【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.41『梅酒と砂肝』

つくばで食べる・つくる・育てる
6月のテーマ「梅酒と砂肝」

 こんにちは、くーこです。今年の家庭菜園は植えるものをなかなか決められなくて、6月過ぎてようやく植え付けをしました。今夏は長ナスとトウモロコシ、それに大葉とバジルとパセリのハーブ系です。ナスは培養土の袋をプランター代わりに使って育てていて、畑とプランターは連作障害を避けるためにナス科の植物はお休みし、以前大失敗したトウモロコシをリベンジです。以前育てた時は水やりが足りなかったのか、肥料切れだったのか、スッカスカのトウモロコシしかできなかったんですよね。

今年はギュギュっと実の詰まったものを収穫したいです。バジルは近所の直売所でもお手頃価格で手に入るためここ数年育てていなかったのですが、最近マルゲリータピザを焼くのにはまっていまして、安定供給を図るために植えてみました。やっぱり食卓に直結するものを育てる方がモチベーション上がりますし、家族との会話も弾みますね。

 さて、4年前に漬けた梅酒が飲み頃になった気がします。1年毎に試飲はしていたのですが、コクが足りない気がしてキッチンのすみっこで熟成させていました。こってりとしてはいるものの、ホワイトリカーで仕込んだため角がある味です。黒糖焼酎かブランデーで仕込めは良かったかも。そこまでお酒が得意なわけではないので、炭酸割でいただきます。度数高いのが気になるけれど、甘酸っぱいのでこの時期にぴったりですね。となると、欲しくなるのがおつまみ。お腹に何か入れないとすぐに酔っぱらってしまうので飲むときは必ず何か作ります。我が家には常に自家製の燻製チーズがスタンバっているので、作る気力のないときはそれを切りますが、子どもも食べるのでお肉料理とかがあると良いですよね。そんな時に息子からリクエストされるのが「砂肝のネギ塩炒め」なのです。砂肝は鶏の胃の一部である砂嚢(さのう)で、簡単に言うと鶏には歯がないのでこの砂嚢に石や砂を溜めておいて、丸飲みした食べ物をその石や砂ですりつぶして消化している器官なんだとか。筋肉でできているためコリコリした食感なんだそうですよ。ちなみに、歯があるワニにもこの砂肝が存在しているらしいです。砂肝は亜鉛を豊富に含んでいるので、お酒のおつまみにぴったりですね。

  この砂肝料理、息子が生まれて初めて焼き肉屋さんで食べた牛タン塩がおいしすぎて家でも食べたいと騒いでいたことがあり、「5枚で1000円とか家計が滅びるわ!」と内心思いつつどうにかできないか考えていた時に「そういえば、砂肝って食感似ているかも~」ってところからできたメニューだったりします。家の近くに鶏肉の専門店があり、新鮮なモツが手に入りやすい環境に感謝です。なんといっても100g75円!家族でお腹いっぱい食べても300円ちょっとです。家計に超やさしい!!これにとろろ汁と麦ごはん付ければなんちゃって牛タン定食♪と、家庭内でひっそりと楽しんでいました。そんな今年の3月に卒業生を送る会があり、保護者もリモートで見守る中とある学年が卒業生一人一人のエピソードを発表する演目があったのですが、息子の名前が呼ばれ「好きな食べ物は、焼きそばと砂肝だそうです」と言われた瞬間、体育館がざわついたのをパソコン越しに感じました。なんなら、リモート担当の先生たちの「砂肝…」「渋い…」とのつぶやきも聞こえましたよ。同時に私のスマホには「ちょ!砂肝!(笑)」のラインが何件もママ友から入ってくる始末。恥ずかしすぎてそっと画面を閉じました。翌日、子供会役員の集まりでもその話になり、なんちゃって牛タンの話をしたところレシピを教えて欲しいと言われ、「ハマった!!」とのこと。砂肝についている銀皮も処理せずただ薄切りにして炒めるだけの手軽さもポイントのひとつだったようです。料理に手間暇かけるのもよいけれど、簡単においしくできるならその方がもっと良いですよね。と、砂肝の伝道師の様になってしまった私なのです。なので、こちらでレシピを公開しようと思います。ぜひ皆さんも作ってハマってみてくださいね。

それではまた、6月にお目にかかりましょう。

≪砂肝のネギ塩炒め≫

【材料】(4人分)
・砂肝 400g 
・塩 適量 
・コショウ 適量 
・ごま油 適量 

☆長ねぎ 1本 
☆レモン汁 大さじ3 
☆鶏がらスープの素 小さじ1
☆塩 小さじ1/2
☆あらびき黒コショウ たっぷり
☆ごま油 大さじ1 ☆白ごま 適量

【作り方】
①長ねぎはみじん切りにして、ボウルにAをいれて混ぜておく

②砂肝は水洗いして、キッチンペーパーでよく水気を拭き取ったら、薄くスライスする

③熱したフライパンにごま油を敷いて②に塩コショウをして、焼き目がつくまでよく炒める

④フライパンの火を止めて、①のタレをかけて余熱で火を通したらできあがり。ネギネギしているのが苦手なら少し加熱してもOK。

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

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