つくばで食べる・つくる・育てる Vol.6 『ルバーブ』
つくばで食べる・つくる・育てる
6月のテーマ「ルバーブ」
こんにちは、くーこです。
アジサイの花があちらこちらで彩り始めると、6月になったんだなぁと感じます。私の子供の頃は、普通のアジサイか、ガクアジサイぐらいしかなかった気がしますが、今は八重やグラデーションがかかったもの、真っ白でピラミッド状に花をつけるカシワバアジサイなど、種類も多くて見ているとウキウキしてきます。
つくば周辺では、ハーブを育てている農家さんが多いようで、直売所で安く手に入れることができます。この時期のお目当ては「ルバーブ」。フキのような風貌で、茎が赤いのもあります。この辺りでは、ほぼ緑の物しか見かけません。採れるのは4月から6月くらいまでと短く、初夏にぴったりの酸味が特徴。ヨーロッパではジャムやコンポートなどで親しまれていますが、日本ではまだまだメジャーな植物ではなさそうです。おそらく、長野や北海道など寒冷地でないと上手く育たないのが理由ではないかと。
私がこの植物を知ったのは今から20年以上前のこと。どうやら絶版してしまった愛読書、「ドイツお菓子物語」という本からでした。著者の曽我尚美さんのドイツ滞在記とレシピがかわいらしい絵と共に書かれています。その夏の章の一文「夏のデザートとして(中略)ラーバーバー(ルバーブ)といってふきの赤くなったようなものを甘く煮たものなどを生クリームを添えていただく。」を読んでから、食べてみたい欲が高まります。しかし、手に入れる手段もなく、味の妄想をしつつ5年の歳月が流れました。
そんなある日、直売所の片隅にルバーブを発見します。きっとチャレンジ大好きの農家さんが作ってくれたのだろうと、心の中でライオンキングのテーマを流しつつ盛大な感謝をして購入しました。レシピはないので、知識総動員で作ってみると、フキの仲間だけれど加熱に弱く、ドロドロになるので筋は取らなくてよいことや、思った以上にすっぱいことなど分かりました。コンポートにしてお菓子に入れたり、シロップを炭酸で割ったりしてみましたが、個人的にはジャムにして、ヨーグルトやチーズに合わせるのが好きです。
実のところ、妄想以上の味にはなりませんでしたが、毎年ルバーブを見かけると、農家さんへの感謝と酸味を求めてジャムを作ります。
ルバーブジャム(作りやすい量)
・ルバーブ 300g
・グラニュー糖 90g
・白ワイン 30ml
① ルバーブは1cm幅でざく切りにして、グラニュー糖と合わせて1時間置く
② ステンレスか琺瑯製の鍋に①と白ワインを入れて、中火にかける
③ アクが出たらすくって、鍋底が見えるくらいとろみがついてきたらできあがり
ルバーブ
タデ科ダイオウ属、和名はショクヨウダイオウ。見た目はフキでも、葉は大量のシュウ酸やその他毒性のものが含まれているので、食べるのはNG。茎はカルシウム、カリウム、マグネシウム、ビタミンCが豊富。しかし、茎にもシュウ酸があるので、痛風や石持ちの人は控えたほうが良さそう。そして、子宮収縮作用や下痢を引き起こすこともあるので、妊婦さんや授乳中の方は摂取しないでくださいね。
執筆者紹介: くーこ さん
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。