【コラム】つくばで食べる・つくる・育てる Vol.57『 秋の手仕事・栗』
つくばで食べる・つくる・育てる
10月のテーマ「秋の手仕事・栗」
こんにちは、くーこです。ようやく秋がやってきましたね。今音楽の秋を堪能中です。最近、クラシックギターの曲が突然好きになり、その最中にペンギン・カフェ・オーケストラを知り秋のカラッとした空ににピッタリな曲もあってよく聞いています。
先日、実家に栗が届きました。量が多いのでもらってほしいと言われたので行ってみたのですが、箱にぎっしりと詰まっている立派な栗。大粒で丸いから利平栗だと思われます。利平栗は和栗の中でも濃厚な甘さがあると言われていて、高級品種です。親は1kgあれば良いからと残り3kgをもらって帰ってきました。Ricoさんやお友達にも少しおすそ分けして、さて何を作ろうか悩みます。というのも、この栗を送ってくれた方が渋皮煮を作る名人で、この時も渋皮煮を同梱してくれていたのです。そうなると自分で作る気は全く起きないので別なものを…
ということで、先月のコラムにも書きましたがもち米がたくさんあるので、王道の栗おこわを作ることにしました。
ここで一番大変なのは栗の皮むきです。ものすごくハードルが高い。ひとまず1kg一晩水に漬けて鬼皮を剥きやすくします。少しは剥きやすくなったはずですが、そうでもなくて結構泣きそうになります。ひとりで黙々と剥いてようやくゴールが見えてきたら家のチャイムが鳴ったので玄関に出てみたら、お隣の奥様が袋を持って立っていました。この時点で嫌な予感しかしません。「栗たくさんもらっちゃって、年寄りにはきついからもらってくれない?」はい、追い栗確定です。なんでも、お友達が栽培しているそうです。ただ、茹でて食べるしかできないからうちに持ってきたとか。それならばと、「栗おこわ食べませんか?」と提案してしまいました。私の中の昭和マインドに火が付いた瞬間です。この日は息子の幼馴染のおうちにおこわを持っていくことになっていたので大量にもち米の準備しておいてよかったよかった。せっかくなので、頂いた栗も入れて作ることに。結局2時間半剥き続けました。
味付けは栗の甘さを最大限に生かしたいので、シンプルに酒と塩のみ。蒸し布に水気を切ったもち米を入れて、上にカットした栗を散らして40分程度蒸していきます。途中で2回程打ち水をして味を入れていきます。味付けはこの打ち水でできるので、時々味見をして好みの味と柔らかさになったところで火を止めます。黒ゴマをさいごにぱらりとかければできあがりです。蒸した栗がとても甘くて最高においしく出来上がりました。お隣のご主人もその日の夜に電話で絶賛してくれたので自画自賛ではなかったと思います。ま、栗がおいしいからなんですけどね。
後日談として、栗を剥き過ぎて右指のしびれが1週間以上残りました。いつも肩のリハビリでお世話になっている先生にその話をしたら、今年は栗がなぜか豊作らしいからまたくるかもね。っておっしゃっていました(奥様の実家が茨城の栗産地なんだそう)。その後しびれは取れたのですが、おそろしいので、先日栗剥き器を購入しました。鬼皮と渋皮がガシガシ剥けるらしいです。キャベツピーラーもまともに使いこなせていないのに、栗剥き器が扱えるかは疑問でしかないですが。そして、息子から「幼馴染君(同じクラス)が毎日ママの栗おこわがまた食べたいって言ってくるんだよ。だからまた作ってくれない?」と報告があり、これはもう作らないといけないなと栗剥き器を握りしめて覚悟完了するのでした。
それではまた、11月にお目にかかりましょう。
≪栗のおこわ≫
☆水180ml
☆酒 60ml
☆塩 小さじ2
・栗 好きなだけ(この日は2㎏いれました)
・黒ゴマ 適量
② 栗は渋皮まで剥いて半分にカットしたら、水に1時間ぐらいつけてアク抜きする
③ ☆をボウルに入れ、よく混ぜて打ち水を作る
④ 蒸し器のお湯が沸騰したら、蒸し布に水気を切ったもち米を広げて、水気を切った②を散らす。ドーナツ状に真ん中をあけて、蒸し布の四隅をもち米の上にかぶせ、ふたをして強火で15分蒸す(蒸し布はしっかり濡らしてよく絞っておかないと米粒がつきます)
⑤ ボウルに④を入れて、③の半量をふりかけて軽く混ぜたら④の状態に戻して10分蒸す
⑥ ボウルに⑤を入れて、③の残りの半量をふりかけて軽く混ぜたら④の状態に戻して10分蒸す
⑦ 味見をしてまだ固かったり味が薄ければ残りの打ち水をふりかけて5分ずつ蒸す
⑧ 黒ゴマをお好みでかけて召し上がれ
執筆者紹介: くーこ さん
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。