2種類以上の植物を組み合わせて、『寄せ植え苔玉』を作る場合が多々あります。山アジサイ、ケヤキ、サルスベリ、モミジ等の落葉樹木の苔玉造りに当たっては、必ず、玉リュウノヒゲ等の背丈の低い常緑性の草類を『下草』として添植します。

落葉樹木は、晩秋 ~ 冬季の間、紅葉して落葉してしまい、寂しい景観となってしまいます。・・・・・落葉した寂しい冬の間、『玉リュウノヒゲ』は極めて丈夫な植物で、濃緑色で元気、冬の苔玉の根元を賑わしてくれます。『緑』の下草・玉リュウノヒゲが、僅かに生命活動する苔玉景観を演出してくれます。
造園、庭作りで言う『上木』、『下草』の心意気です。
アカマツ、クロマツ等の常緑樹マツ類を苔玉に仕立てる場合、その根元部分に『松ぼっくり(松笠)』と『下草』を添付・添植するなどして、苔玉景観を演出したりします。マツ類は、『松ぼっくり』が発芽してクロマツやアカマツが育った生命の循環を、苔玉界で演出します。
生命の姿、『自然の摂理』を想い描きます。

2~3種類のミニ観葉植物を、寄せ植えにした形状で苔玉に作ったりします。この場合、それぞれの植物たちの背丈比は概ね 7 : 3 : 1 ( 主 : 客 : 控 ) 程度で纏めます。
心は、『生花道』、『花生けの心』です。
私の勝手・気ままに、植物たちを苔玉の姿に衣替え・衣装直しする・・・・・『生花の心』や『庭作りの技』に学び、『大自然界の摂理』を素直に受け入れ・・・・・温故知新、多くの植物たちに学ぶ毎日です。

執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
ブルーベリーの枝先に、黒紫色の果実がたわわに実っています。ほんのり甘酸っぱい美味に誘われての実摘み収穫、暑い最中の重労働です。苔玉に仕立てておいたブルーベリー小苗にも、5~6個の果実が着きました。酷暑の中、よく可愛らしい果実を着けてくれたな・・・・・収穫するのは恐れ多く、小粒の黒紫色を鑑賞・堪能しております。
『花より団子』・・・ブルーベリーの果実収穫を目的として庭先に小苗を植え付けた筈でした。濃緑色の枝葉に包まれ、たわわに実る黒紫色の果実・・・甘酸っぱい美味を知る舌先が騒ぎ立てます。一方で、苔玉仕立ての小さな黒紫色の小粒たちは、細やかに夏の音連れを演出しているようです。
私たちが生命活動を維持していくには、まず『果実』が必要・・・・・腹を満たしたゆとりの中で、僅かに5~6個の果実揺らぐ枝先に夏の訪れを情緒し、美として堪能できること、まことに幸せなことです。


私たちは家を建て居を構える・・・家回りのオープンスペースに、野菜の種・苗を植えて収穫する、更に片隅にウメの苗を植えて果実を収穫する・・・・・いつしか梅の花の美しい生活環境に育まれていく、それが『庭』の原点だった・・・・・ブルーベリーは、そんなことを語ってくれました。
地方によって育つ植物は異なるし、気候も異なる・・・・・さらに国によっても生活環境は変わらざるを得ない、『食』と『庭』の在り様をブルーベリーが語り掛けてくれました。

執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
買い物がてら、近所のホームセンターへ出掛けました。園芸生モノ売り場の一角に、4寸鉢に植えられたビカクシダ(コウモリラン)を見かけました。1鉢580円、苔玉に仕立てて、パソコンデスク回りに置きたいナァ、ついつい手が出ました。
自宅に持ち帰って机上に置き、一風変わった緑葉の様相を見る、嬉しくなってきました。60余年以前、大学2年生の頃、下宿部屋の一端にコウモリランを吊り鉢して眺めたことを懐かしく想い出します。「イヤァー、また会えたナァー!」・・・・・
よし、吊り仕立ての苔玉に作ろう・・・・・コウモリランの苔玉造りは先月に書きました。
苔玉に仕立てる植物を探して園芸植物の産地、園芸店、ホームセンター等を歩くのは楽しいことです

『これは、苔玉にピッタリ・・・見―つけた!』ときは、宝物を見つけた感覚です。過去・50余年、苔玉に仕立てる植物材料を探して全国を歩きました。苔玉等、園芸の本質は「園芸生モノ」を知り抜くことにあると思います。園芸生モノを真に理解・熟知するためには、植物それぞれに異なる「産地を歩く」ことも重要です。まずは、近辺にある産地を歩くことによって、研ぎ澄まされた園芸愛好家の目で見ること、さすれば、思いもよらない素晴らしい植物にぶつかることでしょう。
さてコウモリラン君! しばらくの間は私のデスクライフを見ていて下さいねぇ!

執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
コウモリラン(ビカクシダ)の苔玉作りにチャレンジしました。
まず、
①.プラスチック製鉢に仕立てられていたコウモリランの根部の土を払い落とす。
②.その根元を水蘚で丸く包む。
③.根元を丸く包んだ水蘚が密着・落ちることのないように、木綿糸でしっかりと巻き止める。
④.水蘚で覆った根部を分厚い山苔で包み、山苔が密着・落ちることのないように、ミシン糸で巻きとめる。
⑤.苔玉仕立てコウモリランの発芽方向、見た目の形状等を見定めながら、吊り金具をセットする。
⑥.プラスチック製鉢に植えられていたコウモリラン、吊り苔玉仕立てに変身です。
立派なコウモリランの吊り苔玉が仕上がりました。太陽光線の十分に差し込まない室内で、大きく羽ばたくコウモリランの葉が垂れ下がることを期待します。

プラスチック製の植木鉢は便利な鑑賞植物の運搬・乗り物です。軽くて割れ難い、大小さまざまな大きさのプラスチック鉢は、園芸の拡大・発展に貢献したこと、大きなものがあります。
でも、植え付けた植物たち(自然)との馴染み・・・・・今一つ、しっくり来ない、どこか違和感を覚えてしまいます。苔で鑑賞対象の植物の根元を覆う・・・・・植木鉢の代替品としての苔・覆い・・・・・今度は『しっくり』です。

『鑑賞植物と苔』とのコラボレーション、更に下草や添景物を添えて、『苔』生す大地に育つ植物たちの景観を描いているようです。園芸の世界に定着してきた『苔玉』です、これからも多種多様な苔玉作成にチャレンジしていきたい・・・・・想い描いています。
プラスチック鉢に押し込められていた『コウモリラン』、吊り苔玉に仕立てられて自然に大きく羽搏いているようです。て、壮大な、素敵な景観を描き・作っていきたいと願っています。

執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
目に鮮やかな新緑の季節、室内にも観葉植物が欲しくなります。小さな3号鉢に仕立てられたドラセナコンシネ・レインボーを苔玉に作ってみることにしました。ドラセナ・コンシンネは、リュウケツジュ科に分類され、観葉植物として利用されます。赤くて細長くスマートに立ち上がった茎葉の姿は見事、心惹かれます。だが苔玉に仕立てたドラセナ単体の姿を想起すると、少々単純に過ぎるかな・・・・・?

何か緑色の下草的な組み合わせが欲しい!・・・・・と、いうことで、小振りに育てたヘデラ・ヘリックスを組み合わせてみました。赤色と緑色のコントラストで効果覿面、更に、細っそりした赤いドラセナの根元を、緑色のふっくらと丸みを帯びたヘデラの葉が包んで、安定感抜群の苔玉植物群となりました。スマートに伸び上がろうとする単子葉植物・ドラセナの根元を、双子葉植物・ヘデラの丸葉が巧みに包み込んでいる・・・・・自然界のもたらす見事なコラボレーションです。

モミジ、サクラ、ケヤキ等の落葉樹木類の苔玉作りにあたって、下草として玉リュウノヒゲを添植してきました。落葉樹類は晩秋~冬季の間、落葉してしまうため、枝だけを残す寂しい景観となるのは自然の摂理・致し方ありません。ために、常緑草本『玉リュウノヒゲ』をわき付け添植します。
冬季でも緑豊かなクロマツの苔玉作成に当たっても、根元に『玉リュウノヒゲ』等の下草をわき付け添植します。併せて、マツの実である『マツボックリ』をクロマツの根元に配したりして、自然の景観を作ったりしております。
まことに小さくて狭い苔玉の球上です、その苔上に植物たちや添景物を添えて、壮大な、素敵な景観を描き・作っていきたいと願っています。

執筆者紹介 – S.Miyauchiさん
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について45年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。