【コラム】苔玉に寄せて Vol.107~私の部屋の同居人、『苔玉』たち!

 12月中旬を迎え、急激に寒さ厳しくなりました。ベランダに展開していた熱帯や亜熱帯地方生まれの植物たちを、大急ぎで室内へ取り込む・・・観音竹、月下美人、大銀龍、ウンベラータ、サンスベリア、ブーゲンビレア・・・どれも30㎝の大鉢仕立ての巨体、室内は熱帯ジャングルの様相。

熱帯巨木の足元は小さな植物たちが溢れている、『苔玉』『多肉植物』等々・・・寒風吹きすさぶ外空間から室内に取り込まれて安堵しているようです。

年末・年始の苔玉たちもいっぱいです・・・ミニシクラメン、カロライナジャスミン、ミニバラ等の花の苔玉・・・クロマツ、ミリオンバンブー、紅白のウメ、赤実のナンテン、マンリョウ、ヤブコウジ、等々の新年を寿ぐ苔玉たち・・・ガジュマル、パキラ、ポトス等の亜熱帯植物の苔玉たち、私の部屋はパソコン空間を残し、植物たちに占拠されてしまっています。 

乾燥した寒風吹きすさぶ戸外に放置しては、『苔玉』は上手く育ちません。本来、『苔』は高い空中湿度を好む植物です、西から吹きすさぶ空っ風は、『苔』は勿論のこと、植物本体をも傷めてしまいます。さらに氷点下に降下してしまっては、苔玉も凍結してしまいます。苔玉も乾燥・寒風そして寒さは避けなければなりません。 

部屋の様子

年末・年始を松竹梅の『苔玉』で寿ぎ、暖かさ陽射す春の訪れを心待ち、苔玉や亜熱帯生まれの植物たちを同居人として面倒見ながら、楽しみながら、厳寒期を乗り切ります。

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。

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