【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.59『 おでん雑感』
つくばで食べる・つくる・育てる
12月のテーマ「おでん雑感」
こんにちは、くーこです。こちらも12月に入りぐっと冷え込んでまいりました。そうなると、家族からおでんコールがあがります。寒い外から帰ってきて、熱々のおでんとコーラが至福なんだそうです(我が家は全員アルコールが苦手)。えぇ、その気持ちは分かります。分かります…
ただですね、料理するのが好きな私の中で、できればあまり作りたくない料理ベスト5に入るぐらい避けたい料理だったりするのです。
理由その①
材料費が高い。練り物が良い感じに食費を上げてくれちゃいますよね。うちの場合、ごぼう巻きはマストで3パックは絶対入れてほしいと言われ、これだけで600円…。なんだかんだで、普段の食費の倍はかかってしまうかも。
理由その②
野菜が少ない。野菜はたっぷり摂りたい派ですが、おでんに入れる野菜って大根ぐらいですよね。一度トマトを入れたことがあったのですが、全部がトマト味になってしまったので、それ以降は無しになりました。
理由その③
ものすごーく手間ひまがかかる。これが一番の理由なのですが、おでんって時間をかけて作る料理なのです。本気で作ると朝すぐに調理を始めて、鍋に火をかけたり消したりすること数回。あっという間に夕方に。なので、本当に何も用事がない日ではないと作れないです。
と、いろいろ理由を書いてみましたが、冬の間に2回ぐらいはおでん祭りを開催しています。その時は一度にたくさん仕込んだ方がおいしいので、寸胴鍋に2日は楽しめる量を作ります。そのためのおでん汁はだいたい5~8Lぐらい。市販の汁を使っても良いのですが、鍋に水入れて鶏手羽と出汁パックを6個ぐらい入れて塩とオイスターソースを適当に入れたもので煮ています(練り物から塩分が出るので、ちょっと薄いぐらいがちょうど良いです)。出汁パックは取り出さずに、そのまま具材と一緒に煮てしまいます。
そして、野菜が少ない問題ですが、今回家にあった里芋と蓮根を入れてみたらこれが大正解!蓮根は繊維に沿って縦切りにしたサクサクした歯ざわりを楽しめるものと、繊維に垂直に厚めに切ってほくほく感が出るようにした半月切りのものを2種類用意してみました。里芋は皮を剥いて適当な大きさに切っておきます。両方とも水から15分ぐらい下茹でしてから鍋に入れます。
大根も米のとぎ汁で下茹でしておきます。こんにゃくは隠し包丁を入れてアク抜き済みでも下茹ですると臭いが汁に移らなくて良い気がします。練り物は揚げてあるものは熱湯をかけて油分を流してから入れてあげましょう。ここまでやったら、鍋を火にかけて弱火で30分煮たら火を止めて冷めたらまた30分煮て…を数回繰り返します。この時、絶対に鍋に蓋をしてはいけません。沸騰もNGです。マンガ「天体戦士サンレッド」に登場する(一応)悪役で、私が敬愛しているバンプ将軍が「汁が濁るから絶対にダメ!冷める間に味がしみこむからね」って言っているので、これを忠実に守ります。
コトコト煮込んだら、食べる30分前にちくわぶと餅巾着とはんぺんを入れて、弱火で煮たらできあがりです。
じゅわっじゅわに染みた具に和がらしを付けて食べるのも良いですが、田楽のように甘味噌をつけて食べるのも好きです。今の時期だと柚子を散らしてもおいしいですね。
ただ、白いご飯のおかずにならないって言われることもあるおでん。これだけ手が込んでいるのにおかずにならないと言われるのは悲しいので、私は毎回茶飯をお供に出しています。お米に醤油とお酒を入れて炊いたご飯なのですが、これがおでんに合うのです。そのまま食べるのも良いですが、お酒と一緒に楽しむ方は〆として茶飯におでん汁をかけてお茶漬け風がおススメです。出汁がすごく効いているので楽しまないのはもったいないですよ。我が家ではこのお茶漬けがポーションと呼ばれているぐらい人気だったりします。
おでんは作るまでが大変ですが、たくさん作ってしまえば食べ終わるまでは楽できます。汁さえあれば、具を足してエンドレスに楽しめます。大みそかに作っておけば、お正月何も作らなくて済むかも?
今年も1年ありがとうございました。皆様良いお年をお迎えください。
また来年、お目にかかりましょう。
≪茶飯≫
☆醤油 大さじ2と1/2
☆酒 大さじ2
② 炊飯釜に①と☆を入れて、水を3合分のメモリまで入れたらよく混ぜる
③ 普通モードで炊飯したらできあがり
執筆者紹介: くーこ さん
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。