい!ちょっと生食には向かないのではないかと思うぐらいなんです。天然のものや、プロの栽培したものを食したことがないので本当は甘いのかもしれませんが、子どもはおろか栽培している張本人も手に余る品だそうで…「お義父さんは珍味だって言うんだけれど、珍味すぎてどう食べて良いのか分からないから、くーこちゃん何か作って!全部あげるから!!」と言うので、全てもらって帰ってきましたよ。ちなみにそのお義父さんはつぶしてジュースにして飲んでいるそうです。

 善は急げと、軽く洗って房から食べられる実だけを取り分けると700gありました。これだけあるといろいろできそうだったので、500gと200gに分けてジャムとジュースと前からやってみたかった天然酵母液を作ることにしました。酵母液から生種を作って、天然酵母パンを作ってみるつもりです。

 まずは天然酵母作りから。

 ジッパー袋に200gの実と砂糖小さじ1と水100ml程入れてもみもみしてから、煮沸消毒しておいた瓶に詰めて常温に放置。1日1回かき混ぜて空気を入れてあげて、3日もすればシュワシュワと発泡し、オリが沈むと完成です。5日後ぐらいにできました。このままだとワインになってしまい、酒造法に引っかかってしまうらしいので濾して瓶詰して冷蔵庫で保管します。それで成功したかと聞かれれば、答えは否です。酵母を育てるために水道水はNGということは知っていたのですが、家にあったアルカリイオン水を使ってしまい、イマイチ弱い酵母液になってしまいました。酵母は酸性を好むのでアルカリ性を混ぜるのはダメだったようです。お菓子作りやパン作りは化学変化を無視して作れないことを再確認しました。反省です。

 次はジャム作りです。

 友人が言うには、山梨の道の駅で山ぶどうのジャムは人気過ぎて買うことができないでいるそうです。ならば私が作るしかない!ですよね。いつも果実に対して20%の砂糖を入れるのですが、今回は30%にしてみました。この辺は果実を食べてみて臨機応変に。山ぶどうの良さを崩さない甘さにします。鍋に山ぶどう入れてこげないように注意して中火で煮ていき、水分が上がってきたら砂糖を入れて更に煮ます。砂糖が溶けて実が柔らかくなったところでザルにあけて実をつぶしながら濾します。山ぶどうは実に対して種が大きいのでジャムにすると口に当たる気がするんですよね。ここでジュースにする分を取り分けて、残りを鍋に戻して煮詰めてジャムにしていきます。瓶詰めして脱気すれば1年は持ちます。

 ジュースは味が濃いので炭酸水で希釈して山ぶどうサイダーに。我が家のメンズ曰く、甘くなくて健康になりそうな気がするのと事。なんだかノンアルコールカクテルっぽいテイストです。ジャムはジュレのようで、パンでもお肉料理のソースにしても良さそうです。全て友人宅へ行く予定なので私が口にすることはなさそうですが。

 それで、肝心の天然酵母パンはどうした?と思いますよね?これについてはページが少なくなってきたのでまた来月にお話ししようと思います。それでは、また来月にお目にかかりましょう。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

つくばで食べる・つくる・育てる Vol.33『紅玉でタルトタタン 』

つくばで食べる・つくる・育てる
10月のテーマ「紅玉でタルトタタン」

 こんにちは、くーこです。

朝晩少し肌寒くなってきましたね。最近、セブンイレブン系列のお店で売っている「秋冬限定シュガーバターの木 焼きりんご味」にはまっています。ザクザクとした生地に、カスタードアップルのようなショコラがサンドしてあって、焼きリンゴというよりアップルパイです。日持ちもするし、すっごいおいしいし、最高すぎる!ということで、お店に行くと常に3袋は買ってしまいます。秋冬だけではなくて、通年で販売してくれないかなぁと、もぐもぐしながらひそかに思う今日この頃です。

 9月にいつも購入している長野の小布施屋さんから訳ありリンゴの案内がありました。ここ数年はブラムリーアップルを購入していたのですが、久々にタルトタタンでも焼いてみようかと思い、煮崩れしやすいブラムリーではなく初めて紅玉をポチリ。10月の初めに小ぶりで真っ赤な紅玉が届きましたよ。訳ありなので、多少傷がついていたり凹んでいたりしましたが、皮をむいてしまえばきれいな果肉が出てきます。まずはそのまま食べてみます。うん、酸味は強いけれど瑞々しくて爽やかな甘みがあって、生食でも十分おいしいです。これならタルトタタンにしてもおいしいはず!期待は高まります。

 タルトタタンは作ってすぐは食べることができないので、食べたい前日に焼きますよ。市販のパイ生地でもおいしくできますが、材料さえそろえば5分ぐらいでできるので、サクッと作ります。生地ができたらいよいよ紅玉の登場です。18cmのマンケ型に対して6個使います。4つ割りにして、キャラメルとあえて、グラニュー糖を追加して45分前後弱火で煮ていきます。時間はかかりますが、割と簡単です。今まで失敗したこともないので、鼻歌歌いながら作っていたのですが、15分経った辺りから雲行きが怪しくなってきました…煮崩れてきたのです。「え?なんで??」火加減はOKだし、リンゴを重ねてもいないし。原因が分からないまま作り続け、半分はジャム状のものになってしまいました。後日、もう一度作ってみても結果は同じ。紅玉よ、あなたは煮崩れしにくいのではなかったのですか?ウィキペディアにだって煮崩れしにくいって書いてありますよ…

 それから原因を調べましたよ。まずは手持ちのレシピでタルトタタンが載っているものを全て確認してみました。そしたら、紅玉使っているパティシエさんが誰一人としていなかったんですね。皆さん「ふじ」を使っていました。ふじは煮崩れしにくい堅めの果肉と、酸味と甘味のバランスが良いそうです。気にしないで読んでいた時は手軽に手に入るからかな?ぐらいにしか考えていませんでしたが、そうではなさそうです。

そして、リンゴ農家さんのブログに答えがありました。

「早生リンゴは煮崩れしやすい」。紅玉も早生品種の1つです。なので、プロは紅玉ではなくふじを使うとも書かれていました。なるほど!!さっと火を通すアップルパイのフィリングならシャキシャキ感もあって良いのかもしれないですが、じっくり火を通すタルトタタンには確かに向いてないですね。理由が分かってすっきりしました。

ちなみに、今までタルトタタンを作る時には同じ小布施屋さんから取り寄せていた「春紅玉」や「ピンクレディー」と1月下旬から出回るものを使っていました。こちらも酸味が強い品種でお菓子作りに向いているものです。こうなったらこの冬も取り寄せて、今度こそ完璧なタルトタタンを作りたいものです。ただ、見た目は少し残念だっただけで、味はとってもおいしかったことはお伝えしておこうと思います。

レシピですが、最近の心の師であるemojoieさんのタルトタタンを参考にして作っているので、そちらをご覧になってくださいね。それでは!


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

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つくばで食べる・つくる・育てる Vol.33『ジャガイモ 』

つくばで食べる・つくる・育てる
9月のテーマ「ジャガイモ」

 こんにちは、くーこです。
まだまだ日中は暑いですが、夜になると虫の声が聞こえてくるようになり、秋になってきていると感じている今日この頃です 

 ところで、皆さんの好きな野菜は何ですか?私はジャガイモが大好きなんです。炭水化物が多いので野菜枠ではなく主食枠に入れていますが、好きなだけ食べてよいと言われれば蒸かしたジャガイモにバターのせてモリモリ食べてしまう気がします。この夏はジャガイモが豊作だったのか、学校から持ち帰ったり、親戚やご近所さんからもたくさんいただきました。昨年は不作でじゃがいもの価格が高騰していてなかなか買えなかったので、うれしい悲鳴です。よく見ると、定番の男爵やメークイン以外にもいろいろな品種が出ているらしくキタアカリやとうやなんかも入っていました。ただ、複数の品種をシャッフルして名前だけ告げて渡してくるので正直どれがどれだかよく分かりません。食べた時に違うなと感じるだけです。皮や中身に色がついていないなら、メークインぐらいですよね、見た目で分かるの。

    

 そんなわけで、一時期多いときは50個程あったジャガイモを嬉々として料理していたのですが、家族の反応を見るとシンプルなのが好まれる傾向にありました。ただ蒸かしただけ、揚げただけ。新じゃがはデンプン量が少ないため水っぽいと言われていますが、そんなこともなくほっくりしていて甘いので、素材の良さを生かした調理法が合っているのかも。とは言っても、毎回揚げて塩振るだけではつまらないので、「サラダエレガンス」という調味料をかけてみたり(あの「シェーキーズ」のポテトにそっくりな味になります)、ローズマリーとにんにくと一緒に揚げてフェタチーズを散らしてギリシャ風にしてみたりとアレンジしています。

 あとリクエストが多いのはコロッケ・マッシュポテト・ポテトサラダでしょうか。どれも余裕のある日じゃないと作りたくないメニューですが、出すと喜ばれますね。マッシュポテトは私の母がアメリカ留学時代に覚えてきたものを引き継いでいて、つぶしたジャガイモに卵黄とバターを入れて作ります。コクがあっておいしいので、息子には「これだけをボウルいっぱいに食べたい」と言われます…私も同じぐらいの年の時はそう思っていましたが、作る側になったときにそのカロリーの恐ろしさに気づいてしまい、配給制にしています。

ポテトサラダにはちょっぴりこだわりがあって、ゆでたてジャガイモを粗くつぶして熱々のうちに甘酢漬けにしておいた玉ねぎを酢ごと入れることです。今から20年ぐらい前の雑誌で帝国ホテルの初代総料理長であった村上信夫シェフのインタビューが載っていたのですが、どうしても上手く作れないポテトサラダのレシピを出征前の先輩が餞別にと教えてくれたというものでした。そのコツが、ジャガイモがマヨネーズを吸ってしまわないように始めに酢で下味をつけて水でさらした玉ねぎをパラッと散らしてからマヨネーズを加えると味がぼけないと書かれていました。それを知ってからは同じような作り方をしていたのですが、事前に甘酢漬けにしたものを漬け汁ごと入れた方が玉ねぎの甘酸っぱさがアクセントになっておいしかったので、それからはずっとこの方法です。あとは、マヨネーズに練乳入れたりごろごろベーコンと半熟の茹で卵を入れるところはまたもや「三月のライオン」からいただきました。禁断の味ですが、ホットサンドにしても本当においしいのでやってみて欲しいです。

これから秋ジャガイモの季節がやってきます。また春に収穫したものが貯蔵されてますますおいしくなってきます。旬が2度あるなんて、ジャガイモはなんて素敵な野菜なのでしょう!と改めて思う私なのでした。

 

≪禁断のポテトサラダ≫

【材料】(どんぶりいっぱい)
・じゃがいも 4個  
・玉ねぎ 1/4個  
・きゅうり 1本  
・茹で卵 2個
・厚切りベーコン 好きなだけ 
・ミツカンかんたん酢(甘酢) 大さじ2 
・マヨネーズ 適量 
・練乳 小さじ1/2  
・塩、こしょう 適量


【作り方】
① みじん切りにした玉ねぎをかんたん酢で漬けておく
② ジャガイモを皮から柔らかくなるまで茹でる。(20~25分くらい)
③ きゅうりを薄切りにして分量外の塩を薄く振って塩もみにして、水分を取っておく
④ ベーコンをゴロゴロに切って、弱火でじっくり焼いておく
⑤ 茹で卵も食べやすい大きさに切る
⑥ ジャガイモが柔らかく茹ったら、熱いうちに皮をむいて粗くつぶす
⑦ ⑥に①を入れてよく混ぜたら、マヨネーズと練乳を入れてあえる
⑧ ⑦に③④⑤を入れてさっくり混ぜて、塩こしょうで味を調えたらできあがり


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。