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【苔玉に寄せて】Vol.30〜強かな苔たち

強かな苔たち

 台風一過、日本列島は、雨の多い空中湿度の高い鬱陶しい日々を迎え、思いもよらぬ災害にまで見舞われています。こんなじめじめした季節を喜んでいるのが外ならぬ苔たちです。

 私たちが生活する極、身近な場所でも、至る所に苔は生えています。その環境に対する適応能力には驚かされます。余りにも小さな植物であるために、気に留めることがないし、殆どの場合見過ごしてしまいます。人々の行きかうことの多い街中でも、散歩がてらに歩く公園や農道際でも、注意してみると意外と至る所に苔は生息しています。この機会に、身近な苔たちを観察するのは楽しいものです。手をかけて苔を育ててみると失敗することが多いのですが、勝手に生えている苔たちは強かに生き抜いており、その生命力に唖然とさせられます。

 私は今集合住宅に住んでいますが、中庭の灌木寄せ植えの東側と北側の足元には2~3種類の苔が目立たないけど元気かつ、強かに生えています、部分的には苔たちの独壇場で緑の絨毯を展開しています。過日、買い物がてら都内銀座通りを歩きましたが、植え込みの北側、御影石の歩石と歩石の目地部分にも、強かに生えている苔たちに、「よく頑張っとるナァ!」って、心密かに声をかけた次第でした。

 出張で全国至る所を歩き回りローカル列車の旅を楽しんでいますが、線路沿いの北側向きのコンクリートの壁面が、苔で覆い尽くされている光景を見かけること、しばしばです。苔で緑なす壁面をみると、嬉しくなってしまいます。駅ホームの壁面の苔に見惚れて、一時間後の後続列車まで人気の全くない無人駅のホームで、ボケーっと、ただ苔を見ながら、過ごしたことが幾度かありました。

 学生時代には、夏山登山で鳥取県の大山を何度も歩いたことがあります。山頂付近の残雪を溶かす渓流沿いの苔の群生は見事だったこと、目に焼き付いております。また、新潟県奥只見や青森県奥入瀬の渓流沿いの苔たちも見事でした。

 若かりし頃職務柄、神奈川県と静岡県を往復することがしばしばありましたが、途中、白糸の滝や樹海の苔の群生も忘れられない緑です。

 極めて小さく目立つことのない、「たかが苔、されど苔たち」です。人の立ち入りを拒む大自然界から、人込みでごった返す銀座の通りまで、苔たちは強かに生息域を守っています。空中湿度の高い今、身近に生息する苔たちを、しっかり観察してみては如何でしょう。そうして頂くことで、お手元の「苔玉」たちの最も喜ぶ姿が見えてくると思います。

 

 

 

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。
つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。

【おうち Moss Café – 世界旅行編】Vol.29 ~トマトのジャム(北海道・ニセコ)〔前編〕

7月のおすすめ
トマトのジャムルピナス(北海道・ニセコ)〔前編〕

もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの緑と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。

                       

こんにちは、店員くーこです。

先日、初夏の北海道に行ってきました。目的は北海道新幹線に乗ること。鉄ちゃんな息子は早朝にもかかわらず、東京-新函館北斗をおよそ4時間で駆け抜けて行くスピードに狂喜乱舞していました。

今回は息子に合わせて、観光ではなくアクティビティを体験するため、ニセコに宿泊です。冬はパウダースノー目的のスキーヤーが世界中から集まりますが、夏もラフティングやサイクリングなどアクティビティの宝庫なのですよ。

宿泊したホテルは、「ワン・ニセコ・リゾート・タワーズ」です。デザインを有名建築家の隈研吾氏が手掛けているとあって、エントランスのひさしは自然と調和するよう、木がふんだんに使われていました。温泉も柔らかいお湯で、地元の方も良く行くようです。

このホテル、お部屋も素敵だったのですが、特に素晴らしかったのが朝食です!よくあるブッフェ形式ではなく、セットメニューで、地元の新鮮な食材をふんだんに使っていました。私の大好きなシェフ特製プリンが毎朝ついてくるのもポイント高いですが、味のバランスも良く、手作りのジャムやドレッシングが特別な日の朝食を演出していました。

ここのジャム、2種類つくのですが、トマトジャムとにんじんジャムなんです。野菜なんです。にんじんジャムは、りんごジュースで煮てある感じでした(間違っていたらごめんなさい)。トマトジャムはトマトのおいしいところだけを濃くした味で、どちらのジャムもすっきりとした甘さなので、甘いフルーツジャムが苦手な人も食べられそうです。

それに、これから家庭菜園でトマトがどっさり採れる予定なので、トマトソース以外の保存法として使えそう!さっそくアイディア頂きます!!

おっと、ホテルの話だけで今月のページが埋まってしまいました…来月の後編へ続く!!

 

 トマトのジャム 

 

材料(250㏄の保存瓶1本分)

・トマト 中玉5個(種と皮を取り除いて、500g)
・グラニュー糖 125~150g
・ノーワックスのレモン 1/2個(皮はすりおろす)

作り方

① トマトの皮を湯むきして、横半分に切り、種をかきだしておく

② ざくぎりにして、ホーローかステンレスの鍋に入れ、中火でかきまぜながら煮る

③ 水分がじゅうぶんに出てきて、アクをすくったら、
  グラニュー糖とレモンの皮を入れる

④ ヘラで鍋底がしっかり見えてきたら、レモン汁を入れて1分煮る

⑤ 煮ている時間は20~25分ぐらい。氷水に浮かべた小さなボウルに少し取り、
  完全に冷ましてトロリとしていたら火からおろす

⑥ 煮沸消毒した保存瓶に詰めたら、できあがり

 

 ルピナス 

育てやすさ: ★★

初夏の北海道を彩る花。藤を逆さまにした様な形状から「のぼり藤」とも呼ばれている。
北米原産のマメ科植物で、繁殖力が強く、北海道の生態系を崩す恐れがあるとして「北海道ブルーリスト」入りしている。園芸種としてはとてもきれいな花なんですよ。

花言葉は、「想像力」「いつも幸せ」

 

執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【苔玉に寄せて】Vol.29〜夏の「苔玉」管理のポイント

夏の「苔玉」管理のポイント

 極めて背が低い植物、余程注意深く目を凝らさないと見落としてしまう「苔」。私たちの生活空間の至る所に苔は密かに生息しています。瑞々しい緑色の苔玉が多くの園芸愛好家に親しまれていること、それは苔の生命力だと思います。

 多くの場合、苔玉は室内で観賞されています。苔もその体内に葉緑素を持ち光合成を行なう列記とした植物です。だから、光合成を促すためにある程度の太陽光は絶対に必要な条件です。くれぐれも日当たりに注意してやらなければなりません。苔植物は薄暗い日当たりのない場所に育つものという、固定観念で苔玉を管理しておられる方を多く見かけます。結果として苔面が黒ずんだ状態になり、どうしたらいいのだろう? と、途方に暮れておられる。これ、正に苔が枯れてしまったということです。苔玉として作った当初は美しい緑の苔面、この状態を維持し長持ちさせるには、ある程度の日光が絶対に必要だということを忘れないで下さい。

 太陽光に照らせば、苔面は乾燥します。当然のことながら潅水が必要になります。水を遣って、そのまま太陽光線下にさらしたままで放置してはいけません。苔植物を栽培するに当たって最も大切なことは、決して蒸れた状態にしないことなんです。6月以降、夏の強い日射しの中で苔面に散水すると、蒸れた状態になってしまいます。強い日射しの下で水を遣って放置するのは、「蒸れた状態」を作ることになってしまいます。苔には、「蒸れ」は絶対禁物なんです。

 苔玉を愛おしみ楽しんでおられるその殆どは、大の園芸愛好家です。ついつい可愛がり過ぎてしまう傾向があります。もっと元気に育てたいとの思いに駆られる心の内は、当然の成り行きでしょう。それではと、肥料を与えたくなる・・・・・とんでもない、肥料を与えてはいけません。何がしかの肥料を与えた結果、殆どの場合、苔は全滅します。じっと目を凝らしてみると、富士山頂から東京銀座の側溝まで、私たちが住む日本列島の至る所に、苔は元気に生息しています。苔たちが元気に自然生息するこれらの場所には、殆ど肥料っ気はありません。

 大自然界の苔を観察・楽しむには、梅雨の時期が一番です。たっぷりと体内に水を含み、生き生きとした苔たちが、濃淡様々な緑色で、私たちにその魅力を語り掛けてくれます。緑なす大自然界の苔を楽しみながら学ぶのが、苔玉管理のコツのコツかもしれません。

 

 

 

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。
つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。

【おうち Moss Café – 世界旅行編】Vol.28 ~ バインミー(ベトナム)

6月のおすすめ
バインミーアーティチョーク茶・蓮(ベトナム)

もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの緑と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。

                       

こんにちは、店員くーこです。

先日、ネット記事で「今年はベトナムサンドウィッチの『バインミー』が熱い!」と見かけました。
なんでも、恵比寿とかおしゃれな街に次々と専門店がオープンして、連日にぎわっているそうです。米粉入りの軽いフランスパンになますを挟むのが特徴的なサンドウィッチで、それに肉や魚、ハーブなどの葉物を入れていきます。野菜をたくさん摂れるので、キラキラ女子に人気が出ているのもうなずけます。

東南アジアでフランスパン?と思うかもしれませんね。ベトナムは19世紀から20世紀半ばまでフランス領地だったので、現在も建物や食事などにフランスだった名残を残しています。「東洋のプチパリ」と呼ばれるホーチミン市にあるサイゴン大聖堂は、パリのノートルダム大聖堂の建築様式を基にしていて、建材もフランスから輸入したものが使われています。メインストリートには高級フレンチレストランやカフェなども点在しています。歴史的建造物を見学しながら、カフェでお茶とか良いですよね。

ベトナムのカフェと言えば、練乳たっぷりのベトナムコーヒーが有名ですが、私の最近のお気に入りは「アーティチョーク茶」です。実は昨年末に尿管結石が見つかったのですが、医者からはたくさん水分を取るようにと言われたものの、緑茶やコーヒーなど酸性の飲み物はあまり良くないらしく、利尿作用があり結石にも良さそうなアーティチョーク茶をカルディで見つけたので常飲しています。味は少し甘くて、草っぽいです。ハーブティーが好きな人はイケると思います。

ポリフェノールや食物繊維が含まれているので、美肌やダイエットの効果もあるみたいです(私はまだ実感できていませんが)。ベトナムの女性が美しいのはこのお茶のおかげとの噂も。この夏は野菜たっぷりのバインミーとデトックスティーで夏バテ知らずですよ!

 

 

 

 バインミー 

 

材料(2人分)

・フランスパン(バタールなど、ちょっと太めの方が挟みやすいです) 20cmぐらいにカット
・肉(ローストビーフやハムなどお好みで。今回はサラダチキンを入れます) 好きなだけ 
・新玉ねぎ 1/4個
・パクチーなどのハーブ類(今回は大葉) 適量

☆大根 8cmぐらい
☆にんじん 小1/2本分
☆塩 小さじ1
☆ミツカン かんたん酢 適量

・バター 適量
・ナンプラー 少々

作り方

① ☆でなますを作ります。大根とにんじんは少し太めの千切りにして、塩をまぶして10分置きます。水分を絞って、「ミツカンかんたん酢」に30分以上漬けておきます。かんたん酢がない人は、酢:砂糖=2:1の割合で混ぜて合わせ酢を作ってください。

② 新玉ねぎは薄切りにして5分水にさらし、肉やハーブ類も食べやすく切っておく。

③ パンに切れ目を入れて、バターを塗る。(前日に買ったパンなら、軽くトーストすると美味しい。焼いた後は冷ましておくことを忘れずに。)

④ ①のなますの水気を切って、ナンプラーをあえる。

⑤ 彩り良く上の具をサンドしてできあがり。

 

 蓮 

育てやすさ: ★★★★

ベトナムの国花。歴史上、ベトナムが苦しい時代があり、それでも蓮のように過酷な環境でも心清らかに、強く美しく生きようという、ベトナムの人々にとって特別な花。首都のハノイでは、6月に蓮の花の見頃を迎える。

花言葉は、「清らかな心」「神聖」

 

執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

【苔玉に寄せて】Vol.28〜IT機器と苔玉

IT機器と苔玉

 私たちの毎日の生活は、多くの情報が飛び交う中にあること、先刻ご承知の通りです。これら多くのの情報を処理するために、私たちはパソコンに始まって、多くのIT機器と否応なしに着きあわざるを得ない毎日です。

 私のパソコンラックの周辺にも、パソコン本体に始まってキーボード、プリンター、スキャナー、更にCDケースの中にCDやらDVDがいっぱい、各種の印刷用紙、照明器具、また音楽鑑賞のための小型ステレオコンポ、スピーカー等が居座っています。

 これらの無機質なIT機器と対峙せざるを得ない毎日に、いつしか疲れを感じることしばしばです。でも、机上の一角にチョコンと遠慮気に座った苔玉にふと眼を奪われ、小さな緑の苔を見つめて、しばし心安らぎ癒されることがよくあります。水をたっぷりと緑の体内に蓄えた瑞々しい苔に、深い生命の息吹を感じるのです。何とも嬉しくなってきます。無機質なIT機器と、一見無関係な感ある生命ある植物の同居に、ほっとするんです。

 私たちの生活の多くの部分に、今後ともIT機器は多様に関わってくることでしょう。私たちの体そのものは有機質です、無機質だけのIT等空間に生き続けることは、砂漠をさ迷うようなものでしょう。小さいながらもオアシスを欲しくなること、疑う余地ないことでしょう。無機質なIT機器空間に、細やかな水と緑をもたらす苔玉に感謝です。

 また、苔玉は小さな小さな景観の中に四季折々の変化を演じてくれます。今は初夏の新緑、夏は濃緑下に涼をもたらし、秋には果実の充実・紅葉を演じ、晩秋は落葉して枯淡を演じ、翌春には芽吹きの喜びをもたらしてくれ、春爛漫の開花を演じてくれます。

 小さいけれど大自然を演じてくれる苔玉に感謝!

 

 

 

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。
つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。