【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.71『りんごと過ごす秋のひと時』

つくばで食べる・つくる・育てる
11月のテーマ「りんごと過ごす秋のひと時」

 こんにちは、くーこです。公園のイチョウが落葉し始め、ダッシュで秋が通り過ぎていきましたが皆様風邪など引いていませんか?最近、感染症予防には紅茶が良いと聞いたのでタンブラーにたっぷり入れて飲んでいます。

 先月、実家の両親から長野旅行のお土産と、りんごを大量にもらいました。その量おそらく40個ぐらい。長野県の北部に位置する飯綱市で買ってきたリンゴでした。
長野県と言えばフルーツ王国で、四季折々においしい果物が取れますが、この飯綱市でひときわ輝くのが「りんご」。飯綱産のりんごについて、私の父が「今まで食べたリンゴの中で一番おいしい!あの世に行くまでにもう一度食べたい」と言っていたので、あの世に行く予定は全くないのですが今年の春に戸隠神社から山道を走って行ってみました。その時には白い花が咲き誇っていて、青空にとても映えていました。直売所では4月でも冷蔵貯蔵されたサンふじが販売されていて、パリッとしていてとてもジューシーなりんごで、確かにものすごくおいしかったです。その秘密は澄んだ空気と冷涼な気候、そして農家の皆さんの愛情らしいですよ。

両親は採れたてのサンふじを食べたくて飯綱に行ったのですが、残念ながら12月の上旬にならないと収穫時期にならないそうで、私に紅玉と初めて目にする青りんご…「ブレンハイムオレンジ」をどさっともたせてくれたのですが、調べてみるとクッキングアップルとのこと。イギリス原産で酸味が強く、荷崩れしやすいみたいです。ナッツのような独特な香りがあると書いてあり、どうやら飯綱市でしか作ってない日本では珍しい品種のようです。

 

つまり、これで何か作ってねってことのようです。とりあえず、すぐにできるアップルパイを焼きました。折角なので、種類別に焼いて食べ比べしてみます。冷凍庫にはパイシートが常備されているので、軽くソテーしたりんごを入れて、ツルヤで購入したあんずジャムをたっぷり塗って照りってりにしたら完成です。

酸味が強いリンゴでも甘みはそれなりにあるので、煮るときには正味量の1割のお砂糖を加えています。試食してみると、全く違う味わいで、紅玉のパイは「ザ・王道」というお味で甘みと酸味のバランスがとても良く、煮崩れしにくい品種なので歯触りも楽しめました。ブレンハイムオレンジは、酸味の中にコクがあってちょっと今まで食べたことがないお味でした。どうしても加熱すると煮崩れてしまい、ジャムっぽくはなってしまうのですが、それはそれでとてもおいしいのです。これだけ個性が強いのも珍しいかもしれませんね。2種類同時に食べるとどちらの良さも分かるのでその違いにびっくりしました。贅沢すぎる…

これに気を良くした私は、せっせとパイだけではなく、パンやケーキを作りまくりました。そんなある日、包丁が握れなくなるほど右手首に激痛が走り病院へ。先月のコラムにも登場したお医者様です。私の手首を見た瞬間「で、何剥いたの?栗はもう終わったんでしょ?柿か?」と言ってきたので「りんごです…お土産にたくさん調理用のりんごもらって…」と話すと、「あのくるくる回して皮剥くのは手首に負担かかるのよ。ここの筋がうんたらかんたら」と。「しばらくすれば治るから、それまでは作るの我慢しようね~。ところで、もらったりんごって紅玉?やっぱりアップルパイには紅玉が一番だよね!りんごと言えば…」と診察は1分で終わり、レントゲンどころか薬すら処方されず、先生の熱いリンゴトーク10分聞いて帰ってきました。その後常備薬のタイガーバームを塗ったおかげなのか先生の言った通り数日後には痛みもなくなりましたが、皆さんも皮を剥くときには割ってから剥くのが良いそうですよ。

さて、久しぶりのレシピはリンゴのパウンドケーキです。息子がお友達に作って持っていけるケーキを教えてほしいと言うので作ってみました。中に入れる煮りんごはお好みで加減してくださいね。今回は生地とほぼ同量入れましたが、ジューシーなケーキになりますよ。
それではまた12月にお目にかかりましょう。

≪りんごのパウンドケーキ≫

【材料】(中型のパウンドケーキ型1個分)
☆りんご 正味300g
☆グラニュー糖 30g
☆ブランデー 大さじ2
☆シナモン 適量 

*小麦粉 120g
*アーモンドプードル 30g
*ベーキングパウダー 小さじ1

・バター 100g
・卵 2個
・グラニュー糖 80g
・バニラエッセンス 少々

【作り方】
① りんごは1センチ角のさいの目状に切って、鍋に☆を入れて中火で汁気がなくなるまで煮て冷ましておく。

② バターをクリーム状になるまでよく混ぜ、グラニュー糖を加えて白っぽくふんわりするまでさらに混ぜる。

③ 溶き卵を少しずつ加え、その都度よく混ぜる。バニラエッセンスも入れて混ぜる。

④ *を合わせてふるい入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜる。

⑤ ①を加えて軽く混ぜ、型に流し入れる。

⑥ 170度に予熱したオーブンで50~60分焼く。
 良い香りがしてきて、竹串を刺して生地がついてこなければ焼き上がり。

⑦ 型から外し、粗熱が取れたら完成。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

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