暑中・コロナ禍のダブルパンチを食らった日々、でも、庭先では植物たちが元気に伸長を続けています。そんな中で、10㎝程度に成長したヤマモミジ、コナラ、ケヤキ、ツバキなどの自然実生の小さな苗が、元気に育っています。これらの小苗は、将来の苔玉の材料として有望です。
暑い中で小苗を移植するのは「不適期」を承知の上で、これらの小苗たちのポット(鉢)への移植をお勧めします。最も植物たちの目立つ今だからこそ、ヤル気も起ります。落葉してしまうと、ヤマモミジ、ケヤキがあったことを忘れてしまい、雑草として処分してしまうのが帰結です。
直射日光を避けて、水管理をしっかりやって頂ければ、十分な地温が保証される夏です、一週間程度で新根の発生・成長をみることができます。近い将来の「苔玉」材料の誕生です。
小苗たちを苔玉に仕立てるためには、小さなポット(鉢)に移植して、多くの根の発生を促す必要があります。移植するポットは直径6㎝(2号鉢)程度が最適で、大きくても7.5㎝(2.5号鉢)~9㎝(3号鉢)迄の小さなポットを準備して下さい。大きなポットに小苗を植え付けると、根部はひたすら外へ向かって伸長し、ポットの内壁部にのみ根群が成長発達してしまいます。結果として、大きな土塊の割には根群の極めて少ない、苔玉に仕立て辛い・・・苗木となってしまいます。
植物は土壌に根を伸ばして成長し、根を張った箇所から移動することはできません。出来るだけ四方八方、外へ向けて根を伸ばし、あらゆるリスクを分散させようとする本能が働きます。ポットの内壁いっぱいに根を伸ばそうとするのは、当然の本能です。苔玉を作るには、根群は出来るだけコンパクトな状態に収まった植物であって欲しい、小さなポット(鉢)植えにする由縁です。
更に茎葉と同様に、根群も比較的南側へ向かって発達します。時折、東西南北、向きを変えると、四方に均等に茎葉を伸ばします。
3週間も経過すると丈夫な根群が育ちますので、極薄い液肥を与えると、立派な苔玉材料となります。ただし、気温の低下する10月中~下旬には肥料が切れるようにして下さい。
庭先に息づく小さな植物たちを「苔玉」に仕立て上げることで、他では得られない植物たちへの思いが沸いてまいります。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
こんにちは、くーこです。
先月の今頃「梅雨入りしましたね~」と書きましたが、あっという間に梅雨明けからの真夏に突入してしまいましたね。子どもと夏休みのラジオ体操に参加していますが、早朝なのに既に外が暑い!昔は「朝の涼しいうちに勉強しちゃいなさい」と親に言われていましたが、今は「やってくれればいつでもいいよ」となっています。
さて、今月は先月に引き続きドライブ茨城です。
2020年の12月にアクアワールド大洗(昔から知っている人は大洗水族館の方がおなじみかも)が大規模リニューアルしたので、数年ぶりに行ってきました。最初に今回の目玉の一つ、クラゲエリアです。暗闇の中にライティングされて浮かぶ様々なクラゲが展示されています。カミクラゲ・シンカイウリクラゲ・タコクラゲ等々。大人な雰囲気で、子どもは微妙そうでしたがデートには良さそうです。足元にも色とりどりのクラゲが浮かび上がる仕様で大変ロマンチックです。プロローグを抜けると関東最大級ミズクラゲ大水槽のお出ましです。「くらげ365」と銘打った巨大水槽には1万匹のミズクラゲが飼育展示され、バックライトとBGMで日中は日本の四季を、夜は幻想的な演出をしているそうです。私は昼間に行ったので四季の水槽を見ましたが、春色の水槽のクラゲは桜の花びらの様でうっとりしてしまいました。
その先にある80種20,000匹が泳ぐ「出会いの海の大水槽」や私の大好きなマンボウの次は、もう一つの目玉「シャークダディズルーム」です。架空の博士が航海の間にコレクションした標本を展示していたり、VRで飼育困難なホオジロザメなどを詳しく観察できるようになっています。さすが、サメ飼育数日本一です。先日、日本初のシロワニも誕生しましたね。サメ好きのキッズが自由研究するのにぴったりそうです。
イルカとアシカのショーを見てだいたい2時間半くらいですべて回ったので、フードコートで海鮮かきあげ丼を食べて次の場所へ移動します。ここの海鮮かきあげ丼がさくさくでとてもおいしいので、必ず食べます。
移動のはずが、目の前の太平洋で遊ばないという選択肢を持っていない息子に阻まれ足止めです。周りを見ると、そんな家族連れが大勢…なので、行くときは必ず着替え一式とタオル、そしてビーチサンダルを持って行くことをお勧めします。目を離した一瞬の間にずぶ濡れになっていますからね。結構いたのですよ、「着替え持ってきてないのに!それで車に乗るの?!」って言っているお母様方。気持ちわかります!!水族館のテラスに足についた砂を洗い流せる場所があるので使わせていただきましたが、本当にありがたいです。
思う存分遊ばせたら、本当に移動します。今回は南下してめんたいぱーく大洗に行ってきました。明太子で有名な「かねふく」のテーマパークです。工場見学やお買い物ができます。パークに足を踏み入れると、スーパーでよく流れている「ピリッとか~ねふくめ~んたいこ~♪」の歌が聞こえてきます。よくよく聴くと氷川きよしさんが歌っていました。そういえば、CMにも出演されていましたね。等身大パネルもあり、ファンには聖地なのではないのでしょうか?
ここに来たらぜひ買ってもらいたいのが「できたてめんたいこ」です。その日にできた生明太子なのですが、もう全然違います!粒も大きくプチプチしていているのです。付属のタレをからめて数日味の変化を楽しむのもいいですよ。ご飯が進み過ぎるので、要注意!!
先日、近所のスーパーでかねふくのタレ付き明太子を見つけたので購入したのですが、生にはかないませんでした。なんででしょう?冷凍しただけでこんなに変わるのかしら??とにかく、この明太子を買いに行くためだけに大洗に行きたくなるのです。
せっかくなので、今回のレシピは「夏の明太子スパゲッティー」を紹介します。
何が夏かというと、レモンとしそがたっぷり入っているところです。マヨネーズベースのソースがさっぱりとしちゃいます。カロリーは高いままですけどね。スパゲッティー茹でている間にソースが作れちゃうのも手軽です。夏休みのランチにどうぞ。
夏の明太子スパゲッティー
・スパゲッティー 300g
・明太子 120g(1.5腹)
・バター 10g
・マヨネーズ 大さじ3
・しょうゆ 小さじ1
・レモン汁 1/2個分
・しそ 10枚
・塩、こしょう 適量
① スパゲッティーを表示の時間ゆでる。
② 室温に戻して柔らかくしたバターに皮を取った明太子とレモン汁・しょうゆをいれてよく混ぜる。
③ ②にマヨネーズとこしょうを入れてよく混ぜたら、しそも加えて混ぜておく。味が薄いときには塩で整える。
④ ゆであがったスパゲッティーに③を加えてよくあえたらできあがり。
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
ベランダには今、緑いっぱいの「ナナカマド」の苔玉をバックに、「ブーゲンビリア」の苔玉が白色花、今を盛りと満開中です。「ナナカマド」は北海道・旭川市の美しい街路樹に代表される比較的寒冷地に育つ植物です。他方「ブーゲンビリア」は、沖縄やトカラ列島など亜熱帯地方で、生垣などに植え付けられ元気に育つ植物です。寒冷地・北海道から亜熱帯の沖縄までの植物たちを同時に観賞できる、なんとも嬉しくなります。
沖縄を越して更に南・赤道の向こう側、ニュージーランドを原産とする「ソフォラ」も緑濃く、「メルヘンの木」の愛称の世界を彩っています。その傍らには、秋田県白神山地を深い緑で覆う「ブナ」の苔玉も元気です。
メルヘンの木の苔玉
梅雨期の6月から7月上旬に掛けて、緑濃い苔玉の台地は、北から赤道の向こう側・南を原産地とする植物まで、広く・奥深い世界を演出しています。古来、北の園芸愛好家たちは南の植物に憧れ、また、その逆もありました。狭い苔玉の台地に、広い地球上の植物たちを目の当たりにして楽しむことができる、初夏の園芸を満喫しています。
更に、歴史上・地球規模での大航海時代には、東西の動きに新たな植物への期待がいっぱいでした。日本原産の「アジサイ」がシーボルトによって欧州にもたらされ、欧州で品種改良され「ハイドランジャー(西洋アジサイ)」として、里帰りしました。我が国古来の「ツツジ」たちは、主にベルギーで品種改良され「アザレア」と銘打って、園芸店頭に並んでいます。
植物たちを「苔玉」に仕立てて楽しむようになって、40余年になります。この間、概ね1000余種の植物たちを「苔玉」の台地に仕立ててきました。緑豊かな初夏・梅雨期に苔玉たちを管理して、改めて東西・南北に原産する多種の植物たちに出会えたことに、感謝・・・です。これからも更に新たな植物たちと出会いたいと、心密かに目論んでいるこの頃です。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
こんにちは、くーこです。
例年より遅れて関東も梅雨入りしました。その割には梅雨の晴れ間が多いような?洗濯物を部屋干ししなくて良いし、子どもの送り迎えの手間も省けるのですが、夏に水不足にならないか心配になります。それでも、せっかく良いお天気なので、近場にドライブに出かけてみました。どこもつくばから片道1時間半くらいのところです。子どもが学校に行っている間に往復できる場所なのですが、夫婦ともに40年以上茨城に住んでいるのに行ったところがないところだったり、今の時期にしか見られない行事が行われていて、再発見することが多かったです。ちょっと観光するには良い場所だったので、紹介させていただきますね。
我が家で育てている明日葉が食べ頃になったので、天ぷらをすることに。「それなら、ざるそばが食べたいね」ということで、筑波山裏に位置する桜川市の柿沼製粉の直売所で生そばを買いに行きがてら、始まったばかりのあじさい祭りを見に雨引観音にも寄ることにしました。
雨引観音は安産・子育てにご利益があるで有名で、私も戌の日お参りや七五三でお祓いをしてもらいました。この日は見ませんでしたが、クジャクが放し飼いにされています。
こちらでは自生している野生品種を含む100種類500株のあじさいが栽培されているそうです。その中には「雨引の聖」という新品種もあります。どれがどの品種までは分かりませんでしたが、色とりどりの手毬模様が新緑に映えてとてもかわいらしかったです。7月1日~11日までお寺の池にあじさいの花を浮かべる「水中華」が行われるので、この期間を狙って訪れるのも良いかもしれませんね。この後、筑波山へ行っても良し、少し足を延ばして笠間や益子で陶芸にふれるのも楽しいと思います。
道の駅いたこにある定食屋の「むかしのラーメン」がめちゃくちゃ旨い!と夫が言うので、その前に東国一のパワースポット鹿島神宮へお参りしていくことしました。私は遠足などで何度か来たことがありますが、夫は初めて。いつも思うのが、こちらにお参りに来る方々はとても礼儀正しいのです。鳥居をくぐる前に礼をするということを皆さんやっています。もちろん出た時も。どこで教わってくるのでしょうか?感心しながら大鳥居をくぐり、日本三大楼門のひとつである楼門をまたぐと大きな縄の輪っかが出現します。これは水無月大祓茅の輪くぐりというもので、旧暦6月30日に行われる神事「夏越の祓」の儀式のひとつです。呪文を唱えて「左→右→左」と輪をくぐり、授与所で紙の人形を受け取り署名と身体をなでて納めると、罪とけがれが祓われ幸せな半年を過ごすことができるそうです。もちろん、煩悩でけがれまくっている私たち夫婦もやりました。
そのすぐ先には本殿があり、鹿島神宮は日本建国・武道の神様である「武甕槌大神」を祭っています。後ろには樹齢1300年と伝えられる杉の御神木を見ることができます。ここでお参りをし、奥参道を散策します。途中に鹿園があり普段はエサをやったりできますが、この日は仔鹿が生まれたばかりということで遠目で愛でました。ちなみに、奈良の鹿はこの鹿島神宮の鹿がルーツとのこと。春日大社を創建する時に鹿島の神様の分霊を鹿に乗せて行ったそうです。こんなときに、古事記とか勉強しておけばよかった!!と後悔します。知っていたらもっと違う目線で見られたかもしれませんね。修繕中の奥宮の先はまっすぐ進むと御手洗池、右に曲がると「要石」があります。この石、千葉の香取神宮とつながっていて、大地震をおこす大鯰の頭としっぽをこの石で今も押さえているそうです。なので、鹿島神宮と香取神宮はセットでお参りすると良いと聞きました。
鹿島神宮だけでかなり尺を使ってしまったので、ここからは若干巻きで行きます。
お参りが済んだら道の駅まで戻ります。ここの定食屋「おふくろ亭」は大変に人気があるので11時半までにはたどり着きたい場所です。席が埋まっちゃうからね。お惣菜もおいしいけれど、この日は目的のラーメンとフォー、それにフォー入り春巻きをチョイス。夫婦でシェアします。
ラーメンは至ってシンプルな醤油ラーメン。確かにおいしい。チャーシューも厚切りだけれど臭みもないし。脂マシマシのラーメンがお腹にくる私たちにはぴったりでした。フォーは潮来のお米を使った生麺で非常においしいです。絶品です。こんなにおいしいフォー食べたことないかも。パクチーは別添えで、お母様たちの心遣いが身に沁みます。全部のっけちゃうけれど。このフォーとスープは隣の直売所で冷凍で売っています。他にもヨーグルトやそこで作っているどらやきなどオススメがたくさんあるので、鹿行地域観光のおみやげはここで買うのがベストです。
お腹がいっぱいになったので、散歩がてらあやめ祭りがおこなわれているあやめ園へ。この時は7分咲きで、例年より早い開花だったそうです。手こぎ舟は出ていましたが、花嫁入り舟なのどイベントは中止になっていました。それでも、紫・白・黄色と一面に咲き誇る花菖蒲は圧巻の一言でした。
意外と楽しい茨城観光。他にもオススメスポットがあるので次回に続きます。おつきあい下さい。
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
身近な足元を見渡すと、見過ごされてしまう野草がたくさんあります。春一番に目立ったのはツクシンボウでした。今は、白花が咲き乱れているドクダミソウ、紫色花のアザミ、小判に似た形の小穂をつけたコバンソウ等が目立ちます。間もなくピンクの花を咲かせるネジバナ、赤い果実を着けるヘビイチゴ、そして秋には赤い花をつけるワレモコウ等、魅力ある野草がいっぱいあります。
庭先のドクダミソウ
野草たちの開花を見る度に、開花前にポットに植えておけばよかったのになぁ、と思う、毎度のことです。魅力的な野草たちを、若芽が吹き出す前にポットに植えておけば、小振りの草丈で楽しむことができます。魅力的な野草たちの開花の度に、来年はポットに仕立てて苔玉に仕立てようと、幾度思い描いたことか。ついつい市販の園芸花物に惑わされてしまい、また、一年を棒に振ってしまう、可憐な野草たちに申し訳なく思っております。
庭先のネジバナ
こうした野草たちを苔玉に仕立てるのは楽しいことです。ツクシンボウの苔玉を作ったことがありますが、都内で大変な人気を博したことでした。また、ピンクのネジバナの苔玉も多くの人の目を奪いました。秋には、赤い実を着けたヘビイチゴ、ワレモコウの赤い花の苔玉が人目を引きました。
山野で開花した植物、果実を着けた状態の植物を移植・苔玉に仕立てようとしても、ほとんどは萎れてしまい、挙句には枯れてしまいます。晩秋から春先にかけて、萌芽する以前に、根部や地下茎などを堀上・採取して小振りのポットに植え付け、小さくてもしっかりした野草の鉢物を作って、萌芽期に苔玉などに仕立てることが野草の苔玉を楽しむコツです。
庭先、山野などに楚々と咲く花たちへの思いを、苔玉に仕立てたい、今年こそ根部や地下茎を堀上・採取して、ポットでしっかりした根を育成して、開花期には素敵な苔玉にしたいと、思い描いてはいますが?さて、行動が伴いますことやら・・・
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。