【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.73 『あんこう鍋を作ってみた』

つくばで食べる・つくる・育てる
1月のテーマ「あんこう鍋を作ってみた」

 明けましておめでとうございます、くーこです。

大寒波が日本列島を襲っていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。SNSでは「太陽神の松岡修造さんが日本にいないせいでとてつもなく寒い説」が流れているようです。どうやら全豪オープンテニスに行っているみたいですね。

 こんな寒い日には夕飯の献立がお鍋になりがちじゃないですか?
我が家は水炊きか、たっぷりの千切り野菜と地元のブランド豚「ローズポーク」でしゃぶしゃぶにすることが多いです。水炊きは時間がある時に骨付き肉からスープを取って作るので、〆のうどんやラーメン食べたさに作っている気もします。

 「おいおい、茨城と言ったらあんこう鍋じゃないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、海沿いに住んでいる茨城県北の人じゃなければほぼほぼ食べたことがないのではないかと思っています。現に、生まれも育ちも茨城人を半世紀以上やっている夫もあんこう鍋を食べたことがありませんでしたし、なんなら茨城北部の海沿いで育った父も食べたことがないそうで、私も職場にいた東京出身の方に「あんこう鍋食べてみたい」と言われて一緒に食べに行ったのが初めてでした。

そしてこの年末、我が家にあんこう鍋セットなるものが届きました。夫の会社の福利厚生の一環で、お歳暮カタログギフトから好きなものを30分以内で今すぐ選べと迫られたそうで、一度食べてみたかった「大洗直送あんこう鍋セット」をチョイスしたのだとか。年末のものすごく忙しい時に、作ったこともない未知なる食材を目の前にして途方にくれたのは言うまでもありません。同封されたレシピを見ると霜降りして、ぬめりや血を洗ってきれいにしてから調理がスタートすると書いてありました。既に心が折れそうです。

ここで簡単にアンコウの紹介をしましょう。

アンコウはアンコウ目・アンコウ科の魚の総称で、食用になるのは主にキアンコウとクツアンコウだそうです。茨城県沖で水揚げされるのはキアンコウが多く、よく吊るし切りにされているのを見ます。そして食用になるのはメスのみ。これはオスが成長しても20cmにしかならないからです。メスは1m以上なのに、オスは非常に小さいですね。旬は11月から3月頃の寒い時期で、産卵を前に肝や卵巣が肥大して脂も乗るからなんだそう。逆に夏は肝が小さくなって味が落ちるらしく、夏のアンコウは食べないと言われています。しかし今は冷凍技術が発達しているので、おいしい時期のアンコウが夏でも食べることができるそうです。

ここで届いたアンコウを見てみると、たぶん「アンコウの七つ道具」と呼ばれる身・肝・皮・胃袋(水袋)・エラ・ヒレ・卵巣がカットされて冷凍されています。見た目だけでは詳しい部位は分からないのですが、それぐらい種類が入っています。これを解凍して、軽く湯がいて掃除したら汁で煮込んでいきます。汁はしょうゆベースでも良いのですが、茨城県ではあん肝を炒めて味噌ベースで味付けしたいわゆる「どぶ汁」が一般的です。名前がちょっと…と思いますが、由来は諸説あり濁った汁がどぶろく(濁酒)に似ているからとか、「どぶ=全て」という意味があり、骨以外捨てる部分がないアンコウを使うからとも言われています。今回はあん肝が同梱されていたので、どぶ汁仕立てにしてみました。

汁ができてしまえば、アンコウを煮て、アク取って、野菜を入れて柔らかく煮えたら食べごろです。書くと簡単ですが、下ごしらえからここまで1時間半かかりました。手際よく作ればもっと早く作れるはず。

肝心なお味ですが、アンコウの身は淡白ながらぷりぷりとしていて食べ応え十分。内臓もコリコリしていて楽しい食感です。あっさりしている分、味噌やあん肝のコクがとても合います。〆の雑炊までしっかり食べて大満足。やっぱり冬のお鍋はこっくりとした味が温まって良いですね。

初あんこう鍋に夫も息子もご満悦の様子です。

ただ、二度と家では作らないと思います。作る手間と3日間ぐらいあんこう鍋のにおいが家を占領していたことが理由です。なので「次からはお店で食べよう!」と宣言しました。大洗から福島のいわきにかけておいしいアンコウ料理を食べさせてくれるお店がたくさんあるので、皆様も冬の観光がてら食べに来てはいかがでしょうか。あん肝ラーメンとか変わり種の料理もあるそうですよ。ちなみに私はあんこうの唐揚げが好きです。

それではまた2月にお目にかかりましょう。


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

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