つくばで食べる・つくる・育てる Vol.33『紅玉でタルトタタン 』

つくばで食べる・つくる・育てる
10月のテーマ「紅玉でタルトタタン」

 こんにちは、くーこです。

朝晩少し肌寒くなってきましたね。最近、セブンイレブン系列のお店で売っている「秋冬限定シュガーバターの木 焼きりんご味」にはまっています。ザクザクとした生地に、カスタードアップルのようなショコラがサンドしてあって、焼きリンゴというよりアップルパイです。日持ちもするし、すっごいおいしいし、最高すぎる!ということで、お店に行くと常に3袋は買ってしまいます。秋冬だけではなくて、通年で販売してくれないかなぁと、もぐもぐしながらひそかに思う今日この頃です。

 9月にいつも購入している長野の小布施屋さんから訳ありリンゴの案内がありました。ここ数年はブラムリーアップルを購入していたのですが、久々にタルトタタンでも焼いてみようかと思い、煮崩れしやすいブラムリーではなく初めて紅玉をポチリ。10月の初めに小ぶりで真っ赤な紅玉が届きましたよ。訳ありなので、多少傷がついていたり凹んでいたりしましたが、皮をむいてしまえばきれいな果肉が出てきます。まずはそのまま食べてみます。うん、酸味は強いけれど瑞々しくて爽やかな甘みがあって、生食でも十分おいしいです。これならタルトタタンにしてもおいしいはず!期待は高まります。

 タルトタタンは作ってすぐは食べることができないので、食べたい前日に焼きますよ。市販のパイ生地でもおいしくできますが、材料さえそろえば5分ぐらいでできるので、サクッと作ります。生地ができたらいよいよ紅玉の登場です。18cmのマンケ型に対して6個使います。4つ割りにして、キャラメルとあえて、グラニュー糖を追加して45分前後弱火で煮ていきます。時間はかかりますが、割と簡単です。今まで失敗したこともないので、鼻歌歌いながら作っていたのですが、15分経った辺りから雲行きが怪しくなってきました…煮崩れてきたのです。「え?なんで??」火加減はOKだし、リンゴを重ねてもいないし。原因が分からないまま作り続け、半分はジャム状のものになってしまいました。後日、もう一度作ってみても結果は同じ。紅玉よ、あなたは煮崩れしにくいのではなかったのですか?ウィキペディアにだって煮崩れしにくいって書いてありますよ…

 それから原因を調べましたよ。まずは手持ちのレシピでタルトタタンが載っているものを全て確認してみました。そしたら、紅玉使っているパティシエさんが誰一人としていなかったんですね。皆さん「ふじ」を使っていました。ふじは煮崩れしにくい堅めの果肉と、酸味と甘味のバランスが良いそうです。気にしないで読んでいた時は手軽に手に入るからかな?ぐらいにしか考えていませんでしたが、そうではなさそうです。

そして、リンゴ農家さんのブログに答えがありました。

「早生リンゴは煮崩れしやすい」。紅玉も早生品種の1つです。なので、プロは紅玉ではなくふじを使うとも書かれていました。なるほど!!さっと火を通すアップルパイのフィリングならシャキシャキ感もあって良いのかもしれないですが、じっくり火を通すタルトタタンには確かに向いてないですね。理由が分かってすっきりしました。

ちなみに、今までタルトタタンを作る時には同じ小布施屋さんから取り寄せていた「春紅玉」や「ピンクレディー」と1月下旬から出回るものを使っていました。こちらも酸味が強い品種でお菓子作りに向いているものです。こうなったらこの冬も取り寄せて、今度こそ完璧なタルトタタンを作りたいものです。ただ、見た目は少し残念だっただけで、味はとってもおいしかったことはお伝えしておこうと思います。

レシピですが、最近の心の師であるemojoieさんのタルトタタンを参考にして作っているので、そちらをご覧になってくださいね。それでは!


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

LINEで送る
Pocket