【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.52『季節のお仕事~ジャム編~』

つくばで食べる・つくる・育てる
5月のテーマ「季節のお仕事~ジャム編~」

 こんにちは、くーこです。ゴールデンウイークあたりから急に暑くなってきましたね。毎年直売所で小粒のいちごが出るこの時期に、1年分のいちごジャムを仕込んでいます。今年もバランスの取れた「とちおとめ」と香りが素晴らしい「べにほっぺ」の合わせて4㎏分作りましたよ。

ジャムはもともと春から夏に旬を迎えるフルーツを冬にも食べられるようにと作られた保存食で、「押しつぶす」って意味なんだそうです。果実をつぶして砂糖で煮たものってことですね。今は保存食というより、すてきな朝食を彩るアイテムになっています。私もいちごの他に、ブルーベリー・桃・いちじく・マーマレード・キウイフルーツ等、何か手に入ると作って保存しています。と言っても、実家の両親が食べる用なのですが。実家の朝食はアメリカンブレックファストなので、ジャムをその日の気分で2種類程選んでテーブルに並べているようです。ちょっとリッチな気分になるらしいですよ。
そんな私が作るジャムはお砂糖が少なめです。通常のレシピだとだいたい果物の量に対して50~100%の砂糖を使うのですが、私は20~30%です。例外で柑橘系は70~100%していますが、果物の風味やフレッシュ感が出るのはこれぐらいと作り続けて出した数字です。スッキリした味で甘さが舌に残らないと、意外と子ども達からも人気なんです。

ただ、砂糖が少ないと保存には向かないので、冷凍保存にしています。小分けにしておけば食べ切りで食卓に出せるのでおすすめです。
そして、もうひとつ作る時に大事にしていることなのですが、砂糖を最初から入れないってことです。作ったことのある人なら分かると思いますが、お砂糖を果物にまぶして水分を出してから煮るレシピが多いですよね?それだと、長時間煮ているうちに砂糖がキャラメル化したり、果物の色が飛びやすいので、私はアクを取りつつ最初は弱火で果物だけを煮て水分を引き出して、ぐつぐつ煮えてきたら中火にして、ヘラで混ぜた時に少しなべ底が見えたらお砂糖を入れてその後いっきに煮上げます。市販品はだいたい105℃まで温度を上げて仕上げているようなのですが、硬いテクスチャーがあまり好みではないので、103℃ぐらいのややゆるいくらいで火を止めています。自分の好みにできるのが手作りの良いところですよね。

シンプルに果物とお砂糖だけで作るのもおいしいですが、フランス等ではハーブやリキュールで香り付けしたり、果物×果物でより複雑な風味を出したりしています。以前、バリ島のホテルで出てきたいちごジャムはバニラが入っていて素晴らしくおいしかったです。ここで私も組み合わせに開眼して、お酒やスパイスを入れたり、お砂糖もスッキリさせたいときにはグラニュー糖、こっくりさせたいときには上白糖やきび砂糖にはちみつと、その時の気分でいろいろ入れています。今回は国産のレモンが手元にあったので加えてみたら、いちごの甘い香りの中に爽やかなレモンの香りがちらりとのぞく初夏にピッタリなジャムができました。この記事が出る頃にはいちごも終わり、他のベリー系が売り場をにぎわせてくれるので、ぜひおうちで楽しんでみてください。
それではまた、6月にお目にかかりましょう。

≪いちごとレモンのジャム≫

【材料】(小瓶3個分)
・いちご 1㎏ 
・グラニュー糖 200g 
・レモン 1個 
・白ワイン 100ml

【作り方】
準備:いちごは大きければ4つ割にする、小粒ならそのままでもOK
レモンは薄く皮を剥き千切りに、果汁を1/2個分絞り出しておく

① 小鍋に水とレモンの皮の千切りを入れて、沸騰させて茹でこぼしておく

② ステンレスか琺瑯の鍋にいちごと白ワインを入れて弱火で煮る

③ グツグツしてきたら中火にしてアクを取りながら水分を飛ばしていく

④ ヘラで混ぜてなべ底が見えてきたら一気にグラニュー糖を入れる(ここまでで20~30分)

⑤ ①とレモン汁も入れてアクを取りながら煮ていく。103℃か氷水に浮かべた小さ目なボウルに少し取って冷まして、好みのとろみになればできあがり


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

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