「こけだま」というと「苔玉」の漢字が定着しているようです。でも、「苔球」あるいは「苔珠」といった漢字を当てる場合もあります。
20余年前の「こけだま」は、苔に包まれた植物の根部が”球形”のものがほとんどでした。その故「苔球」の漢字が誂えられたのでしょう。
根部が”球形”の「こけだま」は座りが悪く安定感がありません。そのため透明の釣糸(テグス)などで店頭に吊るすなどして販売されていました。
昨近の「こけだま」は、室内で風情ある皿に載せられたり、玄関先や床の間で観賞されるようになってきました。そして苔の根部を”お椀を伏せた形”に仕上げて安定させた状態が多く見られるようになり、徐々に「苔球」の漢字がそぐわなくなって「苔玉」の漢字へと変化し、定着してきたようです。
また一部の「こけだま」愛好家たちでは、「苔珠」という漢字を当てて観賞されているようです。
「珠」の漢字を当てる、なんとも雅な感覚ではないでしょうか。「和」の感覚の園芸です。
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「苔玉」を身辺に置いて楽しみ観賞する姿は、老若男女を問いません。
”和”の感覚の植物を「苔玉」で楽しまれる年配の愛好家、ミニチュアローズやカランコエなどのカジュアル・フラワー類を「苔玉」で楽しむ若い人たち、「苔玉」愛好家は多岐に渡ってきました。また、都心部の小物店・園芸専門店、郊外のショッピングモールにも「苔玉」が多く見受けられるようになりました。
床の間にモミジ、クロマツ、ケヤキなどの「苔玉」を置いて一服の茶を嗜むのも良し、パソコンなどに向き合うことの多いオフィスで、テーブルヤシ、ガジュマル、アジアンタムなどの小さな「苔玉」で心癒される瞬間を持つのも良し・・・、自由な形で「苔玉」が楽しまれることを願います。
緑成す苔の大地に佇む植物の姿は愛らしくも、生命の力強さを伝えてくれます。
小さな小さな「苔玉」が、園芸愛好の裾野をジワリジワリと拡げているようです。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。
つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの苔玉と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。
こんにちは、店員のくーこです。
先日、車から菜の花の黄色で埋め尽くされた河川敷を見かけ、春の訪れを感じました。
暖かな日差しに似た色のせいか、心がウキウキしてピクニックしたくなっちゃいます。
というわけで、今月は持ち運べる「菜の花のケークサレ」を作ります!
ケークサレは食事系ケーキで、フランスでは気軽に作れる軽食なんだとか。
今回はチーズベースの生地にベーコンとほろ苦菜の花を入れてみました。
ドリンクは、店長のRICOさんリクエストで「大人の辛口ジンジャーエール」です。
こちらは、ジンジャーシロップを炭酸水で割ったもので、辛さや甘さを自分好みにできるのが楽しい一品。
アウトドアにはアルコール!という方は、ジンジャーシロップ+ビールでシャンディガフってカクテルにするのもいいですね。
それでは皆様、素敵な春の休日をお過ごしください。
<レシピ>
◎ 材料(18cm丸型1台分)
◎ 作り方
(準備)
チーズ、ベーコンはサイコロぐらいの角切りにし、菜の花は粗く刻む。
薄力粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておく。一口サイズにカットしたスポンジケーキに①を刷毛で塗る。
<レシピ>(8杯分くらい)
◎ 材料
◎ 作り方
育てやすさ: ★★★★
緑が美しい、常緑のつる性植物。
日陰や寒さに強く、観葉植物初心者さんにおすすめ。
吊るすことで、苔玉のころんとしたフォルムとアイビーのつるが引き立っています。
花言葉は、永遠の愛・友情。
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
桜花爛漫、春真っ最中、お花見なさったことでしょう。
サクラの苔玉は、一足先に開花しました。苔玉に仕立てるサクラは、小さな樹形に花いっぱい着けたいですネェ。それには一般の花見で愛でる「染井吉野」種では、殆ど期待できません。苔玉仕立てに向くサクラは「豆桜」種が最適です。「豆桜」は、富士山~箱根界隈に自生するサクラで、小さな木でも樹冠いっぱいに小さめの花を開花させます。花いっぱい・豪華絢爛な桜花を苔玉仕立てでお楽しみ下さい。
花が終わったら、青葉新芽の萌芽を楽しむことができます。「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」と、初夏の風情をサクラの青葉に託するのです。風に揺らぐ青葉の苔玉は、爽やかな涼感をもたらしてくれることでしょう。
6月中旬は「さくらんぼの実る頃」、青葉の中に赤いルビー色の果実は嬉しいものです。さくらんぼを実らせるには、開花時期に一工夫が要ります。苔玉に仕立てたサクラと異なる品種のサクラが、苔玉の近辺に開花していて、その異なる品種のサクラの花粉を受粉しなければ果実「さくらんぼ」は着きません。サクラには「自家不和合性」という性質があって、めしべ(雌蕊)は同じ木の花粉(雄蕊)を殆ど受けいれないんです。兄弟・親族とは結婚しないという、自然の法則をサクラは厳守するんですネェ。苔玉仕立てのサクラに赤いさくらんぼを着けるには、別品種のサクラの開花が必要だ、ということです。ウメについても、同じことが言えます。梅の花を愛で、6月に苔玉仕立て梅の木に果実を付けることができたら、素敵な実物盆景苔玉となります。
秋も深まってきますとサクラの葉は、紅葉します。黄色く、さらに赤く紅葉が、深い緑の苔玉の丘に、秋の訪れを演出します。紅葉は落ち葉となり、桜の枝幹を残すだけの冬の景観を呈します。緑の苔の丘に、寒々とした枝幹だけの桜、寂し気な「枯淡の美」。でも、枝先をよく観察すると、赤っぽい硬い新芽が内包され次の春を待っている・・・・・
春夏秋冬変わりゆく苔玉の表情は、生命の神秘を私たちに語りかけてくれます。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。
つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。
※4月は第2土曜日の掲載となりました。何卒ご了承ください。
もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの苔玉と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。
こんにちは、店員の くーこ です。
店長の りこ さんからセントポーリアの苔玉を託されたので、その花言葉から3月のテーマを「ホワイトデー」にしました。
バレンタインデーやってないのに…
さてホワイトデーと言えば、気になるのがお返し。
某生活情報サイトのアンケートによると、もらってうれしいお返しの第2位は『花束』だとか。
確かに、お花をもらうと嬉しいですよね!
花付きの苔玉ならどんなインテリアにもマッチするので、お勧めですよ。
もっとカジュアルな物が良いなら、苔の妖精「たまにゃん」が一押しです。
そして、3月のカフェメニューは男性でも簡単にできる「いちごのトライフル」です。
パフェみたいに苺とクリームとスポンジケーキを交互に入れていくだけなので、お菓子作りをしたことない人もすぐにできますよ。
スポンジケーキは、市販の物やカステラ等好みの物を使ってくださいね。
撮影では生チョコケーキを使っています。
ドリンクは意外と思うかもしれませんが、台湾烏龍茶の高山茶です。
渋みがなく、爽やかな風味がこってりとしたチョコレートケーキと合うのです。凍頂烏龍茶も合いますよ。
今年のホワイトデーは、大切な女性に苔玉とデザートをプレゼントしてみてはいかがでしょうか?
所用時間: 約15分
<レシピ>
◎ 材料(小さなグラス2個分)
◎ 作り方
育てやすさ: ★★★
葉は肉厚で産毛の生えた丸い形が特徴的。
種類がとても多く、自分好みのものを探すのが楽しい花。
花言葉は、小さな愛・細やかな愛・親しみ深い。
育てやすさ: ★★★★★
Active Note が笠間の植物工房「四季館」さんとコラボ制作した作品。
全て手作りのため世界で1つしかないのが特徴です。
猫好きの方も必見!果報を寝て待つのんびり猫♪
花言葉は、母性愛・信頼・物思い。
つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。
学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。
趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。
コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。
※ 第2回目はホワイトデーに合わせて早めの掲載となりました。
苔庭で著名な京都の西芳寺(苔寺)へ行かれた方は多いことでしょう。
私は今から54年前(大学1年生でした)、若き日の3月に雪降る苔寺を訪ねました。
雪の白と苔の緑の織り成すコントラスト、「静けさ」に癒され感動したこと、鮮明に覚えています。
その後、富士の原生林「樹海」、青森県の奥入瀬、奥只見の谷筋など、素晴らしい自然の苔に触れてきました。
いつの日か若い日のあの感動を多くの人々にお伝えしたい・・・・・
「苔玉」園芸を立ち上げた原点です。
今、若い人たちのワンルームやアパートのお洒落なルームインテリアオブジェとして着実に「苔玉」が定着してきました。
さらに、若い人たちの嗜好が洋風の観葉植物から わび・さび の「和の観葉植物」へと変化しつつあるようにも感じております。
苔で覆われた丸い土の上に、山野草や木の苗をシンプルに植えただけの、たった一個だけの小さな「苔玉」空間に、無限に拡がる思い・癒し、どんな宇宙を拡げているのでしょう。
苔玉に仕立てられた植物は多種多様です。ウメ、ケヤキ、モミジ、ミズナラ、クロマツ、アカマツ、シュンラン、コクリュウなどの和の植物、ミニチュアローズ、デンドロビューム、ガーデンシクラメンなどの洋風の花・・・・・
人それぞれに素晴らしい思いを描いて頂き、心癒して頂きたいと思っております。
日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。
つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。
コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。