【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.42『桃』

つくばで食べる・つくる・育てる
7月のテーマ「桃」

 こんにちは、くーこです。毎日溶けそうなぐらい暑いですね。皆さん熱中症にかかったりしていませんか?我が家では梅干しを食べて熱中症対策をしています。これは習い事の先生から教わったのですが、調子がいまいちの時に食べると復活するらしいです。本当か?と思い、調べてみたところ、梅干しの抗酸化作用が体内の酸化ストレスを軽減させる働きがあるのではないかと考えられているそうです。なので、暑くて調子が出ない日はぜひ梅干しを食べてみてくださいね。

 さて、夏本番に近づくとおいしいフルーツがスーパーに出回りますよね。茨城はメロンが有名なので、この時期はどこのパティスリーでもメロン系がたくさんでます。どれもおいしいらしいのですが、私がメロンアレルギー持ちなので、ちょっと足が遠のいてしまいます。メロンが落ち着くと桃のシーズン到来です。桃大好きです。なので、まるごと桃がのったタルトなどを見ると心が躍ります。ちょっとピンク色なのもかわいいですよね。

 桃の産地と言えば、有名なのが岡山県でしょうか。真っ白な「白桃」が有名ですが、日本で柔らかな果肉に果汁たっぷりな品種はこの白桃を元に作られているそうです。栽培には降水量が少ない盆地が適しているので、山梨県や福島県も有名ですよね。北限は北海道の札幌市とのことなので、意外と広い範囲で栽培することができそうです。実際に、つくば市の2つ市をまたいだ所にある実家のご近所さんのお庭でも実がつく時期の違う桃の木を何本も植えていて、毎年お裾分けしていただいています。今年も「桃狩りをしに来ませんか?」とお誘いがあったのでお邪魔してきました。小振りながらも完熟でおいしそうです。お話を聞くと、手間暇がものすごくかかっています。実がつく前には葉の病気にかからないようにして、実がついたら袋がけをして虫などから守らないといけないそうです。そうして、あと3日で収穫しよう!と思っているとハクビシンやタヌキがやってきて、完熟した実だけを食べていくんだそうです。しかも、袋や種とかはご丁寧に残していく徹底ぶり。鳥だって狙っています。趣味(とは思えない規模ですが)でもこれだけ大変ですから、商品価値の高い果実を作ろうものなら、非常に難易度が高い果物なんだと思います。スーパーでのあの価格も納得ですよね。

 たくさん桃をもいできたので、生食と加工するものとで分けていきます。完熟しているものは冷やしておいしくいただきます。基本桃は常温で保管しておいて、食べる2時間前に冷蔵庫に入れるのが良いそうです。桃は冷やしすぎると甘みが半減してしまうとか。私は氷水で冷やして食べるのがすきですね。今年の桃も上品な甘さで大変においしかったです。

そして食べきれない分はアルミホイルにぴっちり包んで冷蔵庫の野菜室に保管です。2週間は持ちます。それ以外は贅沢にコンポートにしました。いわゆるモモ缶です。風邪を引いていなくても食べたくなるモモ缶ですが、作り方は簡単で、シロップで皮ごと煮てあげるだけ。今回はシロップに最近のマイブームである貴腐ワインを使っているので、まったりとした甘さがあります。普通の白ワインならすっきりとした味わいになり、好みで選んでほしいです。

 コンポートはジャムの様に瓶詰にして脱気をすれば日持ちするのですが、その前に食べ切ってしまうかも。うちは10個分作って実家の両親と半分ずつ分けましたが、1週間経ってお互い残りわずかです。そのまま食べてもよいですし、角切りにしてヨーグルトに入れるの良いですね。桃とヨーグルトは相性抜群ですから。シロップもゼリーや、炭酸水等で割って飲んだりするのもおいしいですよ。
私は家族からショートケーキが食べたいと言われたので、これまた桃と合う紅茶のスポンジケーキを焼いて角切りにし、生クリームを落として上に桃のコンポートをのせて皿盛りデザートにしてみました。コンセプトは「ばらしたショートケーキ」。桃がバラ科なので、コンポートを薄切りにしてバラに見立ててみました。ケーキをデコレーションするのはハードルが高くても、これなら気軽に作れると思います。スポンジケーキは市販のでもよいですし、おやつのカステラならちょっと作るのにぴったりですね。その時はコンポートのシロップをスポンジケーキやカステラに垂らしてしっとりさせると生クリームとなじんで、ぐっとおいしくなりますよ。ふるさと納税の返礼品等で桃がたくさんおうちにある時は作ってみてくださいね。


それではまた、8月にお目にかかりましょう。

≪桃のコンポート≫

【材料】(作りやすい分量)
・桃 4~5個 

☆水 500ml 
☆貴腐ワイン(白ワイン) 200ml 
☆グラニュー糖 150g 
☆レモン 1個 
☆バニラビーンズ(あれば) 1/2本

【作り方】
① レモンは黄色の皮の部分と果汁に分ける。バニラビーンズは半分に割いておく

② 桃が重ならないで入る鍋を用意して、☆を入れて煮立たせシロップを作る

③ 桃は流水でよく洗って産毛を落とし、桃の割れ目に包丁を入れて一周し、ひねって半分にカットしたら、スプーンを使って種を取り除く

④ ②に③の桃を皮の方から入れたら、真ん中に穴をあけたクッキングシートで落し蓋をして中火で15分煮る

⑤ 反対側にひっくり返して、さらに15分落し蓋をして煮る

⑥ 粗熱が取れたら、皮をむく(やわらかい桃なら手でするっとむけます)

⑦ シロップごと保存容器に入れて冷蔵庫へ。翌日から食べられる
 長期保存する場合は、皮をむいた後にシロップへ戻し、
 火を通して熱くしてから煮沸消毒した瓶に入れて逆さにして脱気する。

※桃が鍋に入りきらない時は、分けて煮ても大丈夫です。
 シロップはそのまま使えます。

 


執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

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