夏休みに入って間もなく、「親子で苔玉教室」を開催しました。
父子・母子それぞれに11組22人の方々の参集がありました。お子達は小学1年生から中学生までの様々な面々で、楽しく賑やかな苔玉教室となりました。
アジアンタム、スパティフィラム、テーブルヤシ、ホンコンカポック、パキラ、ツデーシダ等のミニチュア観葉植物の中から、それぞれの好みで選別、京都産の山苔で苔玉に仕上げていきました。苔玉に仕立てる作業工程の中、子達といろいろな会話を重ねることとなりました。植物に対する新鮮な喜び・驚き・疑義・思い、そして植物に対する純粋な愛情に触れることができました。
珍しい観葉植物から好みの植物を選ぶ楽しみ、どんな花が咲くのだろうか・・・?との単純な疑義と期待、そんなに苔や植物の根を糸で締め付けては息苦しそうで可哀そう・・・!という植物に対する思いやり、柔らかい肌触りの苔の感触・驚き、苔や植物達には常に水を遣らなければ・・・との実感、等々、思いの程は多様でした。
出来上がった苔玉
幼い手先で一生懸命で真剣に苔玉を作る作業姿には、脱帽、敬服しました。四苦八苦、苦労に苦労を重ねて作り上げたそれぞれの苔玉を、たっぷり水に浸して美濃焼の小皿にのせ鑑賞する顔、そして出来上がったそれぞれの「私の苔玉」に接する愛おし気な面持ち、幼いながらも素直に満足気な喜びの様子でした。
真剣な面持ちで幼い子達や中学生達の苔玉を作っていく作業姿に触れ、彼らのまことに純粋な植物への思い、驚き、疑義、そして愛おし気な態度に触れて、植物への思いを再認識させられたことでした。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
こんにちは、くーこです。このコラムが出る頃には子供が夏休みに突入しています。
そして、入ってすぐに行われる先生との面談と夏休みの宿題をどう攻略するのか頭を悩ませている未来しか思い浮かびません。こちらの小中学校は前後期制なので通知表が夏休み前には無く、その分気が楽ではあるのですけれどね。
今年は予想以上に梅雨が早く明け、そこから家庭菜園の野菜たちもぐんぐん成長して毎日少しずつ収穫できるようになりました。それはどこも同じようで、息子が通う小学校でも育てたジャガイモがたくさんとれたということで3個ほど持たせてくれました。さっそくじゃがバターにしておやつに食べていましたよ。みずみずしくてとてもおいしかったそうです。全て息子のお腹に入ってしまったので、「そうなんだー」としか言えない母でした。
それとは別に小学2年生と3年生は授業の一環で個人の好きな野菜をベランダで育てています。ミニトマトやキュウリなどそのまま食べられるものは休み時間におやつ代わりに食べてもOK。もちろん持ち帰ってもいいですよ、となんともおおらかな対応をしているようです。登校時に子どもたちが「ミニトマトがおいしくできたよ!」「ピーマンがもう少しで採れそう。お母さんに肉詰め作ってもらうの」とお話ししてくれるのを聞いて、なんとも微笑ましい気持ちになりました。中には強者な子もいて、下校時にお口がもぐもぐしているので何を食べているのか聞いたら「お姉ちゃんが育てたインゲン。俺、インゲン大好き」と言うではありませんか。手を見ると確かに握られたビニール袋にサヤインゲンらしきものが入っています。スナック菓子のごとく食べるそれは生でした…サヤインゲンって生で食べられるっけ?新鮮だとおいしいの?と家に帰ってすぐにGoogle先生に尋ねたところ、食べられるようでした。インゲン豆に含まれていて中毒を起こすレクチンは、さやを食べるために品種改良されたさやいんげんには含まれていないようなのでひとまず安心。じゃなくて、自由すぎじゃない?でも嫌いじゃないです。
そして、私の大好きなナスなのですが、なんと息子が言うには給食で苦手な野菜ダントツ1位なんだそうです。全国調査では1位ゴーヤらしいのですが、あまり給食には出てこないのでナスなのだそう。確かに全国調査でも2位にランクインしています。ナスが大好きな息子は給食に出ると皆少ししか盛らないらしく、たくさんナスがおかわりできると喜んでいます。嫌いな理由を聞くとグニグニした食感が嫌いとか、色、皮が硬いとこなんだそうです。確かに、鮮度が悪かったり育ちすぎると皮硬くなるし、しっかり熱を通さないとトロっとした食感にならないですよね。外国の料理番組でも「ナスって人気ないよね」って言っていたので万国共通なのでしょう。
そんな人には、ぜひとも長ナスを試してほしいです。長ナスは実も柔らかくて火も通りやすいし甘味もあるのでオススメです。スーパーでは普通のナスよりちょっとお高い値段で売られていますが、はずれがないのでうちでは長ナス推しです。家で育てているのももちろん長ナス。朝採りのナスは水分たっぷりで甘いので、そのまま浅漬けやダシにしたり、晩御飯用に焼きナスを作ってキンキンに冷やして冷蔵庫に入れておきます。ランチのパスタにもよく使いますよ。
その中でも我が家の夏のナスメニューで一番人気なのが「ナスのつけめん」です。
大人気コミック「3月のライオン」12巻に出てくる「つけめん」を私流にアレンジしたものなのですが、具だくさんのつけ汁を作って、冷たく冷やしたそうめんにつけて食べます。そうめんにありがちな食べている途中で飽きてくることがないのと、他に天ぷらとかお惣菜を用意する必要がないので楽なんですよね。つけ汁のナスにはごま油と豚肉の油がしみ込んでいるので、満足感があるように思います。そばでもおいしいですよ。うどんには合いませんでしたが。豚肉のB1で夏場で予防にもなりますし、夏休みのお昼にぴったりなので、ナスが苦手な人も試してほしいです。
・ごま油 大さじ1
・めんつゆ 適量
・水 300ml
・そうめん 4束
・しそ、みょうが 好きなだけ
① 薬味のしそ・みょうがを千切りにする
② ナスは厚めのいちょう切り、豚小間肉は食べやすい大きさ、長ネギは斜め薄切り、しいたけは薄切り、生姜は千切りにしておく
③ 熱した鍋にごま油と生姜を入れて、香りが出てきたら豚小間を入れて炒める
④ 肉の色が変わったら、ナス・長ネギ・しいたけを入れてしんなりするまで炒める
⑤ 水を入れて沸騰したら、味を見ながらめんつゆを入れていく(少し濃いめがおすすめ)
⑥ そうめんをパッケージの表示通りに茹でて冷やす
⑦ できあがり。
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
早々に梅雨明けし酷暑が続いています。高温多湿の中でエアコンは付けっ放し、室内で避暑するしかありません。エアコンを稼動させると、室内は乾燥傾向となり、同居する苔玉たちはカラカラに乾燥、『水が欲しいよー』と喘ぎ始まります。
猛暑様相の大気、併せてたっぷりの水管理、という二つの条件に恵まれると、苔玉植物たちは大喜びでスクスクと伸長します。
とりわけハンギング仕立て(吊り玉)のオリヅルラン、大実ヤブコウジ、トラデスカンチャ―、ハートカヅラ、ヘデラ類、ムラサキオモト、リシマキア等の草物植物たちは、一日に3~5㎝も伸びてきます。伸ばしっ放しで放置すると、鑑賞に堪えることのできない状態に繁茂してしまいます。高温多湿のこの時節、これらの草物植物たちへの管理・手入れを怠ることのないようにご注意です。
伸びすぎた新芽は芽摘作業を施して下さい。植物達は『頂芽優勢』という法則で、ひたすら植物先端の頂芽を優先して伸長して行こうとします。太陽光に向かって伸びようとする、生命の本質なんです。植物の先端である『頂芽』をカットすると、多くの脇芽(則芽)が伸びてきます。植物体がボリュームを増して、観賞価値が増してきます。
伸びてくる頂芽をカットするのは忍びないという場合は、長さ5~6㎝程度の逆J型に加工した園芸用アルミ線などで、伸長した頂芽を苔面に止め張り付けなどして、形を整えるとよいでしょう。
高温多湿の今日此の頃、毎日3~4㎝の勢いで伸長する『ハンギング仕立て苔玉』植物たちの形を整えながら、『水』と『光』と『温度』に恵まれて伸長・育っていく植物たちの生命力に触れる喜びに浸っています。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
こんにちは、くーこです。
半袖の出番が多くなってきた今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
こちらは、春に植えたピーマンと長ナスが初収穫を迎えました!今回は追肥もきちんと行ったためか、ナスは柔らかく、ピーマンも歯ざわり良く肉厚に育ちました。前に育てたピーマンはプラスチックのごとく頑固な固さがあったので、これは大成功かもしれません。ただ、どちらも収穫数はまだ2個ずつ。各種苗を2本ずつ植えたので、各苗木から1個しか収穫できていないということです。このままでは無限ナス&ピーマン計画が頓挫してしまうので、せっせと肥料をやって、今ついている花たちを立派な野菜にして見せる!とひそかな闘志を燃やしています。知り合いの農家のおば様がいうには、良い肥料をたくさんあげればおいしい野菜ができるそうですよ。野菜の他には3種類ハーブが植わっていて、定番のローズマリー・タイム・ミントがいます。
植わっている中ではローズマリーをよく使っていて、先月紹介したフォカッチャや肉料理、トスカーナ風フライドポテトなんかを作る時に入れています。そのせいかあまり繁らなくて、当初予定していたスワッグ計画がまだ実行できていません。もう少し増やしたいので、夏が終わったあたりに剪定したものを使って挿し木してみようと思っています。実は、これまでに何度かローズマリー栽培に失敗していて、今回初めて1周年を迎えることができました。毎回水をやりすぎてダメにしてしまっていたので、少し大きめの苗を鉢植えにしたのが良かったのかもしれないです。水をたっぷり必要とする野菜苗と一緒にするのはNGみたいですね。意外でした。
そんな中、先日RICOさんとお会いした時にふたりで「ローズマリーとバナナのケーキ」を食べたのですが、こっくりとしたバナナの甘味にローズマリーのすっきりとした風味がベストマッチ!でとってもおいしかったのです。ベリーや柑橘系に合わせることはあっても、バナナって発想はなかったので、目から鱗がボロボロ落ちましたよ。ローズマリーのように香りが強いものだと、量を間違えたらほかの風味が台無しになりがちなのでスイーツにはなかなか手を出せないでいましたが、これはぜひ真似したいなと思いました。
そんな私が唯一ローズマリーを使って作るお菓子がイタリアのお菓子「ビスコッティ」。
これは春日部にある「オークウッド」のビスコッティに感動して作ったものです。この間、「マツコの知らない世界」でも紹介されていましたね。ケーキはもちろんおいしいのですが、焼き菓子も素晴らしくおいしいお店です。このビスコッティ、薄焼きでカリッとしている中にほんのりとローズマリーの爽やかな香りがする一品なのですが、今まで食べたビスコッティで一番おいしかった!絵本に出てくるようなお店のお庭に植わっているローズマリーを使っているようです。そんなおいしいお菓子を好きな時に好きなだけ食べたい一心で作ったレシピです。本家にはかないませんが、簡単で日持ちもするので作ってくれたらうれしいです。ただ、今の時期はすぐに湿気ってしまうので、ジッパー袋に入れて冷蔵庫で保存することをお勧めします。飲み物はイタリアではコーヒーと合わせるようですが、紅茶にもよく合います。オレンジピールが入っているのでアールグレイが一押しです。それでは、素敵なティータイムを!
※150℃のオーブンでピスタチオとアーモンドを10分ローストして粗く刻んでおく
※ローズマリー(葉だけ摘む)とオレンジーピールは細かく、ホワイトチョコは粗く刻んでおく
※準備が終わったらオーブンを180℃に予熱しておく
① ボウルに砂糖と卵を入れてよく混ざったら、米油を加えてよく混ぜる
② 一緒にふるった小麦粉とベーキングパウダーを①に入れて、ゴムベラで切るように軽く混ぜたら刻んだピスタチオ・アーモンド・オレンジーピール・ホワイトチョコ・ローズマリーを入れ、粉気がなくなるまで混ぜる
③ 鉄板にオーブンペーパーを敷いて、両手に分量外の米油をつけたら②を厚さ1cmのなまこ型に成形する。このときに、表面にひびが入らないようにする
④ 180℃に温めたオーブンで15分焼く
⑤ 冷めたら、1㎝の厚さに切って、断面を上にして鉄板に並べる
⑥ 150℃のオーブンで30分前後焼く(表面を触ってかたくなっていればOK )
⑦ 焼き立ては崩れやすいので、そのまま冷ますと出来上がり
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「つくばで食べる・つくる・育てる 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
ベランダに鉢植え植物たちと共に多くの苔玉たちが並んでいます。その林間をスズメたちがウロチョロ、飛び跳ねています。どこからともなく、『チュッ・チュッ・チュッ』と、幼鳥たちの鳴き声・・・?!
苔玉林の奥の部分に、いつの間に造ったのやらスズメの巣・・・!見事な居巣の中で小雀たちが数羽鳴いていました。辺りでは『ジュジュッ、ジュジュッ』と、親鳥2羽が、怒った様子で威嚇さえずりです。早々にドアを閉じて室内に退避、観察しているとスズメの親子の会話が聞こえてきました。
此のところ、ベランダに置いていた苔玉材料の山苔や水苔がなんとなく散在する、なんでなんだろう・・・?との疑問が解けました。苔類をスズメたちが住居・巣材の建築材料に使っていたのでした。
私の作った苔玉、の林間に住み着いてくれたスズメ一家、親子の会話が聞こえてくる、嬉しくなってきました。歓迎の意を表わして、パン、菓子類、バナナ等の果物類の欠片を巣の周辺に置くと、喜んで啄んでいるようです。新たな同居人に気を使わざるを得ず、親鳥スズメの留守中に苔玉への潅水等々ソロリソロリとやっております。
スズメご一家のご来宅で、幼少の頃ジュウシマツ、カナリヤ、セキセイインコ等を飼った幼い日々を懐かしく思い出します。同居して、朝から元気な囀りを聞かせてくれるスズメたちに、元気をもらっています。
因みに現在の苔玉林は、クロマツ、大実ヤブコウジ、ヤマモミジ、夏ロウバイ等で構成し、更にベランダの手擦りにはオリヅルラン、トラデスカンチャ―、ムラサキオモト、ラン類等の吊玉タイプの苔玉で林相を呈しています。ベランダの苔玉たちに、更なる生命のストーリーをもたらしてくれたスズメの親子に感謝です、ありがとう。
幼いスズメたち、元気に育って巣立ちの日を迎えて欲しい、願っています。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。