年初に当たって、椿の苔玉を作ってみました。樹高40㎝程度、3本の枝先にはほんのりと赤味を帯びた蕾が7~8 個、着いていました。花は赤色・一重咲き種で、品種名『三千院の侘助』と命名されていました。
因みに『椿』は1月の『茶席の花』の代表花とされます。菊月(一重筒咲き)、加茂本阿弥(雪白色 一重咲き)、侘助(淡桃色地に濃桃色斑入)、紅妙蓮寺(紅色)、初嵐(白色)、等が、古くからの『茶席の椿花』の代表品種とされています。
寒さ厳しいこの季節に、濃緑の葉先にほんのりと赤い蕾が着いた椿、白一面の雪景色に置いたらいいだろうナァ!・・・思い描きながら、早速、椿の苔玉造りにチャレンジです。下草として三芽ほどのタマリュウノヒゲあしらい、根元を山苔覆い仕上げました。
苔玉に仕立ててみると、3本の直幹が単純に立っているだけの樹形がなんとも心もとなく、不自然に感じました。3本の直幹それぞれに園芸銅線(直径3㎜)をスパイラルに巻き付けて、直幹を右に左にあるいはスパイラルに曲げ、枝振りを整えました。ふくよかな紅色の蕾の『三千院の侘助』椿を、黒褐色の美濃焼皿にのせて居間の一角に誂えました。「ワァ!・・・・・素敵!」、茶の湯に親しむ高齢の女性の眼鏡に敵い、お持ち帰り頂きました。
今から24~25 余年以前の1月、故郷・長崎で茶の湯に興ずる私の母、初釜の席を賑わす茶花が欲しいとの話、20余種の椿の苔玉を送ったことがありました。主として梅芯タイプ『肥後椿』系統でした。初釜茶席は『椿談義』で賑わったとのこと、終わりに招客皆様に『椿の苔玉』をお持ち帰り頂き、喜んで頂いたとのことでした。
椿は純粋な日本生まれの花木です。日本から欧米各国に渡って華やかに品種改良されたものも多く、令和の時代、それぞれの好みや思い出に沿って、『椿』を私たちの生活に取り入れ、楽しんで頂きたいと願っています。
執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
こんにちは、くーこです。
なんと、先日activenoteが10周年を迎えました!おめでとうございます!!
起業して10年、会社を運営し続けることは並大抵なことじゃないと思います。これも、人とのご縁を大切にしてきたRICOさん達だからできたこと。そして私もそのひとりでいられてとてもうれしいです。これからもどうぞよろしくお願いしますね。
さて冬休みが終わり、登校が始まったとたん恐怖のバレンタインデーの話題が息子の口から飛び出しました。このコラムでも話したかもしれませんが、息子はスイーツ男子でお菓子も作ります。それもあって、去年はクラスメイトで同じ部活の女の子たちとバレンタインデーに手作りお菓子を交換しようってことでマドレーヌを作って持っていきましたが、結局欲しい女子が増えてクッキーを焼き、なぜかホワイトデーも催促されてブラウニーを焼き…それを知った校長先生にも「欲しいな~」と言われて持っていきました。今年も去年の再来かと思うと本当に震えます。
というのも、作るのは息子ですが、その息子が作りやすくてかつおいしいお菓子のレシピを教えるのは私です。そして、贈る人数が増えると苦手な食材が複数出てくるので、いろいろな縛りが発生します。今回は、バナナとホワイトチョコは抜いて、常温でも悪くならないお菓子。できればフルーツ系の焼き菓子がいいな。だそうです。
面倒くさがりな母なので「マドレーヌでいいじゃん、去年も好評だったし。簡単だし」と言ったら「別なものがいい。芸がない」と言われ、「クッキー3種類ぐらい作って詰めたら?」と言ったら「クッキーは絶対女子の誰かが作るから避けたい」と言われ、「カステラは?一度にたくさんできるし、おいしいよ?」と言ったら「んー、地味?」と言われてちょっとイラっとしてしまい…(苦笑)
そんな相談を受けてから、レシピサイトをのぞいたりレシピ本を読んだりしていましたが、息子から「この間食事会に持って行ったジャムケーキ食べたいって」と言われたのでそれを作ることにしました。ちなみに食事会とは、校長先生と年1回給食を校長室で食べるイベントです。8人ぐらいのグループで楽しくお話しながら会食するのですが、何回かケーキやパンを校長先生にプレゼントしている間柄なので、その日もケーキを作って保存容器に切り分けて持っていきました。好評だったと話は聞いていたので、そこから出たのかな?
ジャムケーキとはパウンドケーキ生地にジャムを混ぜ込んだもので、簡単にフルーツのフレーバーが付けられるのと、ジャムの保水効果があるのでしっとりとしたケーキが作れます。個人的に好きなのは柑橘系のジャムを混ぜたものですが、生地の半分にベリー系のジャムを混ぜてマーブル模様にしてもかわいいのです。「アイシングしておめかししたらかわいいよね?」という息子。そんな君が一番かわいいよと、内心思いつつアイディアを練ります。パウンド型で焼いて切り分けても良いけれど、マフィン型の底にオレンジの輪切りをあしらってアップサイドダウン風でもかわいいなとか。どうせ作るなら、心躍るお菓子にしたいですよね。
そういえば、去年も女子達に「○○(息子)に女子力負けた!くやしい!!」とかあれこれ言われながらも「バレンタインに男子からもらえるのっていいよね」と言っていたそうなので、息子には頑張って作ってもらおうと思います。
それではまた来月にお目にかかりましょう。
・グラニュー糖 110g
・無塩バター 100g
・卵 3個
・ジャム 90g
・はちみつ 10g
・☆をあわせてふるっておく。
・オーブンを170℃で予熱しておく。
① ボウルにバターを入れてクリーム状になるまでヘラで混ぜる
② グラニュー糖を3回に分けて入れながら泡立て器で白っぽくなるまでよく混ぜる
③ 溶いた卵を少しずつ入れて、その都度よく混ぜる(分離させないため)
④ ジャムとはちみつを加えてなじむまで混ぜる
⑤ ☆を入れて粉気が無くなるまでヘラで切るように混ぜる
⑥ 型に流し入れたら表面をならして、170℃で50分前後焼く(型が小さい場合40分ぐらい。様子を見ながら焼いてください)
⑦ 粗熱を取ったら、ラップを巻いて1日寝かして完成。お好みでアイシングかけたりしてください
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
昨年末から新年にわたって、クロマツ、アカマツ、ウメ、ミリオンバンブー、マンリョウ、センリョウ、ヒャクリョウ、ヤブコウジ等の苔玉を作った。いずれも新年を寿ぐ縁起物として多くの人々に慶んで頂いた。
これらの植物は、ポットに植え付けてあるそのままの形では鑑賞に値しない場合が多い。針金当を使って、自在に樹形を整える・・・あるものは枝振りをスパイラルに曲げたり、クロマツの枝をそ馴松「磯馴松」に見えるように枝を大きく曲げたりと、加工した。マンリョウ、センリョウ、ヒャクリョウ類は、一本立ちでポットの中心にポツンと味気なく立っている。右に左に、また前や後ろに自在に枝を針金で誘引して枝振りを整えた。
出来上がった苔玉たちを見て、「盆栽苔玉みたいだなぁ」と、若い人たちに人気を博した。単に園芸用銅線で樹形を整えただけのことであったが、若い人たちの園芸に対する心眼に触れ、園芸愛好家として嬉しくなりました。さしずめ、「カジュアル盆栽」とでも位置づけられそうです。
植物への銅線針金かけには、細かい配慮が欠かせません。葉を巻き込まないように上手に針金をあてがったり、枝分かれ部分には支線の針金をあてがったり、また、針金の頂上をどこで打ち止めにするものか・・・アレコレ悩みながら針金巻きにチャレンジです。時折、無理を承知で針金掛けして、ポキンと大事な枝を折ってしまうこともあります。
そんな苦労の結果、思いのままの枝振りに仕上がった苔玉たちが出来上がったときは、心から嬉しくなります。古くから伝わる園芸技術を、広く伝承していきたいと願っております
執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。おかげさまで、ActiveNoteは10周年を迎えることができました。これもひとえに皆さまのご支援の賜物と深く感謝しております。
昨年は、コロナ禍の収束に伴い、苔玉教室(苔玉ワークショップ)を以前のようにたくさん開催できるようになりました。「緑の苔玉」を通じて、多くのお客様と直接触れ合うことができ、皆さまの笑顔に出会えたことは、私たちにとって何よりの励みとなりました。この場をお借りして、改めて厚く御礼申し上げます。
一方で、苔の採取を担ってくださる園芸の先輩方の高齢化や、物資調達や運搬費の高騰といった課題に直面した一年でもございました。事業の維持には困難を感じる場面もございましたが、皆さまからの温かい応援が大きな支えとなりました。
本年も、皆さまの暮らしに緑の彩りを添え、癒しと潤いをお届けできるよう、スタッフ一同努力を重ねてまいります。引き続きご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
皆さまにとって、本年が健やかで実り多い一年となりますことを、心よりお祈り申し上げます。
2025年 元旦
ActiveNoteスタッフ一同
こんにちは、くーこです。こちらも12月に入りぐっと冷え込んでまいりました。そうなると、家族からおでんコールがあがります。寒い外から帰ってきて、熱々のおでんとコーラが至福なんだそうです(我が家は全員アルコールが苦手)。えぇ、その気持ちは分かります。分かります…
ただですね、料理するのが好きな私の中で、できればあまり作りたくない料理ベスト5に入るぐらい避けたい料理だったりするのです。
理由その①
材料費が高い。練り物が良い感じに食費を上げてくれちゃいますよね。うちの場合、ごぼう巻きはマストで3パックは絶対入れてほしいと言われ、これだけで600円…。なんだかんだで、普段の食費の倍はかかってしまうかも。
理由その②
野菜が少ない。野菜はたっぷり摂りたい派ですが、おでんに入れる野菜って大根ぐらいですよね。一度トマトを入れたことがあったのですが、全部がトマト味になってしまったので、それ以降は無しになりました。
理由その③
ものすごーく手間ひまがかかる。これが一番の理由なのですが、おでんって時間をかけて作る料理なのです。本気で作ると朝すぐに調理を始めて、鍋に火をかけたり消したりすること数回。あっという間に夕方に。なので、本当に何も用事がない日ではないと作れないです。
と、いろいろ理由を書いてみましたが、冬の間に2回ぐらいはおでん祭りを開催しています。その時は一度にたくさん仕込んだ方がおいしいので、寸胴鍋に2日は楽しめる量を作ります。そのためのおでん汁はだいたい5~8Lぐらい。市販の汁を使っても良いのですが、鍋に水入れて鶏手羽と出汁パックを6個ぐらい入れて塩とオイスターソースを適当に入れたもので煮ています(練り物から塩分が出るので、ちょっと薄いぐらいがちょうど良いです)。出汁パックは取り出さずに、そのまま具材と一緒に煮てしまいます。
そして、野菜が少ない問題ですが、今回家にあった里芋と蓮根を入れてみたらこれが大正解!蓮根は繊維に沿って縦切りにしたサクサクした歯ざわりを楽しめるものと、繊維に垂直に厚めに切ってほくほく感が出るようにした半月切りのものを2種類用意してみました。里芋は皮を剥いて適当な大きさに切っておきます。両方とも水から15分ぐらい下茹でしてから鍋に入れます。
大根も米のとぎ汁で下茹でしておきます。こんにゃくは隠し包丁を入れてアク抜き済みでも下茹ですると臭いが汁に移らなくて良い気がします。練り物は揚げてあるものは熱湯をかけて油分を流してから入れてあげましょう。ここまでやったら、鍋を火にかけて弱火で30分煮たら火を止めて冷めたらまた30分煮て…を数回繰り返します。この時、絶対に鍋に蓋をしてはいけません。沸騰もNGです。マンガ「天体戦士サンレッド」に登場する(一応)悪役で、私が敬愛しているバンプ将軍が「汁が濁るから絶対にダメ!冷める間に味がしみこむからね」って言っているので、これを忠実に守ります。
コトコト煮込んだら、食べる30分前にちくわぶと餅巾着とはんぺんを入れて、弱火で煮たらできあがりです。
じゅわっじゅわに染みた具に和がらしを付けて食べるのも良いですが、田楽のように甘味噌をつけて食べるのも好きです。今の時期だと柚子を散らしてもおいしいですね。
ただ、白いご飯のおかずにならないって言われることもあるおでん。これだけ手が込んでいるのにおかずにならないと言われるのは悲しいので、私は毎回茶飯をお供に出しています。お米に醤油とお酒を入れて炊いたご飯なのですが、これがおでんに合うのです。そのまま食べるのも良いですが、お酒と一緒に楽しむ方は〆として茶飯におでん汁をかけてお茶漬け風がおススメです。出汁がすごく効いているので楽しまないのはもったいないですよ。我が家ではこのお茶漬けがポーションと呼ばれているぐらい人気だったりします。
おでんは作るまでが大変ですが、たくさん作ってしまえば食べ終わるまでは楽できます。汁さえあれば、具を足してエンドレスに楽しめます。大みそかに作っておけば、お正月何も作らなくて済むかも?
今年も1年ありがとうございました。皆様良いお年をお迎えください。
また来年、お目にかかりましょう。
☆醤油 大さじ2と1/2
☆酒 大さじ2
② 炊飯釜に①と☆を入れて、水を3合分のメモリまで入れたらよく混ぜる
③ 普通モードで炊飯したらできあがり
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。