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【おうち Moss Café – 果実とその花 編】Vol.46 クランベリーソース・クランベリー

12月のおすすめ
「クランベリーソース・クランベリー」

もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの緑と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。

                       

こんにちは、店員くーこです。

 ホームセンターのガーデニングエリアで見かけると、毎年購入しようか迷うものに「クランベリーの鉢植え」があります。秋の初めぐらいに実がついている小ぶりな鉢が1000円前後で売り出していて、その見た目のかわいさと収穫欲に駆られて手を出そうかどうか悩んでしまうのです。悩み始めておそらく4年は経っていると思いますが、いまだに買えていません。なぜか。実が生食できないから。

 そうなんです。真っ赤な実は、生で食べると酸っぱくてちょっと渋いのです。産地のアメリカやカナダでもジュースか加熱処理して食べている模様。そうなると、複数の株を育てるしかない?とか考えてしまって…観賞用に徹すれば良いとは思うのですけどね。

 そんなクランベリーの木は、高さ10㎝程度の低木にあたります。広大な土地でちまちま人力で収穫とか、ブラック企業も真っ青だ!と調べてみたら、畑をプール並みに水浸しにして収穫していました。クランベリーの実を横半分に切ると分かるのですが、四葉のクローバー状に空洞があります。そのため、木を水に沈めてちょっと刺激を与えると実だけが浮いてきて、いっきに機械で吸い上げて集めるそうです。そうすることによって、実の脇についている若い芽を傷つけずに済むとの利点もあり、春まで水を張ったままにしておくと冷害から守ることもできるとのこと。考えた人凄い!収穫風景がなかなか面白いので、興味がある人は動画をググってみてください。

             

 先日、生のクランベリーを某会員制ホールセールで見つけたのでソースを作りました。ヨーグルトやバニラアイスにかけても良いけれど、これからの時期にぴったりなのが肉です。アメリカでは感謝祭やクリスマスにターキーなんかと合わせるようですが、我が家では豚肉です。豚肉は酸味のあるソースが良く合います。今回は簡単ローストポークのレシピを紹介しますが、年末にハムの人がくるおうちは厚切りのハムステーキに添えてもおいしいですよ

 

             

 

 クランベリーソース
材料

・生クランベリー 200g  
・白ワイン 100㏄  
・グラニュー糖 50g

作り方

① クランベリーをよく洗って、半分に切る。

② ①と白ワインを鍋に入れて、中火でアクを取りながら柔らかくなるまで煮る。

③ ②にグラニュー糖を入れて、とろみがついたらできあがり。

             

 簡単ローストポーク
材料

・豚肩ロースかたまり  500g  
・天然塩  5g   
・オリーブオイル  適量
・乾燥ローズマリー、タイム、こしょう  適量

作り方

① 豚肉のかたまりに、塩・胡椒・乾燥ハーブを刷り込み、オリーブオイルをかけたら、ラップできっちり包んで、冷蔵庫で1晩寝かす。

② 作る1時間以上前に冷蔵庫から出して、肉を常温に戻しておく。

③ フライパンを熱したら、肉の側面を全部焼く。

④ ③をアルミホイルで包んで、ジッパー付きのビニール袋に入れたら、沸騰した湯の鍋に入れて浮かないように皿などで重石をしたら2分茹でて火を止め、2時間以上放っておく。肉に竹串を刺して、肉汁が透明だったらできあがり。

 

 クランベリーの花

育てやすさ: ★★★

ツツジ科スノキ属のつる性の低木。実は昔からネイティブアメリカンに染料や薬としても使われている。名前は「Crane(鶴)」が由来とされていて、花の形状が鶴の頭に似ている説や、実を鶴が好んで食べる説がある。

花言葉は 「心を癒す・天真爛漫」

 

執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

 

【苔玉に寄せて】Vol.46~モス・アート 苔玉

「モス・アート 苔玉」

  紫シキブの紫色の果実が美しい季節です。また、この木の「枝替わり種」である、白シキブや桃シキブ(ピンクパール)も、園芸店の店先を賑わしています。この木は伸長著しくて苔玉として仕立て楽しむには、少々難があり一歩引いてしまいます。でも、高貴な紫色の果実の持つ魅力、苔玉に仕立て室内に取り込み楽しみたくなります。ムラサキシキブを苔玉に仕立てることにチャレンジしてみました。
 真っすぐ伸長した自然枝状のままでは風景にならない、思い切って園芸用アルミ針金を使って枝を左右に、あるいはスパイラルに曲げて、思いのままの樹形に作ってみました。更に下草として、玉リュウノヒゲを添植してみました。なかなか良い枝ぶりのムラサキシキブの苔玉盆景に仕立て上がりました。

 ケヤキ、コナラ、サルスベリ、ブナ、モミジ類、マツ等も、同様に園芸用アルミ針金を駆使して樹形を整え、苔玉として楽しんできました。自然の形ですくすくと伸びようとするこれらの樹木にしてみれば、人間の勝手で針金を掛け左右・上下にあるいはスパイラルに曲げられるなんて、樹木たちには申し訳ない思いもあります。山中のどこにでも生い茂っている樹木たちを、アートとして楽しむんです、樹木たちも晴れ舞台に立てて喜んでいることでしょう。

 

 幼い頃から60余年の間、多くの園芸植物を取り扱い育ててきました。苔玉に携わって35余年になりますが、苔玉に仕立てた植物は1200余種に及びます。当初は、多くの植物たちを苔玉に仕立て育てることで精いっぱいでした。
 私は園芸植物の専門屋であって、おこがましくもアーティスト等とは自称致しかねます。でも、苔玉もアートとして位置付け、多くの植物たちを私たち人間生活の空間にデビューさせていきたいと思っています。

 

 

 

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。

【おうち Moss Café – 果実とその花 編】Vol.45 柿とオレンジのサラダ・柿の花

11月のおすすめ
「柿とオレンジのサラダ・柿の花」

もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの緑と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。

                       

こんにちは、店員くーこです。

 秋風に乗って金木犀の香りが届く季節になりました。朝晩の寒暖差が激しいので体調も崩しやすいですが、いかがお過ごしでしょうか。

 この時期の果物といえば「柿」です。子供の頃は正直好きな果物ではなかったです。果物なのにジューシーさに欠ける上に、選ぶのに失敗すると甘柿のはずなのに少し渋かったり。朝に出てくるとテンション下がるフルーツのひとつでした。

             

 見方が変わったのは社会人になってからで、「故郷の岐阜から送られてきた」と上司がこっそりくれた「富有柿」を食べてからです。薄い紙に包まれて、高級な佇まいの富有柿はトロッとした果肉でとてもジューシーでした。こんなにおいしい柿がなぜ我が家の食卓に上がってこなかったのか母に聞いたところ、母は逆にトロッと食感が苦手で「次郎柿」ばかり出していたとのことでした。よく比較される2品種ですが、「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べる」と言われているそうで、次郎柿はコリコリした食感が好まれるようです。

 酸味は少ない果物ですが、ビタミンCの含有量はフルーツ界でトップクラスなんです。風邪を引きやすくなるこの時期にはぴったりなのですが、果糖含有量もトップクラスなので食べすぎると太るのが残念。

             

 実は柿って調理してもおいしくて、豚肉と炒めても良し、なますに甘みとして入れても良し、牛乳と柿をミキサーにかけて冷やすだけでプリンまでできてしまいます(プリンはペクチンとタンニンとカルシウムの化学反応を利用しているそうです)。

 さすがに炒めものだとカフェではなく定食屋になってしまうので、サラダを作ってみました。オレンジカラーでハロウィンパーティーにも合う1皿です。柿だけだと酸味が弱いので、相性の良いオレンジを加えています。レシピのチーズは何でもよいです。今回は自家製のスモークチーズがあったので入れてみました。スモーキーな風味がまったりとした甘さとばっちりの相性でしたよ。チーズの代わりに、サラダチキンや生ハムでもおいしいです。

 

 

             

 

 柿とオレンジのサラダ
材料

・柿 1個  
・オレンジ 1個  
・ベビーリーフ 1袋  
・好きなチーズ 適量
・クルミ 適量  
・白ワインビネガー 大さじ1  
・エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1  
・塩 小さじ1/2  
・こしょう 少々  

作り方

① ベビーリーフは洗ってよく水気を切っておく。

② くるみを焦がさないように炒って冷ましておく。大きければ割って小さくする。

③ チーズも1cm角に切る。

④ オレンジは横半分に切って、半分は実を袋から出し、残りの半分は果汁を絞っておく。

⑤ 柿は10~12等分に切り分け、さらに半分に切る。

⑥ ボウルに④の果汁、白ワインビネガー、塩、こしょう、オリーブオイルの順によく混ぜながら入れていく。

⑦ ⑥に柿とオレンジとベビーリーフを入れてよくあえたら皿に盛る。

⑧ チーズとクルミを散らしてできあがり。

             

 

 

 柿の花

育てやすさ: ★★

梅雨時期にクリーム色で4つの花びらの小さくてかわいらしい花をつける。がくが花びらより大きいので、咲いていることに気が付かないことも。1日のうち数時間しか開花せず、落ちやすい花弁のため、路面でその存在を知ることも多い。上品な蜂蜜が取れる花でもある。

花言葉は 「自然美・優しさ・恩恵」

 

執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。

 

【苔玉に寄せて】Vol.45~「苔玉」作りに至った道のり

「苔玉」作りに至った道のり
 私は社会人となって初の仕事は、公園、高速道路、工場、ゴルフ場造成等の公共緑化工事に携わることでした。その折、傷んだ樹木や規格外れの小さな苗木等、廃棄処分の対象となる苗木類が多くあって、捨て去られる植物たちを愛おしく思い、小さな植木鉢などに育てたことでした。日本経済が高度成長を遂げ公共緑化が華やかだった昭和末期の頃は、大量の緑化樹木の生産に携わりました。そこでも多くの規格外れの植物たちを廃棄処分する場面に遭遇、何とか生かしてやりたい思いに駆られたことでした。
 
 平成2年にバブル状態にあった日本経済が弾け、私も大型公共緑化工事から離れる決断に迫られました。そこで、全国の園芸店、ホームセンター等の園芸小売等の経営コンサルに携わることとなりました。そこでもまた再び、ロス化し廃棄されていく植物たちを見るに忍びない思いから、これ等を何とか生かしたい思いでいっぱいでした。
 
 これら廃棄される植物たちを鉢物や盆栽風に仕立てて、再生、楽しんでおりました。その数、次第に増え続け処方に困り、初歩的な「苔玉」に変身させていった次第でした。
 
 以前の本コラム上で、苗木類の根部が乾燥しないように水苔などで保護して荷造して発送したことから改良改革して、「苔玉」という形に仕立てた旨、記載しました。
 
 捨てられ、命を絶たれる植物たちを、再生復活させ天命を全うさせたい、という思いに始まった「苔玉」への道のりでした。以来30有余年、植木類の苗に始まって、花木類、観葉用植物、ラン類、花鉢類、実物花木、山野草、地被植物、多肉植物等々と、多岐に渡る植物を新たに「苔玉」に仕立て、今日までに1200余種の植物を「苔玉」に仕立てるようになりました。
 
 大学在学中に学んだ花の栽培、緑化・造園業で学んだ樹木の仕立て方等々、「苔玉」造りに生かされています。茶庭の設計・造作で学んだ「わび・さび」の心も、他に代えがたい体験であり、「苔玉」造りに少なからず影響をもたらせてくれました。75余年の年齢を重ねた今日、四季折々、更に多くの人たちに愛でて頂ける「苔玉」作りに精進したいと考えています。
 
 
 
 

 

執筆者紹介 –  S.Miyauchiさん

日本農業園芸造園研究所代表。農業・園芸・造園について30年以上の業務・指導に務める。つくば市在住。 つくばの松見公園をはじめ、数々の有名庭園の設計に携わる。現在は全国各地で苔玉教室などを開催し、誰もが楽しく園芸に触れることができる活動を展開している。

 コラム「苔玉に寄せて」は毎月第2土曜日に掲載予定です。

【おうち Moss Café – 果実とその花 編】Vol.44 プルーンのアフォガート・プルーンの花

10月のおすすめ
「プルーンのアフォガート・プルーンの花」

もしも Active Note がカフェをオープンしたら…
そんな空想をちょっとだけ形にしてみました。
毎月おすすめの緑と、テーマに合わせたカフェレシピを紹介していきたいと思います。

                       

こんにちは、店員くーこです。

 ようやく風が涼しくなってきました。フルーツ売り場も賑やかになってきましたね。梨に柿にぶどうなど。まだまだ暑いので、甘いものを食べるにもチョコみたいな重いものよりフルーツを選んでしまいます。水菓子とはよく言ったものです。

  最近お気に入りなのが、冷凍のカットフルーツ。種類も豊富だし、アイスよりカロリーも低そう。一口サイズなので、冷凍庫にストックしておくと、誰かしら開けて口の中に放り込んでいます。特に私が好きなのが冷凍プルーン。プルーンといえば、干しブドウの親分みたいなのか、ミキプルーンぐらいしか知られていないかもしれませんね。ここ数年、8月から10月ぐらいにかけて生のプルーンをスーパーで見かけるようになりました。Sサイズの卵ぐらいの大きさで、紫色の皮ごと食べられ、プラムよりも甘いです。栄養価も高く、ペクチンやカロテン、ビタミンEが豊富に含まれているため、成人病予防などに良いそうです。プルーンといえば、鉄分が有名ですが、実はあまり含まれていません。生ならバナナの方が多いですし、ドライフルーツでもアンズの半分にも満たないとか。それでも、アンチエイジングとしての果物では優秀だと言えます。

             

 今月のデザートはプルーンのジャムを作って、できたて熱々のジャムをアイスにかけて食べるアフォガートにしました。できたてのジャムはソース状でさらさらしているためかけやすく、冷めるとペクチンが多いのでしっかりとしたジャムになり2度おいしいと思います。今回はバニラアイスにしましたが、チーズやヨーグルト味も良いですね。夏の疲れた体にはプルーンがオススメですよ。


 

             

 

 プルーンのアフォガート
材料

☆冷凍プルーン 200g(小さくカットする)
☆グラニュー糖 50g
☆ホワイトキュラソー 10g
☆水 50ml
☆シナモン 少量

・バニラアイス 適量
・クッキー 適量

作り方

① ☆でジャムをつくる。まずは小鍋にプルーンとホワイトキュラソーと水を入れ、中火でプルーンが柔らかくなるまで混ぜながら煮る。

② 柔らかくなったら、グラニュー糖とシナモンを入れて、ヘラで底をこすってスジが見えるぐらいになるまで混ぜながら煮る。

③ グラスに粗く砕いたクッキーを入れ、アイスをのせ、熱々の②をかけたら出来上がり。

             

 

 

 プルーンの花

育てやすさ: ★★

バラ科スモモ属。桜に似た白い花を咲かせる。プラムとプルーンの違いは、ドライフルーツにできる品種がプルーンとされている。糖度が高くないと、種つきのまま乾燥できないそう(発酵してしまうから)。庭仕事をしていると、ついついその辺の雑草を抜いて「これね、ミキプルーンの苗木」とやってしまう。

花言葉は 「誠実な一生」「変わらない信仰」

 

執筆者紹介:  くーこ さん

つくば市在住。現在子育て真っ最中のフリーライターさん。

学生時代より文芸部の部長を務め、大学では文学部に学び、現在も執筆活動を続けています。

趣味は長年続けているお菓子作り。みんなから頼りにされる緑と料理を愛する主婦です。

 コラム「 おうち Moss Café 」は毎月第4土曜日に掲載予定です。