室内で花を咲かせたミニバラの苔玉
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
こんにちは、くーこです。私は運転中ラジオを聴くのですが、2月に入ってから松任谷由美さんの「春よ、来い」をよく耳にするようになり、春がそこまで来ているんだなあと感じています。先日の北京オリンピックでもフィギュアスケートのエキシビションでも羽生結弦選手がこの曲を使っていましたね。
よくよく考えると、歌を聴いて季節を感じることってそう多くない気がして、改めて聴いてみたのですが、まず思うのが美しい日本語で綴られているということ。文語体で書かれていて、中学2年生の国語の教科書にも採用されているそうです。そして冒頭の歌詞に「沈丁花」をチョイスするのがさすがユーミンだなと感じました。
沈丁花は2月の後半から開花する常緑低木で、淡いピンクの小花が手毬状に密集して咲きます。特徴的なのは、花から出る甘い芳香。昭和の一軒家には結構植わっていた気がするのですが、実家や祖父母の家にも植えられていて、あの香りがすると普段は思い出さないような些細な記憶が引き出されて、どうにもむず痒くなるのです。数年前に祖父母の家を片付けた時にもちょうど咲いていて、曲と同じタイトルの朝ドラも一緒に見たな…とかちょっと切なくなりました。もしかすると嗅覚って視覚よりも記憶とつながりやすい?その後の歌詞を読むと、「愛をくれし君」と過去形の人物が出てきますが、ユーミンも沈丁花を記憶を呼び起こす花と考えていたのかもしれませんね。言葉の選び方が上手い方だと思っていましたが、花の名前ひとつでここまで想像させるなんて本当に凄い!しか思い浮かばない私の貧弱なボキャブラリー…
そんな若干センチメンタルな気分になるこの時期なので、家で作るおやつも子どもの頃から作っているものを選びたくなります。
昔ながらの固めプリンとか、小豆から善哉作るとか。鍋できちんと練ってから作るココアも好き。最近作ったのは求肥です。
先日、実家の父からあんこを炊いたのでおすそ分けしてもらいました。5枚切りの食パンであんバタートーストにしたら少しだけ余ってしまったので、大好きな求肥と合わせてみようと。あんみつ頼むとき、追加して頼むかどうか毎回迷う求肥と杏。家で作れば好きなだけ食べられます。しかも簡単。5分もあれば作れちゃいます。どうせなら、春らしくカラフルでかわいいがあると良いなと思ったので、家にあったいちごミルクの素とオレンジジュースで白玉粉を練ってみたらなかなかかわいい仕上がりになりました。いちごは少しくすんでしまいましたが、あんこと一緒に食べるとフルーツ大福みたいでしたよ。もうすぐひな祭りなので、丸めたあんこに薄くのばしたカラフルな求肥を十二単みたいに重ねてお雛様みたいにしてもかわいいかも。
春本番までもう少し。思い出と共に甘いものを食べつつ庭の手入れをし、芽を出すのを楽しみに過ごしています。
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
リシマキア
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
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あけましておめでとうございます。くーこです。皆さんは初詣に行かれましたか?私はまだです。毎年おみくじを引いて今年の目標を立てるのですが、それもできず。できれば節分までにお参りしたいなと思っています。
今年最初のテーマが「冬の手仕事」なのですが、ひとつ目は12月頃から旬を迎える柑橘類の加工です。秋に出回る青レモンを封切に、冬至前に知人から届く柚子やすっぱくてそのままだと食べづらいものをせっせと保存食にしていきます。ジャムも良いのですが、母がポン酢を作るので余った皮を甘く煮てピールにすることが多いです。そのままお茶請けにもなりますし、オランジェットやケーキやパンに混ぜ込むこともできるので冬にたくさん作って冷凍保存しておきます。作るのに手間はかかりますが、無農薬だから安心して口にすることができるのも良いですよね。
ちなみに、ピールやジャムを作る時に皮が夏みかんのようにどうしても苦い品種がありますが、その時は皮をピーラーで薄く剥いてあげると良いですよ。苦味の成分ってワタだけではなく皮にもあって、表皮に見える粒々が苦味のカプセルみたいになっているんです。あとは水に漬けて茹でこぼせば苦味は取れます。私は程々に苦味が残っている方が好きですけれど。
この冬はお飾り用で頂いた鬼柚子と直売所で見つけた国産のオレンジでもピールを作りましたよ。鬼柚子は直径が15㎝くらいで柚子のお化けみたいな風貌をしています。柚子と言っていますが、グレープフルーツに近いそうです。たしかに実はグレープフルーツ色なのですが、味がしないので生食には向かないと思いました。ジャムにしても砂糖味なのです。でも皮は苦味が少なくワタが多いので、柔らかく上品な味のピールが出来上がりました。国産のオレンジは初めて見つけたのですが、広島や和歌山で昔から生産されていたようです。こちらは中身をおいしく頂いて、やっぱり皮はピールに。安定のおいしさでしたが、ふとクラフトコーラを作ってみても良かったかな?と思いました。レモン・オレンジの皮と実にスパイスを加えて作れるようなのですが、農薬付きのオレンジの皮では作る気になれなかったんですよね。また手に入ったら作ってみます。
皆さんは冬にやることはありますか?まだまだ寒い日が続きますが、日々の生活にちょっとした楽しみをみつけていきたいですね。
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
十両(ヤブコオジ)の苔玉
一両(アリドオシ)の苔玉
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。