【苔玉に寄せて】Vol.79~親子、苔玉教室!
親子、苔玉教室
夏休みに入って間もなく、「親子で苔玉教室」を開催しました。
父子・母子それぞれに11組22人の方々の参集がありました。お子達は小学1年生から中学生までの様々な面々で、楽しく賑やかな苔玉教室となりました。
アジアンタム、スパティフィラム、テーブルヤシ、ホンコンカポック、パキラ、ツデーシダ等のミニチュア観葉植物の中から、それぞれの好みで選別、京都産の山苔で苔玉に仕上げていきました。苔玉に仕立てる作業工程の中、子達といろいろな会話を重ねることとなりました。植物に対する新鮮な喜び・驚き・疑義・思い、そして植物に対する純粋な愛情に触れることができました。
珍しい観葉植物から好みの植物を選ぶ楽しみ、どんな花が咲くのだろうか・・・?との単純な疑義と期待、そんなに苔や植物の根を糸で締め付けては息苦しそうで可哀そう・・・!という植物に対する思いやり、柔らかい肌触りの苔の感触・驚き、苔や植物達には常に水を遣らなければ・・・との実感、等々、思いの程は多様でした。

出来上がった苔玉
幼い手先で一生懸命で真剣に苔玉を作る作業姿には、脱帽、敬服しました。四苦八苦、苦労に苦労を重ねて作り上げたそれぞれの苔玉を、たっぷり水に浸して美濃焼の小皿にのせ鑑賞する顔、そして出来上がったそれぞれの「私の苔玉」に接する愛おし気な面持ち、幼いながらも素直に満足気な喜びの様子でした。
真剣な面持ちで幼い子達や中学生達の苔玉を作っていく作業姿に触れ、彼らのまことに純粋な植物への思い、驚き、疑義、そして愛おし気な態度に触れて、植物への思いを再認識させられたことでした。
執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。