【おうち Moss Café – 果実とその花 編】Vol.35 福来みかんの琥珀糖・みかんの花
1月のおすすめ
「福来みかんの琥珀糖・みかんの花」
もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの緑と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。
こんにちは、店員くーこです。
もうすぐ今年も終わりですね。一応、今回から1月号になるので、ここでテーマを変えてみました。
2019年は「果実」に注目してみようと思います。果樹の花もかわいいものが多いので、併せて紹介したいなと。
第1回目は、自生は私の住む地元にある筑波山でしかないと言われている「福来(ふくれ)みかん」です。
みかんと言っても、私たちが良く食べる温州ミカンとは違い、お雛様に飾られる「橘」に分類される種です。橘の中では最も味が良いと言われ、大きさは3~4cmと小さく、さっぱりとした風味です。温州ミカンに慣れていると、酸っぱいし、種も多いと嫌がる人もいるのですが、癖になるという人も。実は、果実より乾燥させた福来みかんの「皮」の方が貴重なんです。七味に入っている陳皮が福来みかんの皮になると高級品になるらしいですよ。ただ、生の皮はかなり苦いので、加工が難しいです。
今回はさっぱりとした果汁と粉末にした乾燥皮を加えた「琥珀糖」を作ってみました。
本来は夏のお茶会に出される和菓子なのですが、乾燥させて作るのと、宝石みたいにキラキラして華やかなので、今の時期にぴったりなんです。食感は、表面に浮いた砂糖衣がシャリッとして、中はプリッとしています。
コツは、必ず糸寒天(天草)を使うこと。粉末寒天は海藻の種類が違うので、透明度と成功率が下がります。果汁は寒天液が人肌に冷めたら入れること。寒天は酸に弱いので、温かいうちに入れると固まりません。
固まったら、包丁で切ってもよし、ちぎってもよし、好きな形にカットしてください。乾燥させるときは、野菜干しネットを使うと早く出来上がりますが、ない人はザルやオーブンペーパーをかぶせてもできますよ。1週間くらい干せば完成です。
柚子で作ってもおいしいですよ。
かわいらしいお茶請けとともに、良い新年をお迎えください。
福来みかんの琥珀糖
・糸寒天 3g
・グラニュー糖 175g
・水 100㏄
・果汁 大さじ1
・福来みかんの粉末皮 2つまみ
(柚子皮の場有は、1/2個分すりおろし)
<準備>
・型を水でぬらしておく。
・糸寒天は3等分ぐらいに切って、10時間以上たっぷりの水につけておく。
・果汁と皮は合わせておく。
* * * * * * * *
鍋に分量の水と水気をよく絞って寒天を入れて、中火で煮溶かす。溶けたら、そこから3分ほど煮る。
弱火にして、①にグラニュー糖を一気に入れて軽く混ぜ、木べらですくって糸を引くようになるまで10分ほど煮る。
煮る間は混ぜない(結晶化が早まり、ジャリジャリになってしまう)。焦げ付かないように火加減に注意。
煮詰まったら、人肌まで冷まし、果汁を入れてよく混ぜ、型に入れて冷やす。
固まったら、カットし、オーブンシートの上に並べて、5日前後乾燥させる。周りが結晶化していたら完成。
橘の花
育てやすさ: ★★
ミカン科ミカン属の常緑低木で、日本固有種。5~7月に開花。星形の白くかわいらしい花をつける。古事記、日本書紀には不老不死の霊薬として書かれていて、ここから「右近の橘」とされたらしい。現在の京都御所の紫宸殿でも、その名残を見ることができる。
花言葉は、「追憶」「永遠」。
執筆者紹介: くーこ さん
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。