つくばで食べる・つくる・育てる Vol.34『珍味・山ぶどうをもらいました』
つくばで食べる・つくる・育てる
11月のテーマ「珍味・山ぶどうをもらいました」
こんにちは、くーこです。
このコラムが出る頃には二十四節気の「小雪」を迎えているのですが、つくばは日中暖かでセーターの出番がありません。それでも朝の通学時は息も白くなってきて、息子は手袋をするようになりました。そして既に片方なくしました…なんて、別のママさんにお話しすると、「うちはこの短期間で2回無くした!」なんて仰っていました。小学生男子の冬あるあるですね。苦笑いしながら歩いていると真っ白な椿が咲いていて、静かに冬が来ていることを実感した今日この頃です。
先月、同じ市内に住む友人から「山ぶどうを摘みませんか?」とお誘いがあり、親子でお邪魔してきました。2年前からご主人のご実家から株分けしてもらった山ぶどうを育てていて、更に今年は株を増やしてお庭のフェンスに這わしてたくさん実をつけたそうです。良い機会だから皆で摘んでしまおうってことで、ボウルとキッチンバサミをお借りして房ごとカットしていきます。実の大きさは小ぶりのブルーベリーくらいで、普段食べているぶどうの様にぎっしり房に付いているわけではありません。子ども達は早々に飽きてしまい、大人だけで30分取り続けました。ボウルに山盛り2つ。達成感ありますね。
ただ、この山ぶどう、本当に酸っぱい!ちょっと生食には向かないのではないかと思うぐらいなんです。天然のものや、プロの栽培したものを食したことがないので本当は甘いのかもしれませんが、子どもはおろか栽培している張本人も手に余る品だそうで…「お義父さんは珍味だって言うんだけれど、珍味すぎてどう食べて良いのか分からないから、くーこちゃん何か作って!全部あげるから!!」と言うので、全てもらって帰ってきましたよ。ちなみにそのお義父さんはつぶしてジュースにして飲んでいるそうです。
善は急げと、軽く洗って房から食べられる実だけを取り分けると700gありました。これだけあるといろいろできそうだったので、500gと200gに分けてジャムとジュースと前からやってみたかった天然酵母液を作ることにしました。酵母液から生種を作って、天然酵母パンを作ってみるつもりです。
まずは天然酵母作りから。
ジッパー袋に200gの実と砂糖小さじ1と水100ml程入れてもみもみしてから、煮沸消毒しておいた瓶に詰めて常温に放置。1日1回かき混ぜて空気を入れてあげて、3日もすればシュワシュワと発泡し、オリが沈むと完成です。5日後ぐらいにできました。このままだとワインになってしまい、酒造法に引っかかってしまうらしいので濾して瓶詰して冷蔵庫で保管します。それで成功したかと聞かれれば、答えは否です。酵母を育てるために水道水はNGということは知っていたのですが、家にあったアルカリイオン水を使ってしまい、イマイチ弱い酵母液になってしまいました。酵母は酸性を好むのでアルカリ性を混ぜるのはダメだったようです。お菓子作りやパン作りは化学変化を無視して作れないことを再確認しました。反省です。
次はジャム作りです。
友人が言うには、山梨の道の駅で山ぶどうのジャムは人気過ぎて買うことができないでいるそうです。ならば私が作るしかない!ですよね。いつも果実に対して20%の砂糖を入れるのですが、今回は30%にしてみました。この辺は果実を食べてみて臨機応変に。山ぶどうの良さを崩さない甘さにします。鍋に山ぶどう入れてこげないように注意して中火で煮ていき、水分が上がってきたら砂糖を入れて更に煮ます。砂糖が溶けて実が柔らかくなったところでザルにあけて実をつぶしながら濾します。山ぶどうは実に対して種が大きいのでジャムにすると口に当たる気がするんですよね。ここでジュースにする分を取り分けて、残りを鍋に戻して煮詰めてジャムにしていきます。瓶詰めして脱気すれば1年は持ちます。
ジュースは味が濃いので炭酸水で希釈して山ぶどうサイダーに。我が家のメンズ曰く、甘くなくて健康になりそうな気がするのと事。なんだかノンアルコールカクテルっぽいテイストです。ジャムはジュレのようで、パンでもお肉料理のソースにしても良さそうです。全て友人宅へ行く予定なので私が口にすることはなさそうですが。
それで、肝心の天然酵母パンはどうした?と思いますよね?これについてはページが少なくなってきたのでまた来月にお話ししようと思います。それでは、また来月にお目にかかりましょう。
執筆者紹介: くーこ さん
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。