【コラム】苔玉に寄せて Vol.114~産地で見る植物たちを苔玉に!

買い物がてら、近所のホームセンターへ出掛けました。園芸生モノ売り場の一角に、4寸鉢に植えられたビカクシダ(コウモリラン)を見かけました。1鉢580円、苔玉に仕立てて、パソコンデスク回りに置きたいナァ、ついつい手が出ました。

自宅に持ち帰って机上に置き、一風変わった緑葉の様相を見る、嬉しくなってきました。60余年以前、大学2年生の頃、下宿部屋の一端にコウモリランを吊り鉢して眺めたことを懐かしく想い出します。「イヤァー、また会えたナァー!」・・・・・

よし、吊り仕立ての苔玉に作ろう・・・・・コウモリランの苔玉造りは先月に書きました。
苔玉に仕立てる植物を探して園芸植物の産地、園芸店、ホームセンター等を歩くのは楽しいことです

『これは、苔玉にピッタリ・・・見―つけた!』ときは、宝物を見つけた感覚です。過去・50余年、苔玉に仕立てる植物材料を探して全国を歩きました。苔玉等、園芸の本質は「園芸生モノ」を知り抜くことにあると思います。園芸生モノを真に理解・熟知するためには、植物それぞれに異なる「産地を歩く」ことも重要です。まずは、近辺にある産地を歩くことによって、研ぎ澄まされた園芸愛好家の目で見ること、さすれば、思いもよらない素晴らしい植物にぶつかることでしょう。

 さてコウモリラン君! しばらくの間は私のデスクライフを見ていて下さいねぇ!

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。

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